地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

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 公務員には勤務地によって地域手当が支払われます。裁判官にも当然支払われていますが、その地域手当が赴任地によって減額されるのは違憲などとして、現職裁判官が国に差額の支払いや賠償を求める訴訟を起こすと4月16日、明らかにしました。5月にも提訴するとのことです。異例なことです。

 この裁判官は、津地裁の竹内裁判官です。彼は、大阪や名古屋の高裁などで勤務した後、2021年度に津地裁に異動したところ、地域手当の割合が下がり、津地裁での3年間の報酬は大阪での勤務時に比べ、計約238万円も低かったとのことです。

 憲法第80条第2項は、「下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。と言っています。この条文を素直に読めば、たしかに憲法違反です。

 

地域手当はそもそもおかしい

 この地域手当が、物価水準を調整するものであれば、違憲ではないと考えることもできるでしょうが、そうではありません。地域の給与水準に合わせるためのものです。物価が高くなくても、地域の給与水準が高ければ、地域手当の率は高くなります。

 同じ採用試験に合格して同じように採用されたにもかかわらず、配属された勤務地によって給与水準に差をつけるのは、おかしいでしょう。国家公務員では、霞が関など大都市で勤務する連中ばかりが有利になります。

 また、地方公務員でも、県庁所在市だけは地域手当の対象になっていて、それ以外の地域は対象外であることが多い状況です。地方公共団体の内部でも不公平が生じます。

 

 地域間で給与水準に差があるのであれば、その格差をなくすよう努めるのが国の責務だと思いますが、この地域手当は格差を固定化しようとするものです。

 以前はラスパイレス指数によって団体間の給与水準の比較ができたのですが、地域手当ができたせいで、団体間の給与水準の比較が難しくなってしまいました。

 「ラスパイレス指数には注意が必要」 参照願います。

 

 勇気ある裁判官の行動に拍手を送り、裁判の行方に注目したいと思います。

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 県を定年退職した時は、その翌日から第二の職場に再就職しました。そこを2019年3月末に辞めて同年6月に三つ目の勤務に就くまで、2か月間の無職期間がありました。それまではNHKの朝ドラを見ることはできなかったのですが、その2か月の間に朝ドラを見ることが習慣になり、今日に至っています。

 朝ドラは、いろいろ勉強になります。「カムカムエヴリバディー」を見ている間は、少し英語の勉強になりました。今月から始まった「虎に翼」は、法律家を目指して日本最初の女性弁護士になった人の物語なので、法律の勉強になりそうです。

 私も一応は法学部出身なのですが、旧民法に「妻の無能力」という制度があったことなど、この朝ドラで初めて知りました。旧民法のことで知っていたのは、家督相続くらいしかありません。

 第二週の後半の放送では、「自由心証主義」「権利の濫用」について学び直しました。この二つは、現行制度でも生きている大事な原則、法理です。でも私は、民事訴訟法は履修していなかったので「自由心証主義」は大学では学んでおらず、裁判官や弁護士と仕事上でやり取りする中で、聞き覚えた原則です。

 「権利の濫用」は、「民法総則」で「宇奈月温泉事件」の判例などで習ったので、なんとか覚えていましたが、今回、復習できました。また、朝ドラのストーリーを通じて、法律を杓子定規に適用すると不当な結果になってしまうような場合に、「権利濫用」の法理を使うのだということが理解できました。

 ただ、現実の裁判官は、今回の朝ドラの裁判官のような立派な判決を下す人ばかりでないことは、残念なことではあります。

  ヒロインは法律の勉強を始めたばかりです。さらに勉強が進めば、もっと条文などが出てきて、私も勉強になるだろうと期待しています。
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