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国会では、健康増進法の改正、主には受動喫煙防止対策についての議論が行われています。この改正については、飲食店内は原則禁煙にする当初の厚生労働省案に自民党が反対し、その妥協案として、客席面積が100平方メートル以下の店を例外とするなどの経過措置が設けられた政府の現改正案が出されたものです。
がん患者らが「骨抜きにされた」と批判している中、火に油を注ごうとした自民党議員がいたようです。
6月15日、受動喫煙対策を審議している衆議院厚生労働委員会で、参考人として招かれた肺がん患者が意見を述べているとき、自民党のある議員が再三「いい加減にしろ!」とやじを飛ばしたとのことです。
何が起こったか
この参考人は、日本肺がん患者連絡会理事長で、自らもステージ4の肺がん患者である長谷川一男氏です。病気のために折れやすくなっている骨を守るためのコルセットを外しながら、受動喫煙による被害の実態を必死で訴え、その後の質疑で、屋外での喫煙に対する考え方を質問され、それに答えていました。
「原則としては屋外でもなるべく吸ってほしくないというのが肺がん患者の気持ちではある。」としたうえで、「やはり喫煙者の方がどこも吸うところがないじゃないかとおっしゃるのもすごくよくわかります。」と喫煙者にも配慮した答弁をされました。
その時、議員席から「いい加減にしろ!」とやじが飛んだそうです。
長谷川氏は、何が起こったか分からないまま、当面は屋外喫煙所を整備し、いずれはそれもなくしていくことを個人的には望む旨、発言を続けられました。すると、再び同じ議員が「いい加減にしろ!」とやじを飛ばしたとのことです。
訳が分からない
特に最初のやじのタイミングが、意味不明です。参考人が喫煙者の立場に理解を示した発言wをされた直後です。この議員は喫煙者とのことで、理解など示す必要がないという意味ではないようです。
こんな穏やかな意見に暴言を吐く行為は、理解に苦しみます。
議員の資質に疑問符
この暴言は各マスコミで報じられ、嫌煙派はもちろん、喫煙者からも非難を受けています。喫煙者の評判を落としてしまう行為であり、当然でしょう。
ユーモアのあるやじもありますが、ユーモアもなく品もないやじなどは、ただでさえ見苦しい行為なのに、病気で苦しむ中わざわざ来ていただいた民間人にやじを飛ばすのは、とんでもないことです。
この議員は、公式サイトで「喫煙者を必要以上に差別すべきではないという想いで呟いたものです。」と弁解しつつ、「ご関係の皆様に不快な思いを与えたとすれば、心からの反省と共に深くお詫び申し上げる次第でございます。」と謝罪しています。
失敗したという後悔は感じられますが、悪いことをしたという反省は全く伝わりません。まず、参考人の発言は、喫煙者を差別するものでは全くないことは明らかです。弁解になっておらず、責任を参考人に転嫁する意図を感じます。
謝罪も、「不快な思いを与えたとすれば」という条件付きです。不快な思いを与えるに決まっている言葉を相手に投げつけるのは、相手を不快にさせようとしての行為でしょう。「不快な思いを与えたとすれば」などと条件を付けての謝罪は、ナンセンスです。
病気の苦しみの中、わざわざ来て切れた参考人に対して無礼なやじを飛ばす品性、こんなやじを飛ばせば非難が集中することを予測できない知性、議員としての資質が問われています。本来は自民党が除名処分や議員辞職勧告をすべきでしょう。それをしなければ、自民党全体も同質の人間の集まりと思われてしまいます。
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