サイト案内(目次)

 人の性格を見抜くことは、非常に困難です。30分から1時間程度の採用面接の中で、受験者が職員としてふさわしい人物かどうかを判断することは、かなり経験を積んだ面接員でも難しいことです。

 特に、公務員の場合は、受験者の多くが公務員試験の予備校などで訓練を受け、皆が「人々のために役立てる仕事をしたい。」「地域の役に立ちたい。」などと同じような志望動機を語るので、それが本気なのか、合格のための建て前なのかを見極めなければなりません。

 

採用の失敗は不可避

 どんなに慎重に面接したとしても、ふさわしくない人物を採用してしまう失敗をゼロにすることはできないと思います。私の勤務していた自治体でも、「何でこんな奴を採用したんだ!」「誰が面接したんだ!」「これだけおかしな奴なら面接で分からないはずがない!」などと採用担当部局が非難されるケースも何度か耳にしました。

 しかし、自分でも採用面接を何年かやって、間違いを防ぐことはほとんど不可能だと思うようになりました。幸い、私が面接をした職員では、その後の様子は分かりませんが、採用後数年の間に問題視されるような事例は耳にしませんでした。しかし、過去の事例を調べる中で、そのような考えに至りました。

 

条件付採用期間満了時の審査を厳格に

 一般に公務員は、6か月の条件付採用期間があります。その満了前に、条件付採用を終わらせて本採用にしていいかどうかの審査をするのですが、あまり厳格に行っていない自治体が多いような気がします。

 大抵、新人を配属された所属の長が簡単な意見書を書き、それでOKになります。多くの場合はそれでいいのですが、所属長や人事当局が、多少問題がある職員であることを認識していても、もめ事を避けてそのまま通してしまうことがあるようです。

 採用面接と異なり、6か月も観察していれば、かなり本性が現れます。具体的には書けませんが、それをうやむやにしたまま本採用に移行し、しばらくして問題を起こすケースも目にします。

 

勇気をもって雇用打ち切りを!

 条件付採用から本採用に移る段階での任用拒否は、かなり任用側の裁量が重視されます。不適格な職員を排除する最後のチャンスといえます。このチャンスを逃すと、自治体の将来の損失は膨大になります。

 直接の上司だけに任せず、また、直接の上司が不適当だと判断したときにその上司を矢面に立たせないような制度上の工夫が必要だと思います。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 参加しています。


スポンサードリンク