4月30日に行われた先の天皇陛下の退位礼正殿の儀で、安倍首相が両陛下の前で「国民代表の辞」を奉読する際に歴史的な誤読があり、一部で騒ぎになっています。

 「天皇、皇后両陛下には末永くお健やかであらせられますことを願ってやみません。」と述べるべきところ、「願っていません」と国民の願いと正反対のことを述べてしまったのです。

 私は、4月末から5月初めまで旅行に出かけていたので、これらの儀式をライブでは視聴しておらず、また、テレビ、新聞などの大手マスコミも報じなかったので、最近までこの事件を知りませんでした。

 識者などの推測では、原稿には「願って已みません」と書かれていてフリガナが振られていなかったので、「願っていません」と読んでしまったのではないかとのことでした。また、識者の中には、首相の滑舌が悪いために「願っていません」とも聞こえるだけだとの意見もありますが、官邸で配信している動画、その他の動画を見る限り、明らかに「願ってやみません」とは言っておらず、「願っていません」と言っています。しかも、読めなかったためか一度つっかえ、「あらせられますことを」に戻って読み直したうえで間違ってしまっています。

 

問題だと思うこと

 間違いは誰にでもあることで、そのこと自体を咎めたり笑ったりするつもりはありません。特に、識者の推測が正しければ、首相があんな表現は読めなくて当たり前です。

 原稿を作成した担当がフリガナを振るか普通にカナで書けばよかったわけですが、それもうっかりすることはあるでしょう。

 私が問題だと考えているのは、次の3つです。

1 首相が事前に下読みをしていなかったであろうこと。

  この歴史的な場面に臨むに際して下読みもしていなかったとすれば、首相の座に慣れ切ってしまい、緊張感がないとしか考えられません。

2 これほどの失礼な大間違いを訂正、謝罪もせずにしらばっくれていること。

  間違えは誰にでもあることですが、ちゃんと謝罪しなければなりません。間違いを犯したときの対処について、国民、公務員に対して示しがつきません。

3 大手マスコミが報じないこと。

  官邸に忖度して報じないとすれば問題でしょうが、おそらくそれだけでなく、皇室、上皇陛下などに対する配慮もあるのかもしれません。ネットのない時代ならそれでほとんどの国民が知らないままになっていたでしょうが、今のネット社会では通用しないのではないかと思います。
 昨年10月に明治維新150年記念式典に両陛下が出席されなかった際も、ほとんどのマスコミが報じなかったのですが、それと同じようなことなのでしょう。
「明治維新150年記念式典に陛下出席せず」

 

 一部の右翼団体が騒いでいるようですが、一般の国民はこんなことでは騒ぎません。時機を失した感はありますが、正々堂々と訂正、謝罪したほうがいいと思います。

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