地方公共団体で、一般職の任期付職員制度を運用する団体が増えてきています。(注:本稿では任期付研究員制度には触れません。)
任期付職員は大きく4種類に分かれます。
1 特定任期付職員(「地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律」。以下「任期付職員法」)第3条第1項に基づく任用)
高度な専門的知識、経験を有する者をそれを必要とする職に一定期間就けるものです。医師、弁護士、情報システム、広報などの職種、分野での活用が目立ちます。
2 一般任期付職員(任期付職員法第3条第2項に基づく任用)
専門的知識、経験を有する者をそれを必要とする職に一定期間就けるものです。特定任期付職員との境界はあいまいで、医師や弁護士を一般任期付の職に就かせている団体もあります。自衛隊経験者を危機管理業務に、警察経験者を安全管理業務に、外国語での交渉ができる人をそれが必要な業務にというケースが多いようです。また、一般的な行政経験、民間企業での経験を条件に、管理的なポストに就かせている例も多く、幅広く使われています。
3 第4条任期付職員(任期付職員法第4条に基づく任用)
一定の期間で終了する業務、一定の期間に限って業務の増加が見込まれる業務に広く活用されます。また、正規職員をそれらの業務に充てるために他の業務の人員が不足する場合もOKです。災害復興、国民体育大会の開催、数年後に民間移管が決まっている福祉施設での業務など、広く活用されています。
4 任期付短時間勤務職員(任期付職員法第5条に基づく任用)
第4条の職の短時間勤務版です。住民サービス時間の延長、育児などのための職員の部分休業への対応などでも活用できます。
運用状況(平成29年4月1日現在)
特定任期付職員は、都道府県、政令指定都市では各1団体を除くすべて、一般市町村では36.4%で条例化されています。
一般任期付職員は、都道府県、政令指定都市では全団体、一般市町村では44.0%で条例化されています。
第4条任期付職員は、都道府県では74.5%、政令指定都市では65.0%、一般市町村では38.9%で条例化されています。
任期付短時間勤務職員は、細かい要件区分によって条例制定の状況が異なるのですが、都道府県は70.2%、政令指定都市はおおむね60%、一般市町村はおおむね32%で条例化されています。
我が小規模自治体では、一般任期付職員、第4条任期付職員だけ条例を整備しています。特定任期付職員を任用するまでのニーズはなく、任期付短時間勤務職員については、一般の非常勤職員で足りるという考えです。制度化している団体の割合を見ると、同じような考えの団体も多いようです。
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