立憲民主党の枝野代表の国会での質問に対する答弁で、安倍首相が、佐川国税局長の更迭を拒否したとのことです。「適材適所」とのこと。財務省には、よほど人材がいないのでしょうか?
税務署職員の士気に影響している
初めから危惧されていたことですが、やはり、証拠書類の提示を求められた納税者などが、「書類は廃棄しました。」「廃棄しましたが、適切に処理しております。」などと応答することが多くなり、税務署員が対応に苦慮しているそうです。私の知り合いの税務署員もこぼしていました。
これでは、税務署の職員の士気を下げてしまいます。
就任以来会見も開かず、マスコミを避け、納税者の納税意欲をそぎ、税務署員の士気を下げる長官のどこが適材適所なのでしょうか?
彼が国会で説明したことのうち、森友学園側と売買代金を提示しての交渉(すり合わせ)はなかったと言ったこと、廃棄したはずの資料が廃棄されずに残っていたことの、少なくとも2点は、虚偽であったことが明らかになっています。そのことについて、何の説明もされていません。
佐川局長を擁護する立場からの理屈を推測してみても
彼の国会での説明は、組織の部下(近畿財務局など)からの報告をそのまま答えただけである可能性は考えられます。しかし、そうだったとしても、調査がいい加減であった責任は免れません。また、その説明が誰からなされたかを明らかにしないと、真相の解明はできません。真相解明を妨げていることの責任は、多大です。
彼が、部下をかばっている可能性もないわけではありません。しかし、いざ事件になった場合は、包み隠さず洗いざらいにすべてを公にすることは、行政の鉄則です。今回、国有財産が極めて低廉な価格で売払われようとした事件であり、誰の責任でそのような判断をしたのか、組織の責任で明らかにし、責任者は処罰されなければなりません。それをするのが財務局という組織の長だった佐川氏の責任であり、できなければ自ら責任を取るべきです。
誰も説明責任を果たしていない
安倍首相も、「丁寧に説明」と口先では言われていますが、今回の枝野代表に対する答弁にしても、安倍首相も麻生財務相も全く説明責任を果たしていません。これほど税務の現場を困らせている人事がなぜ「適材適所」であるのか、丁寧な説明をすべきではないでしょうか?
佐川氏らにも御家族がいられると思うと、内心気の毒にもなります。これまでは、自慢のお父さん、自慢の息子だったのでしょうが・・・。
官邸が佐川氏を更迭できないのは、よほどばらされたくない弱みがあると推測せざるを得ません。