11月23日午前0時に失効すると思われていた日韓のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)について、失効の6時間前に、韓国政府が破棄の停止を発表しました。
よほど悔しかったようで、発表後も日本の発表の仕方や報じられ方などに難癖をつけたり、韓国側の「判定勝ち」だなどと主張したりしているようですが、韓国がアメリカの圧力に屈服したことは間違いありません。
文政権は何をやりたかったのか?
文大統領は、そもそも大統領選挙の公約にGSOMIAの破棄を掲げていたとのことです。GSOMIAの破棄は、常識的には韓国にメリットはありませんが、北朝鮮の主導による統一を目指す勢力にはメリットがあり、また、支持基盤の反日感情を満足させる意味もあるのでしょう。
日本の輸出管理強化への対抗策としてGSOMIAの破棄を持ち出したのは、破棄を言い出すタイミングを待っていた文政権にとっては、絶好の機会だったかもしれません。実際に破棄に至れば公約実現であり、困ったアメリカが仲介に乗り出して日本の輸出管理強化を撤回させてくれれば大きな成果です。どちらにしても損はないと思ったのでしょう。
誤算は、アメリカの怒りが予想以上に激しかったことでしょうか?安全保障をこんな取引材料に使ったことへの怒り、厄介ごとばかり引き起こす文政権への怒り、また、北朝鮮への制裁を誠実に履行していないという疑いもあったでしょう。
そもそも、韓国側が日韓の条約などを守らないために起こっている騒動です。アメリカが韓国の思い通りに動いてくれなかったのは当然です。
一人でチキンゲーム
韓国は、もっと早い段階でGSOMIAの破棄などできないことを知っていたはずです。それを、何とか日本の譲歩を引き出すべく、土壇場まで一人でチキンゲームを続けていたのだと思います。
文大統領が、失効の3日前にテレビ番組でGSOMIA維持には「日本の譲歩が必要」と述べ、21日の韓国の国会では外相が、日本側の譲歩がない限り「再考しない」と述べています。ギリギリまでファイティングポーズを演じ続けました。
しかし、この問題は、チキンゲームにはなるはずがありません。チキンゲームをするためには、双方に同じようにリスクがなければなりませんが、この問題は、破局の場合の韓国側のリスクばかり大きすぎました。
日本にとっても、GSOMIA破棄は多少のデメリットはありますが、アメリカの反発を抜きにしても韓国側の痛手の方が大きいでしょう。アメリカの激怒を勘定に入れれば、比較にもなりません。
日本側は、韓国の必死のアプローチに対して、協議は続けるものの原則論を繰り返すのみでした。日本としては、たいして切迫感を持っていないのだから当然です。韓国が一人でチキンゲームを演ずるのを冷ややかに眺めていた感じです。
韓国は、今回のみっともない独り相撲の屈辱を晴らそうと必死で日本の足を引っ張り続けています。油断なく対応しなければなりません。
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