地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2019年11月

 1123日午前0時に失効すると思われていた日韓のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)について、失効の6時間前に、韓国政府が破棄の停止を発表しました。

 よほど悔しかったようで、発表後も日本の発表の仕方や報じられ方などに難癖をつけたり、韓国側の「判定勝ち」だなどと主張したりしているようですが、韓国がアメリカの圧力に屈服したことは間違いありません。

 

文政権は何をやりたかったのか?

 文大統領は、そもそも大統領選挙の公約にGSOMIAの破棄を掲げていたとのことです。GSOMIAの破棄は、常識的には韓国にメリットはありませんが、北朝鮮の主導による統一を目指す勢力にはメリットがあり、また、支持基盤の反日感情を満足させる意味もあるのでしょう。

 日本の輸出管理強化への対抗策としてGSOMIAの破棄を持ち出したのは、破棄を言い出すタイミングを待っていた文政権にとっては、絶好の機会だったかもしれません。実際に破棄に至れば公約実現であり、困ったアメリカが仲介に乗り出して日本の輸出管理強化を撤回させてくれれば大きな成果です。どちらにしても損はないと思ったのでしょう。

 誤算は、アメリカの怒りが予想以上に激しかったことでしょうか?安全保障をこんな取引材料に使ったことへの怒り、厄介ごとばかり引き起こす文政権への怒り、また、北朝鮮への制裁を誠実に履行していないという疑いもあったでしょう。

そもそも、韓国側が日韓の条約などを守らないために起こっている騒動です。アメリカが韓国の思い通りに動いてくれなかったのは当然です。

 

一人でチキンゲーム

 韓国は、もっと早い段階でGSOMIAの破棄などできないことを知っていたはずです。それを、何とか日本の譲歩を引き出すべく、土壇場まで一人でチキンゲームを続けていたのだと思います。

 文大統領が、失効の3日前にテレビ番組でGSOMIA維持には「日本の譲歩が必要」と述べ、21日の韓国の国会では外相が、日本側の譲歩がない限り「再考しない」と述べています。ギリギリまでファイティングポーズを演じ続けました。

 しかし、この問題は、チキンゲームにはなるはずがありません。チキンゲームをするためには、双方に同じようにリスクがなければなりませんが、この問題は、破局の場合の韓国側のリスクばかり大きすぎました。

 日本にとっても、GSOMIA破棄は多少のデメリットはありますが、アメリカの反発を抜きにしても韓国側の痛手の方が大きいでしょう。アメリカの激怒を勘定に入れれば、比較にもなりません。

 日本側は、韓国の必死のアプローチに対して、協議は続けるものの原則論を繰り返すのみでした。日本としては、たいして切迫感を持っていないのだから当然です。韓国が一人でチキンゲームを演ずるのを冷ややかに眺めていた感じです。

 

 韓国は、今回のみっともない独り相撲の屈辱を晴らそうと必死で日本の足を引っ張り続けています。油断なく対応しなければなりません。

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  1122日(金)のネットニュース、23日の朝刊で、看過できない記事がありました。「在職老齢年金」について、高齢者の就業を促すために減額基準を月収47万円から51万円に見直す政府の案について、与野党から異論が出ているとのことです。「年金財政に悪影響を与える」「高所得者優遇だ」との批判であり、その批判は理解できるのですが、その結果、政府は与党の理解が得られない場合、制度を見直さずに現状を維持するかもしれないとのことです。
 さらに、26日の報道によると、厚労省が与党の説得を諦め、現状維持になりそうだとのことです。それは、とんでもなく乱暴なことです。

 

在職老齢年金制度

在職老齢年金とは、厚生年金を受給できる人(公務員や会社員だった人)がまだ厚生年金の対象事業所(国、自治体も含む。)に勤務して一定以上の報酬を得ていた場合に、受け取る年金額が減額調整される制度です。
 年間の給与(賞与等を含む。)の12分の1の金額(総報酬月額等)と基本的な厚生年金の月額(基本月額)によって、調整されます。現行制度では、65歳未満ではこの両者の合計が28万円を超えると調整(減額)が始まり、65歳以上では47万円を超えると調整が始まります。

今年6月に骨太の方針で、在職老齢年金制度の廃止の方向が出されましたが、その後の検討の結果、65歳以上も未満も、51万円とする改正案になっていました。

 「在職老齢年金の見直しの方向性に反対」 参照

 

65歳未満が問題なのに

 報道では、65歳以上の47万円を51万円に引き上げることばかりが議論されているようです。65歳以上で、年金と合わせて月収47万円もある人は、ごく恵まれた人たちです。このくらい報酬を得ている人は、年金を減額、停止されても、働き続けるでしょう。この人たちをさらに優遇する必要はありません。

問題は、65歳未満の28万円です。例えば、60歳の定年時に40万円ほどの月収だった人が、再就職又は再雇用で月額報酬が20万円ほどになってしまっても、特別支給の老齢厚生年金(10万円~13万円ほどか)を受けられるようになると、年金と合わせた月収が28万円を超えるでしょうから、年金が減額されてしまいます。これでは、低賃金で働き続ける意欲が損なわれてしまいます。

定年後の職場で高給を得られる人はフルタイムで働き続けるでしょうが、給与が20万円程度だったら、年金を減額されないように調整しながら働こうかと思う人もいるでしょう。

 定年直後にいったん仕事を離れてしまえば、よほど切羽詰まらなければ65歳から再び働き始めようなどとは思わないでしょう。

 

 65歳以上の47万円を51万円に引き上げることは、たしかに高所得者の優遇だと思います。しかし、65歳未満の28万円を65歳以上と同額の47万円に引き上げることは、高齢者を労働力市場に繋ぎとめるために、ぜひ必要です。改革が1年遅れれば、60歳台前半で離職する高齢者がその分だけ増えてしまいます。

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 平成27年にマイナンバー制度が始まって4年になります。総務省のホームページによると、今年(2019年)916日時点のマイナンバーカードの交付状況は、全国民の14.0ということですから、あまり普及が進んでいないようです。

 私自身は、所得税の確定申告を電子申告で行うためだけに、交付開始直後にカードを取得していますが、それ以外の用途には使ったことがありません。現状では、確定申告が不要の一般のサラリーマンにとっては、取得のメリットはほとんどないのだろうと思います。

 

総務省はかなり本気だ

 政府は64日に開催したデジタル・ガバメント閣僚会議で「国家公務員及び地方公務員等については、本年度内にマイナンバーカードの一斉取得を推進する。」と決定しました。そして翌5日、総務省は自治体や地方公務員共済組合などに対し、職員らにマイナンバーカードの取得を促すよう通知しました。さらに念を入れて、6月末時点のその取得状況と10月末時点の取得状況を報告するよう指示しました。

国家公務員についても、内閣官房と財務省が7月に取得を「依頼」し、今年10月末と12月末、来年3月末時点での申請・取得状況を財務省に報告するよう求めているとのことです。

公務員本人ばかりでなく、被扶養者の取得も促しています。

 状況の報告まで求められると、各自治体や職員にとっては半強制的といったニュアンスにもなります。職員団体(労働組合)等は反発しています。

 公務員やその家族を突破口にして、全国民に広げる戦略です。

 

利用拡大も

 利用拡大を促す取組も進んでいます。

 20213月から、マイナンバーカードを健康保険証の代わりにも使えるようにするなどが予定されています。

 その他、公務員や民間企業社員の身分証明書としての活用、住民票等のコンビニでの交付での活用、図書館の利用者カードとしての活用、クレジットカードのポイントを自治体ポイント等として買い物に使えるようにすることなどが計画されているようです。

 1120日の報道によると、政府は、来年(2020年)9月から翌年3月までの7か月間、1人当たり最大2万円までのマイナンバーカードを使ったキャッシュレスでの決済や入金に対して、25%にあたる5000円分のポイントを付ける方針を固めたとのことです。

 かなり、なりふり構わずといった感もあります。

 

 私は、日本の社会全体の効率化につながり、便利になるのであれば抵抗はないのですが、プライバシーなどの面で不安を感じる人も少なくないようです。

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 数年前から50人以上の職場で義務付けられている「ストレスチェック」、我が職場でも調査票が配付され、私も先日提出しました。

 質問に回答しているうちに、最近の社会情勢がこの結果に影響してしまうのではないかと心配になりました。

 

 質問項目は、「仕事について」「最近1か月の状態について」など、4つほどのセクションに分かれています。

 「最近1か月の状態について」の質問の中に、「怒りを感じる」「内心腹立たしい」「イライラしている」という状態について、「ない」「時々」「しばしば」「いつも」等、頻度を4段階で選択させるものがあります。

 私も、この1か月の間、怒りを感じたり、腹立たしかったり、イライラしたりすることが何度もありました。その中で、韓国政府の馬鹿げた言動、香港の民主派への弾圧、国民をごまかそうとしている安倍政権の対応などについての怒りやイライラが、かなりの割合を占めてしまいます。私についていえば、最近の社会情勢のために、これらの項目が1ランクずつアップしていることは間違いありません。

 調査結果に影響してしまうかもしれません。

 最近の社会情勢は、精神衛生に良くないようです。私は大丈夫だと思いますが、仕事や家庭などについてのストレスが蓄積されている人は、最近の社会情勢がうつ病などの精神疾患発症の引き金になってしまうかもしれません。

 お互いに気を付けなければなりません。

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 「桜を見る会」について、市民団体が安倍総理を公職選挙法違反などで検察庁に告発する旨の報道がありました。

 この問題は、共産党が摘発しました。

 先日、相次いで辞任した菅原前経済産業相河合前法相の公職選挙法違反などの問題、上野厚生労働政務官のあっせん収賄の疑惑などは、週刊誌が火を着けました。

 どの問題も野党や週刊誌がかなりの証拠を集め、それだけで十分に起訴できそうな感じでもあります。にもかかわらず、警察、検察の動きが見えません。

 

 森友学園の問題でも、補助金を不正に多く受給しようとした前理事長が起訴されることは当然だと思いますが、国有地を不当に安く売ろうとしたり、公文書を改ざんした国の側で起訴された人がいないことには、納得できかねるものがあります。

 多くの国民には、フラストレーションが溜まっており、検察が政権に忖度しているのではないかという疑惑を感じています。

 

 「桜を見る会」の前夜祭の会計処理について、多くの国民は、安倍事務所がかなりのお金を足していると強く疑っています。幹事役を任された事務所の担当者が、ホテルからの明細書を受け取って保管しないはずがありません。自分が正しく費用を精算した証拠を残さなければなりませんから・・・。

 職場の親睦会の幹事でさえ、その程度の事務処理は当然です。

 明細書を保管していないとすれば、不正な処理を行ったために残したくなかった以外には考えられません。

 

 警察、検察がホテルを調べれば、分かるでしょう。ホテル側が政権から依頼されて帳簿を改ざんしても、詳しく調べれば分かってしまうと思います。また、本当に5000円で足りたのだとしたら、そんな安物の材料を使っていたホテルの信用にかかわります。

 警察、検察は、存在意義、威信をかけて、捜査に取り組んでいただきたいと思います。

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