北海道議会の最大会派である自民党・道民会議が、20201月に完成する道議会庁舎の会派控室内に喫煙所を設けることを決めたことが報じられました。健康増進法が改正され、行政機関や病院は敷地内が原則禁煙になりましたが、議会庁舎は行政機関ではないという理屈で設置を強行するつもりのようです。

 地元医師会(自民党の支持団体でもある。)や市民、議会の他の会派はもちろん、自民党の一部も反発しているようです。反発を招くことは承知の上だったはずで、絶対多数のおごりなのでしょう。

 報道が断片的で、詳細は分かりませんが、道義的な問題に加え、いくつか制度上の疑問があります。

 

制度上などの疑問点

1 行政機関の敷地には該当しないのか?

  行政機関や病院は、改正健康増進法で原則として敷地内禁煙(条件をクリアした屋外の喫煙所でのみ喫煙可能)です。北海道の議会は、行政庁舎の敷地と議会の敷地と明確に区分されている別の敷地なのでしょうか?行政庁舎と共用の敷地の一画に議会庁舎があるような形であれば、議会庁舎のある部分も含めて「行政機関の敷地内禁煙」の対象にはならないのでしょうか?

  国会議事堂のような形であれば、行政機関の敷地ではないでしょう。国会の自民党の先生方は、自分たちのことだけ考えて、地方議会のことまで考えずにあのような法律にしてしまったのかもしれません。

2 JT(日本たばこ産業)からの寄付は受けていいのか?

  一般に、地方自治体が寄付を受けるには、寄付採納という手続があり、その寄付の目的が公益に反しないことが必要です。JTが寄付をするとすれば、その目的は喫煙の擁護のようなことでしょう。そんな目的が、公益に反しないといえるかどうか疑問です。

  そもそも、JTからの寄付は、誰が受けるのでしょう。北海道?自民党?

3 そもそも知事の権限ではないか?

  議会庁舎とはいえ、道の財産の取得や管理は知事の権限です。議会庁舎に関する予算の調製や執行も同様です。JTからの寄付で行われるにしても、道の財産である庁舎に喫煙室を作ることは、知事の権限であり、知事がその気にならなければできないのです。知事が、「はい。分かりました。」と自民党の言いなりになるかどうか、覚悟が試されるかもしれません。最大会派とけんかなどしたくないでしょうが・・・。

「議会庁舎の管理権などは首長にあり」 参照

 

 いずれにしても、北海道職員、特に管財課等(知事部局)や議会事務局の皆様は、厄介な問題を持ち込まれ、同情を禁じえません。


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