ほとんどの地方公共団体で「地方公務員月報」という総務省編集の雑誌を購読していると思います。先日、それを眺めていたら、平成29年度中に退職した人の再就職の状況についての記事がありました。

 

定年退職者の状況

 平成29年度の定年退職者68,541人のうち、再就職した人は48,191人(70.3%)です。最も多いのはその団体に再任用された人32,962人(定年退職者の48.1%)、次いで同団体で臨時・非常勤職員として採用されたのが6,165人(同9.0%)、その他が9,064人(同13.2%)です。

 再任用を選ぶ人、特にフルタイム勤務を選ぶ人が年々増えているとのことです。年金支給開始まではしっかり働かなければ不安ですから、この傾向は当然でしょう。

 

勧奨退職者の状況

 平成29年度の勧奨退職者8,382人のうち、再就職した人は1,534人(18.3%)です。最も多いのはその団体で臨時・非常勤職員として採用された人632人(勧奨退職者の7.5%)、その他が902人(同10.8%)です。

 この結果には、少し考えさせられます。

 

自主的に退職して臨時・非常勤職員に?

 勧奨退職する人には、いくつか類型があります。

疲れてこれ以上働き続ける気力、体力を失った人、親の介護などで勤務継続が困難になった人は、再就職しない人が多いでしょう。

都道府県の上位役職者、技術系職員などでは、関係団体、民間企業等への再就職のために勧奨退職する人がいます。

しかし、定年前に早期退職しながら、またその団体に非常勤職員として勤めるというのは、一般的には考えにくいケースです。給与も半分以下になることが多いでしょうから・・・。

私の知り合いで、この道を選んだ人が一人だけいました。彼は、県の出先機関の次長クラスの職員でしたが、もう責任の重いフルタイムの仕事は嫌だと言って、定年の2年前に勧奨退職に応じ、県の産業廃棄物の不法投棄を取り締まるための巡視員になりました。

老後の生活に不安がなければ、そういう選択もありなのでしょう。

 

 2022年には公務員の定年が65歳まで延長されるかもしれない状況です。寿命が延び、年金財政を維持するにはやむを得ないことかもしれません。しかし、現在でも定年前に働く気力が衰えてしまう高齢職員が存在することも確かです。全員が元気満々なわけではありません。

 年金支給年齢の引き上げはやむを得ないと思いますが、定年を一律に延長するより、再任用制度の拡充の方がいいような気がするのですが・・・。

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