安倍政権が、従来から国家公務員法の定年延長の規定の適用は除外されていると解釈されてきた検察官(検事)について、解釈を変更したとして、東京高検の黒川検事長の定年を延長したことが騒動になっています。報道が相次ぎ、どれが客観的な事実でどれが裏付けのない主張なのか分かりにくいので、整理してみました。

 

客観的事実

1/31 東京高検黒川検事長の定年を延長する閣議決定(本来の定年は2/7

2/10 立憲民主党の衆議院議員が、国会で、1981年の国会答弁で人事院が国家公務員法の定年制は検察官には適用されないと明言していたことを指摘

2/12 人事院給与局長が、国会で、「現在まで81年の解釈は変更していない」と答弁

2/13 首相が国会で「検察官の勤務延長に国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした」と法解釈の変更について答弁

2/19 人事院給与局長が、国会で、12日の答弁を「つい、言い間違えた」として撤回し、「現在まで」を「1月22日に法務省から相談を受けるまでは」に修正

2/19 森法務大臣が、国会で「1月1721日に内閣法制局と、同2224日に人事院とそれぞれ協議し、双方から「異論はない」との回答を得たため、同29日に黒川氏の定年延長を閣議に諮ったと説明。また、国家公務員法の定年延長が検察官に適用されないとする過去の政府見解を知った時期を問われ、「人事院から見解が示された時で、1月下旬だ」と答弁

2/26 森法務大臣が、国会で19日の政府見解を知った時期についての答弁がこれまでの答弁と時系列が合わないと指摘され、「(19日は)騒がしい中で質問がしっかりと聞こえなかった」などと述べ、事実上撤回

 

明らかなのは

 もう滅茶苦茶です。

 明らかなのは、119日の人事院給与局長が12日の答弁を撤回した答弁は、絶対に嘘だということです。法務省から、国会で説明している過去の法解釈を変更する相談を受けて、変更に応じていたなら、そんな大事なことを「つい言い間違える」はずがありません。

 官邸、法務省、人事院とも、1981年に国会で法解釈を明言していることについて、210日に野党に指摘されるまで気づいていなかったことも明らかです。気づいていたなら、突っ込まれないように形式を整えておいたでしょうから・・・。人事院には相談すらなかったのかもしれません。

 131日の閣議決定が誤りであったことは明白で、それを隠すためにつじつま合わせをしていることも明確です。茶番を演じさせられる高級官僚の皆さまはお気の毒だとも思いますが、開き直って全部本当のことを言ってしまえばいいのにと思います。

 

口頭での決裁

 法解釈の変更について、決裁文書がなく、口頭での決裁だったと言い訳されています。

 軽易な案件については口頭だけの決裁もありますが、国会で説明している法解釈の変更のような重要案件では、あり得ません。法務省の言うように、重要な案件は、文書を回すだけでなく口頭で説明しながら決裁を受けることも普通です。しかし、その場合も、起案文書への決裁は必ずしてもらうものであり、口頭だけで済ますなどは、あり得ません。

 

 安倍政権の末期症状が一段と深まった感があります。

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