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 夫婦そろって西村京太郎さんのファンです。図書館で、まだ読んでいない作品を見つけると迷わずに借り、書店で見かけると買うという生活を何年も続けていました。しかし、ここ数年の作品は変なのが多いと思います。

 今日読んだのも、変でした。

 

「札沼線の愛と死 新十津川町を行く」

 雪の夜、十津川警部の住む東京都三鷹市で銃殺事件が発生し、警部が自宅から三鷹駅近くの現場へ出動するのですが、アイスバーンだからといって、何とスキーを履いて駅に向かうのです。いくらなんでも東京の道路をスキーで行くというのは、馬鹿馬鹿しすぎます。

 出だしからこんな具合で、その後も変なことだらけです。

招待状について町に電話で問い合わせた時に、町長は即答できずに、5,6分調べた後で、出していないことを回答します。そのことについて、町長名で出されたはずの招待状のことを町長が即答できないのはおかしいとして推理を展開します。しかし、町が何かのイベントで招待状を出した時に、町長が招待者の全員を把握していないことなど当然で、何もおかしくありません。むしろ、一警部からの問い合わせの電話に、町長自身が応対することの方がよほど不自然です。さらに、この招待状が重要な意味を持っていたはずなのに、後半は全く登場せず、結局、招待状のことは何も明らかにされません。

ネタバレになってしまうので具体的なことは書きませんが、被害者が狩猟用のナイフを持っていた理由、なぜ銃を、情報提供者が情報を提供する理由等、最後まで説明がなかったり、納得のできないことばかりです。

 極め付けが、魔法使いの正体で、こんなことがあったら最初の段階で大騒ぎになっていたはずで、荒唐無稽すぎます。

 

編集者は何を?

 私は、出版業界のことは知りませんが、出版社、編集者は、何をしているのでしょう。

 この作品以外でも、場面設定に無理、矛盾があったり、単純な知識不足のものも散見されます。そんなのは、編集者が読めば気づくはずで、なぜそのまま出版されてしまうのでしょう。新人の作品ならダメ出しができても、西村氏のような大家にはできないということなのでしょうか?

 西村氏の著作を出版すれば、それなりには売れるでしょう。しかし、こんな作品を出版し続ければ、西村京太郎氏の名声を汚すことにならないか、心配です。

 他の作品の変な点も。今後指摘したいと思います。

 出版社、編集者には、西村氏の名声を汚さないよう、反省していただきたいと思います。

 
西村京太郎氏の近年の作品が変だ2 「北陸新幹線ダブルの日」』に続く

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