本書は、深刻な関係悪化の中、その背景を探るべく、著者及び取材チームが韓国に行き、「反日種族主義」著者の李栄薫氏らへのインタビューやその他の現地取材などを行ってまとめたものです。

 旭日旗、徴用工、竹島、反日教育などの背景、なぜ北朝鮮に前のめりになるのか等について説明されています。
 
反日種族主義」(李栄薫)を読んで 参照

 

反日教育への抗議

 ソウル市内の仁憲(インホン)高校で、反日思想を露骨に注入しようとする教育が行われていることに対し、生徒たちが抗議行動を行ったことが日本でも報じられました。反日スローガンを叫ぶよう強要されたりしていたとのことです。

 それに対するソウル市教育庁の対応は、「教師らにはお咎めなし、生徒は懲戒」というもので、生徒らは教育庁に対する抗議活動も行っていました。生徒に対する懲戒は、反日スローガンを叫ばされている生徒の動画を投稿したことが、映っている生徒らの名誉を侵害したという別件逮捕のような話でした。

 この事件については、韓国人からも「反日教育が韓国の根幹を支えているのだから、教師を処分すれば体制側の自己否定になる。学校や教育庁の態度は、ある意味で当然」という意見もあるとのことです。また、韓国の教育は、「全国教職員労働組合」(全教組)という労働組合が牛耳り、反日教育を先導しているようです。

 この高校生らの勇気に感心するとともに、日本の文化に触れながら反日教育を受け続けている若い世代の中からこのような動きが出始めていることに、変化の兆しも感じます。まだまだ、先は長そうですが・・・。

 

「国民情緒法」の支配

 「韓国は国民情緒法がある国家だ」と言われます。もちろんそんな法律はないのですが、裁判に際して裁判官が法律の条文や判例をもとに解釈するのではなく、その時々の世論や国民感情に配慮して、それに逆らわないような判決を出す傾向があることを揶揄した言葉です。

 徴用工の問題など、普通の法解釈からはあり得ないような判決が頻繁に出されるのは、国民情緒法のせいなのでしょう。これでは、法治国家とは言えません。

 

 日本では、安倍前総理には批判的だった人たちも、韓国に対する対応にはほとんどが賛同しています。自らのアイデンティティーのために反日を国是としなければならなかった事情は分からなくもありませんが、近代国家に脱皮してくれなくては日本人としては付き合いきれません。

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