124日、大阪地方裁判所は、福井県の大飯原子力発電所3号機と4号機について、国の原子力規制委員会の審査に看過しがたい誤りや欠落があるとして、原発の設置許可を取り消す判決を言い渡しました。福島の原発事故後に新たな審査基準になってから、原発の設置許可が裁判所によって取り消されたのは初めてとのことです。

 

審査が緩すぎるのでは?

 取り消された理由は、耐震性の評価が不十分だということです。

私は、そもそも原発の稼働には反対ですが、これほど危険なものを稼働させるからには、過去に発生した最大の地震よりも多少大きな地震が来ても大丈夫なように作られているだろうと思っていました。しかし、そうではなかったようです。

裁判所は、「審査のガイドラインには、基準地震動の設定にあたっては過去に起きた地震の規模の平均値より大きな規模の地震が起きることも想定し、そうした『ばらつき』を考慮する必要があると書かれている。しかし、原子力規制委員会は『ばらつき』を考慮する場合、平均値に何らかの上乗せをする必要があるかどうかすら検討していない。審査の過程には看過しがたい誤りや欠落があり、違法」としています。

これが本当なら、にわかには信じがたい話です。福島の事故後も、こんな緩い基準で、しかもその緩い基準すら十分に守らずに審査をしていたのかと思うと、恐ろしくなります。

私の感覚では、過去の最大の地震の2倍の揺れ、最大の津波の2倍の高さの津波くらいを想定して対策が講じられていなければ、そんな危険なものは設置させてはならないと思います。

なぜ日本の与党政治家、電力会社は、こんな冒険野郎なのでしょうか?

健全な「保守主義」の政党が力を持つことを切望します。十分な安全対策を講じようとすれば、原発など到底そろばんに合わないでしょう。早く見切るべきです。

 

判決の意味は大きい

 裁判所の言っていることは、もっともです。他の原発も、こんな緩い基準で審査されていなかったのか、再検証されなければなりません。

 1217日、国が大阪高裁に控訴しました。これまでの傾向では、せっかく下級審が勇気ある判断をしても最後には最高裁でひっくり返されるようです。あの「黒い巨塔」の世界なのでしょう。でも、想定外の大きな地震が来れば事故を起こしてしまうような原発が再稼働しないよう、住民側を応援しています。

 「黒い巨塔 最高裁判所」(瀬木比呂志)を読んで  参照

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