ニーチェの思想についてのマンガを読んで興味を持ち、ニーチェ本を読み始めています。

 「マンガでわかるニーチェ」(白取春彦)を読んで

 「新編 はじめてのニーチェ」(適菜収)を読んで

 

 本書の副題は、「現代語訳「アンチクリスト」」です。ニーチェの「アンチクリスト」を現代語訳したということで、たしかに分かりやすく、読みやすいのですが、反面、訳者がおもしろく意訳している部分もありそうなので、表題に訳者も記載しました。

 

 「アンチクリスト」は、キリスト教を徹底的に批判した書です。

 誇りを持っている民族は、自分たちの神を持っています。自分たちの繁栄を願い、感謝するための神です。しかし、ユダヤ人が他民族に征服され、抵抗もあきらめ、敵に屈服することが一番いい選択だと考えるようになったとき、彼らの神も変化し、「敵を愛せ」などと言うような卑怯で臆病なものになってしまったということのようです。

 抵抗する代わりに、内心で強者を悪とし、自分たち弱者を善と考えて、道徳的には自分たちの方が優れていると考えることで心のバランスをとる・・・。そんなルサンチマン(強者、優れた者に対する弱者の恨み、妬み)を凝り固めたような宗教が、下層民の間で広まり、世界宗教になってしまい、「道徳」になってしまったということです。

 

 また、特にキリスト教会、僧侶を手厳しく非難しています。

何が善で何が悪であるかを自分たちの都合で勝手に決め、自分たちの言葉を神の言葉だと偽っている。そして、何も証明しないまま信じることを強要し、死後の幸福など確かめようがないことを約束して金をむしり取る・・・などです。この辺りは、キリスト教に限らず、他の宗教も似たようなものかもしれません。

 

 キリスト教そのものは日本人にはあまり関係なく、どれほど否定されても影響はないのですが、キリスト教が基本になっている西洋道徳、西洋哲学は日本社会にもかなり浸透してしまっています。あるべき道徳などについて、他のニーチェ本も読んでみたいと思います。

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