この作品は、2,3年前に初めて読みましたが、私が西村先生の作品に疑問を持った最初の作品です。この作品ではおかしく感じたのは1点でしたが、その後の作品で、変な部分が増えてきていることが、ファンとして気になります。
これを読むまでは、先生の作品に批判的な思いをもったことはなく、新しい作品を見つけると夢中になって読んでいました。
私は、サッカーには特に興味がある方ではなく、知識もないので、違和感を覚えたのは、サッカーに関することやなでしこのメンバーに関することではありません。非常にささいなミスです。
捜査を進め、怪しい会社を絞り込む過程で、三つの会社の経営状況を聞くために、軽井沢税務署に調査を依頼します。税務署の回答は、「三社とも例年通りの固定資産税をきちんと払っている」とのこと。さらに、十津川警部が粉飾決算による赤字隠しの可能性を尋ねたのに対し、税務署員がそれを否定しています。
それまで楽しく読み進めてきたのが、この下りを読んで、「何じゃこれは?」とショックを受けました。
固定資産税は、市町村税であり、国の税務署とは関係ありません。また、固定資産評価額に応じて課税されるもので、会社の経営状況には関係ありません。
これは、明らかなミスで、固定資産税ではなく法人税にしておけば、何の問題もない部分です。
固定資産税が国税ではなく市町村が課税していることは、常識の範囲といっていいかと思います。西村先生のうっかりミスを、なぜ出版社、編集者とも放置したのでしょう。仮に、私が校正していれば、絶対に修正を申し出ていました。
繰り返しになりますが、出版社や編集者は、もっと西村氏の名声を大切にしていただきたいと思います。
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コメント
コメント一覧 (2)
私も、西村京太郎先生の著書は、殆ど持っており、新刊が出る度に、買い漁って読んでいます。
ただ、読んだ中にも、疑問が浮かぶ設定や、近未来の設定もあり、困惑する作品も…
「札沼線の愛と死 新十津川町を行く」では、(薬の効果で数メートルジャンプ出来る。)とか、「青梅線レポートの謎」に至っては、見えない真空の壁がリング状に拡がり、通過した後は、町の人々が命を落とし、果ては、ロボットや、サイボーグ、殺人光線まで、出て来ます。
元々、なんでもアリのSFなら、納得もいきますが、登場させられた十津川警部や亀井刑事も戸惑いを隠せないのでは?と思わせる内容なのです。
先生の周りで、一体何が起こっているのでしょうか?
コメント、ありがとうございます。やはり私と同じように変に思われる方がおられて安心しました。出版社、編集者にもっと丁寧にチェックしていただきたいものです。