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 この作品は、2,3年前に初めて読みましたが、私が西村先生の作品に疑問を持った最初の作品です。この作品ではおかしく感じたのは1点でしたが、その後の作品で、変な部分が増えてきていることが、ファンとして気になります。

 これを読むまでは、先生の作品に批判的な思いをもったことはなく、新しい作品を見つけると夢中になって読んでいました。

 

 私は、サッカーには特に興味がある方ではなく、知識もないので、違和感を覚えたのは、サッカーに関することやなでしこのメンバーに関することではありません。非常にささいなミスです。

 

 捜査を進め、怪しい会社を絞り込む過程で、三つの会社の経営状況を聞くために、軽井沢税務署に調査を依頼します。税務署の回答は、「三社とも例年通りの固定資産税をきちんと払っている」とのこと。さらに、十津川警部が粉飾決算による赤字隠しの可能性を尋ねたのに対し、税務署員がそれを否定しています。

 それまで楽しく読み進めてきたのが、この下りを読んで、「何じゃこれは?」とショックを受けました。

 固定資産税は、市町村税であり、国の税務署とは関係ありません。また、固定資産評価額に応じて課税されるもので、会社の経営状況には関係ありません。

 

 これは、明らかなミスで、固定資産税ではなく法人税にしておけば、何の問題もない部分です。

 固定資産税が国税ではなく市町村が課税していることは、常識の範囲といっていいかと思います。西村先生のうっかりミスを、なぜ出版社、編集者とも放置したのでしょう。仮に、私が校正していれば、絶対に修正を申し出ていました。

 

 繰り返しになりますが、出版社や編集者は、もっと西村氏の名声を大切にしていただきたいと思います。

 

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