224日、菅総理の長男が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で、総務省は、谷脇総務審議官ら9人を減給や戒告の懲戒処分、他の2人を訓戒にしたことを発表しました。また、総務審議官当時に同じ相手から7万円を超える接待を受けていたことが明かになった山田内閣広報官(現在は特別職なので懲戒処分の対象外)は総理が厳重注意し、給与の一部(一般職なら減給になっていた相当額)を自主返納ということです。

 減給10分の2を3か月が2名、10分の1を3か月が1名、10分の1を1か月が4名、戒告が2名という内訳です。

 予想していた通りの大甘の処分で、処分したというアリバイ作りをして幕引きを急いでいることを隠そうともしていないようです。総務省は、もう今後は偉そうに地方自治体に指導、助言などできる立場ではないでしょう。私は県職員時代、県職員の給与改定のことで総務省に呼ばれ、長時間にわたって絞られた不愉快な記憶があります。

 私が問題だと考えているのは、詳しい調査を行わずに処分を急いだことと、甘すぎてバランスを失していること2点です。

 

詳しい調査前に処分を急いだ!

 武田総務相は閣僚給与3か月分を自主返納し、さらに、副大臣をトップとする検証委員会を設け、「行政が歪められることがなかったか改めて確認する」と、放送行政が歪められた事実の有無などを調査する方針を明らかにしています。

 順番が逆です。詳しい調査をしてから処分を決めるべきでしょう。

 調査の結果、行政に影響があった可能性を示唆する事実が判明したら、どうするつもりなのでしょう。既に「行政が歪められた事実はない」という結論になることに決めているので、そんな心配は不要ということなのでしょう。

 つまり、これから行うと言っている調査自体も、単なるアリバイ作りであることを公言しているも同然です。せめて調査委員会に野党の代表とか第三者を入れて行わなければ無意味です。

 

嘘の言い訳を容認したアンバランスな処分

 接待を受けた高官らは、一様に「利害関係者と思わなかった」などと言っています。放送事業を行う会社の幹部からの接待であることは知らなかったはずはなく、そんな言い訳は絶対に嘘でしょう。何の利害もない人が、御馳走してくれておみやげまでくれたと考えていたとしたら、アホです。

 この事例は、総務省の電波行政の職務権限と密接に関係しており、贈収賄罪の可能性もあります。仮に収賄罪がギリギリセーフだとしても、かなり近いものです。

 収賄で有罪になれば、執行猶予が付いたとしても公務員を失職し、退職金も支払われないでしょう。今回のケースは、それに近いものですから、バランス上、それに近い罰が必要です。ただ、有力政治家の身内からの誘いだったため、断りにくかったという事情を考慮し、停職6か月、退職手当も半分ほど不支給程度がバランスが取れていると思います。それでも一般的な退職金より多いでしょう。

 

 総務省が厳罰で臨めば、それで終わりにしても良かったのかもしれませんが、やはり検察に期待するしかないようです。ただ、検察も、黒川前検事長の件で、脛に傷を持っているから・・・。

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