413日、菅政権が、福島原発の事故による汚染水を太平洋に放出する計画を承認しました。ここに至れば海に放出すること自体はやむを得ないのかもしれませんが、日本が国際的に恥をさらした形になりました。

 

決定、発表の田舎芝居

 発表のかなり前から、13日に海洋放出を決定することが報道されていました。つまり、13日に決定したわけではなく、本当はもっと以前に決定していたのを13日に決定したことにして発表する段取りだったわけです。

 海洋放出すること自体は、何年も前から決まっていて、発表を遅らせていたのでしょう。しかし、それにしては、タイミングが悪すぎます。東京オリンピック・パラリンピックなど本当に開催できるのか分かりませんが、開催間近のこのタイミングで発表しなくてもよさそうなものです。

 オリ・パラの気運に日本政府自らケチをつけてしまいました。アホじゃないかと思う人も多いことでしょう。

 

薄めればいいというものではない

 一般に、汚染物質も十分に希釈すれば微生物が分解してくれ、無害になります。しかし、放射性物質や重金属は、分解されず、いつまでも環境中に残ります。生物によって再濃縮され、危険な濃度になる恐れもあります。放射性物質などは、薄めて放出すればいいというものではありません。

 海という限られた自然環境の中に、各国がどんどん放射性物質を放出し続ければ、海の容量自体は増えるわけではないので、放射性物質の濃度は次第に高くなります。現在、海洋中のマイクロプラスチックが問題になっているように、無視しうる量でも継続的に排出し続ければ、危険が顕在化してくるかもしれません。

 十分に希釈すれば問題ないというのも、現在の科学水準では危険を察知できないということに過ぎません。長期にわたって低濃度の放射能にさらされ続けた場合の健康への影響などは、実証されたデータもなく、現在の科学では分からないのですから・・・。

 

 日本は、今回、放射性の汚染水を海洋放出せざるを得なくなったことの責任を感じ、今後一切、原子力発電所などから放射性物質を放出しないよう、すべての原発の稼働を止め、早期に廃炉すべきでしょう。

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