サイト案内(目次)へ

 この本は、単に勉強のノウハウを解説した自己啓発本ではありません

 初めの部分は、勉強して知識を深めるということはどういうことかが説明されています。この部分が私の実体験にフィットしていたことから、非常に難解な本にも関わらず、一気に読み進めることができました。本当は、少し理解がずれているかもしれませんが・・・。

 

 地方公務員の世界では、自治法などの勉強をするうえで、「行政実例」とか「地方財務実務提要」の記載などに精通することが、まずは求められます。行政実例などを金科玉条とする段階にとどまっていれば、普通に組織内で楽しく仕事できるのですが、さらに勉強を深めると、行政実例などの中に「本当にこれでいいの?」と思うようなものが混じっていることに気が付きます。そうなると、これまでのノリでは仕事ができず、組織からもやや浮く場面があったりします。本書では、そのような環境にフィットしない、ノリの悪い人間になることが推奨されています。

 

 中盤は、言語についてや、決断することについてなどの哲学的な考察が続き、私ごときは付いていくのがやっとです。まさに、哲学書です。

 また、「アイロニー」と「ユーモア」で勉強を深めるべきことが再三述べられています。アイロニーとは、今の勉強で前提になっていることについて、本当にそれでいいのか疑ってみること、ユーモアとは、対象をずれた方から見直すことと理解しました。ツッコミとボケと比喩されています。

 

 最後に近づいて、ようやく、実務的なノウハウのようなものが示されます。一つの分野をしつこく掘り下げても切りがないので、適当なところで中断し、複数の分野を思索の途中で中断した状態にしておく。そうすると化学反応も起きるかもしれない。この辺は、外山滋比古氏の「思考の整理学」で推奨されている手法に通じると思いました。

 

 私も、「アイロニー」と「ユーモア」、ツッコミとボケを心掛け、勉強を深めていきたいと思います。
スポンサードリンク