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1月末までに、職員の退職手当改定の条例改正について、いつ施行するか、市町村関係の動向が固まってきました。市町村の多くは、年度途中での改定を避け、平成30年4月1日施行になりそうな状況です。
さらに、私の住む県では、新たな進展がありました。
県内最大の市が職員団体と4月1日施行で合意したこと、私の古巣の県が3月1日施行(2月県議会の冒頭提案)を決めて2月2日に職員団体に通告して交渉を打ち切ったこと、この2つです。
県の対応と市町村の大勢が食い違ったことから、わが小規模自治体も難しい判断になりました。先日、この状況を長に説明し、協議した結果、わが自治体は、4月1日施行で改定することとし、職員団体に提示しました。
公務員の退職手当について民間の厳しい意見があること、国家公務員に準じることが原則であることは十分承知したうえで、私がこのように判断し、動いた理由は、次の通りです。
1 そもそも給与自体が、国家公務員よりかなり低いこと。また、今の退職者の世代は、若いころ民間よりもかなり低い給与に甘んじていた人たちであること。
2 今になって支給率を改定することは、昨年の夏ころから現行の水準を前提に勧奨退職の手続を進めてきた職員たちを裏切る結果になること。
3 駆け込み退職が出て、混乱する可能性もわずかながらあること。駆け込み退職はほとんど出ないと思うが、それは、退職予定者の使命感、責任感によるもので、それに甘えて職員に経済的損失を負わせることは、信義則に反する気がすること。
4 多くの自治体の条例と同様、わが自治体の条例も、60歳に達していれば年度途中で退職しても定年扱いになる。つまり、3月生まれの職員だけが駆け込み退職もできず、退職者間で不公平が生ずること。
5 改定条例を3月に施行し、30年、40年一生懸命働いてきた職員に、最後にそういう仕打ちをすることは、最後に腹立たしい思いを残しかねず、情として忍びないこと。
6 民法では期間の定めのない雇用契約は解約の申し入れから2週間で終了することになっている。また、自治体によっては、退職する場合は10日前までの申し出を服務規程などで義務付けている。つまり、退職しようとする場合は、退職の意思表示から退職の日までに相当の日数を置くことが社会通念上の常識である。したがって退職に関する制度を改定しようとするときは、施行日までに相当の周知、検討の期間を置くべきであり、それを欠くのは、信義に反するのではないか。
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