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一昨日あたりからニュースに流れ始め、昨日(3月16日)名古屋市教育委員会がメールでのやり取りの内容を公開したことから、今朝の新聞に詳報が載りました。
事件の概要
名古屋市立中学校が前川喜平・前事務次官を講師に招いて授業、講演会を行いました。それについて、文部科学省が名古屋市教育委員会に対し、前川氏を招いた意図などを執拗に問いただしたうえ、授業内容や録音データの提出を市教委に求めていました。その要請メールの中で、前川氏が組織的天下り問題で処分を受け次官を辞任した経緯や、出会い系バーに出入りしていたことにまで触れています。不適当なことをしでかした下部機関を問い詰めて責めているような内容です。
名古屋市教育委員会は、メールでの質問に回答し、執拗な追加質問についても回答しています。その回答ぶりは、淡々とした落ち着いたものですが、不当な要求は拒否しています。
名古屋市教委の対応に拍手!
私は、市教委の対応に拍手を送ります。地方自治や教育の自由を居丈高に主張して拒否することはせず、差し支えないことは回答しながら、不当な介入については毅然としてはねつけています。
地方自治に携わる一員として、うれしくなりました。
今回のことは、国の省庁にとって、いい教訓になると思います。
文科省の対応の見苦しさ
それに対して、文科省のやり方のみっともなさが目立ちます。
安倍政権の歓心を買うために、政権にたてつく前川氏の動きを封じようとしたように見えます。
文科省は、森友、加計関係の一連の問題で政権の不興を買っており、何とか挽回しようと必死ですり寄っているような焦りすら感じます。少し、同情したくなる部分もあります。
文科省の居丈高な姿勢の背景には
文科省初等中等教育局があのような居丈高な姿勢をとることの背景には、義務教育費国庫負担に基づく権限があります。教職員定数の加配の問題などです。
この国庫負担の制度は、20年ほど前、三位一体の改革が叫ばれていた時、文科省の課長時代の前川氏が政権にたてついてまで守ろうとされたものです。おそらく、官僚生命をかけておられたのでしょう。
その権限を背景に、文科省の今の官僚が、政権にすり寄るために前川氏を圧迫しようとしていることに皮肉を感じます。
私も県職員のころ、公立学校の施設・設備(公立文教、産振など)の補助の手続(事業認定、単価補正など)や、大学設置認可の関係などで、頻繁に文部省、文部科学省を訪問した時期が3回ほどあります。意地の悪い人もいましたが、いい人もたくさんおられました。親切にもしていただきました。一生懸命に仕事に励んでおられる方が大勢おられました。
国民の目線を取り戻してくださるよう願っています。
今後、名古屋市には、文科省の権限を背景にしたいじめが始まる可能性があります。名古屋市教委は、そんな兆候があったらすぐに情報を公表していただき、我々も監視していきたいと思います。
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