半年ほど前、新聞のランキングに載っていて、題名が気になったので読んでみました。
私は、10年近く前から既に終活に取り組んでおり、死ぬことは特に怖くはないのですが、まだ死ぬのが楽しみという心境には達していません。それで興味を持ったわけです。
本書はコメディーです。高校時代に応援団だった70歳の老人が急病(脳出血?)で亡くなり、葬儀に参列するため元応援団員の3人が久しぶりに顔を合わせます。そこで、個人の孫娘から「応援団を再結成してほしい。」という故人の遺言を受け取って応援団を再結成し、ドタバタを繰り広げるストーリーです。
ドタバタの中に、人生の教訓的なことやジーンと共感する言葉が散りばめられています。例えば、遺言を叶えて欲しいと孫娘から頼まれた仲間の一人が、「久しぶりなんだよ。何かを頼まれたの。」「この歳になるとさ、・・誰も僕に頼みごとなんかしてこないんだよ。・・老人(僕ら)は支えられるだけで、誰かを支えちゃいけないのかな?」
私が気になった題名の意味は、最後の部分でようやく分かりました。それを説明しようとするとネタバレになるので詳細は避けますが、自分が死んだ後のことで、想像した時に楽しみになるようなことがあればということです。それは、宗教のように天国で楽しく暮らすなどということではありません。私は、死んだら無に帰るだけだと信じているので、今さら天国や極楽などを楽しみにすることはできません。
自分の死後、この世で残された人たちのことを想像して楽しみになるようなことです。
私が取り組んでいる終活は、私の死後に家族が困らないことを目的にしていますが、もう一つ、死期が迫った時に死ぬのが楽しみになるような準備という視点も加えようと思います。自分が死んだ後のことを想像して楽しくなるようなことを用意しておきたいものです。
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。
サイト案内(目次)へ