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一般的な簿記との違い 財務4表の性質
新公会計で作成する財務書類は、基本的に、貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書の4表です。(3表方式の場合も、行政コスト計算書と純資産変動計算書をくっつけただけなので、性質としては4表と同様)
一般の簿記は、貸借対照表、損益計算書が必須で、キャッシュフロー計算書や株主資本等変動計算書を作成することも多く、これも含めれば4表です。
私は、最初、新公会計と一般の簿記を比較して、貸借対照表は共通、行政コスト計算書は損益計算書に対応、純資産変動計算書は株主資本等変動計算書に対応、資金収支計算書はキャッシュフロー計算書に対応し、同じ仕組なのだろうと思っていました。その思い込みが、私にとって理解を妨げる原因になりました。
一般の簿記では、貸借対照表と損益計算書の2つで一応完結しており、キャッシュフロー計算書と株主資本等変動計算書は、それを補完するものです。日々の取引を仕訳するときに、その勘定科目は貸借対照表と損益計算書の二つに集計され、完結します。
一方、新公会計では、仕訳した勘定科目は、貸借対照表と行政コスト計算書だけでなく、資金収支計算書や純資産変動計算書にも集計されます。つまり、4表がすべてそろわなければ、完結しないのです。
その辺が、なまじ簿記の知識がある人にとっては、分かりにくいところだと思います。
一般的な簿記との違い 仕訳
一般の簿記では、現金預金の増減は、「現金預金」という貸借対照表に集計される科目と、その相手方の科目に仕訳されます。備品を買って代金を払えば、備品の増と現金預金の減に仕訳され、給与を支払えば人件費などの経費の科目の増と現金預金の減に仕訳され、手数料を受け取れば受取手数料などの収益の科目の増と現金預金の増に仕訳されます。これらの科目は、すべて貸借対照表か損益計算書に集計されます。
新公会計では、現金預金の増減については、日々の仕訳では貸借対照表に集計される科目ではなく、資金収支計算書に集計される科目に仕訳されます。これが、第一の相違点です。
また、その相手方の科目は、貸借対照表や損益計算書に集計する科目だけでなく、純資産変動計算書に直接集計するものもあります。税収や国庫補助金収入は、行政コスト計算書を経由せずに、純資産変動計算書で計上、集計されます。これが、第2の相違点です。
この相違点さえ意識すれば、簿記をやったことがある人なら、それほど苦労なく理解できると思います。