地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

 2025年4月下旬、翌年4月から自転車の交通違反にも青切符制度を施行し、取締りを強化する方針であることが報じられました。

 一般論としては、自転車の悪質な交通違反に対して取締りを強化することには賛成で、また、いきなり刑事罰ではなく反則金制度を設けることにも賛成なのですが、取り締る行為の細目に疑問があります。スマホのながら走行や傘さし走行などは大いに摘発すべきだと思いますが、疑問のある項目もあります。

 最大の疑問は、自転車の歩道通行を反則金の対象にすることです。現在、自転車が通行していいはずの歩道にも、「自転車通行可」の標識が所々にしかありません。当然のように自転車が走っている広い歩道でも、「自転車通行可」の標識がない場合もかなりあります。

 また、自転車専用の車線などない道路がほとんどで、車道を走っていると車が自転車すれすれに速度も落とさずに追い抜いています。その取締りを強化することになっていると思いますが、それを先行させ、自転車が車道を安全に走ることのできる状態にする方が先でしょう。こんな状態で、自転車を車道に追いやるのでしょうか?

 車道を通ろうにも道の左側を走らなければならず、道路を横断しようにも横断歩道が近くになかったりもします。

 また、並んで走る行為も取締り対象ということで、私は構わないのですが、高校生などは可哀そうな気もします。

 こんな項目を厳密に取り締ることなど、できるはずがないと思います。特に危険、悪質な行為だけを取り締ることになりそうな気がしますが、現場の警察官の裁量が広すぎるのは適当ではありませんもっと緻密に、どんな行為が反則金の対象になるのか、示すべきでしょう。それが法治国家というものでしょう。
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 米国トランプ政権がウクライナに対してクリミアを放棄するよう迫っているようで、ゼレンスキー大統領が「プーチンに報酬を与えてはならない」と反発していることが報じられています。彼の主張には心から賛同しているのですが、米国が裏切った今となっては、やむを得ないのかもしれません。

米国の裏切り

 2008年のNATO首脳会議において、独仏などがロシアを刺激することに難色を示していましたが、当時の米国共和党ブッシュ政権が旗を振ってウクライナとジョージアの「将来の加盟」で合意に持ち込みました。ウクライナはそれ以前からNATO加盟の希望を示していましたが、米国がそれを助長していた歴史があります。

 それがロシアを刺激し、ウクライナ侵略に踏み切らせたにもかかわらず、米国が今になって裏切りました。ウクライナは、大国に翻弄された犠牲者です。

得をしたのは中国、北朝鮮、そして米国か

 この戦争によって、仮にロシアがクリミアなどを得たとしても、トータルで得はしていないでしょう。中立を保ってきたスウェーデンやフィンランドをNATO陣営に駆け込ませてしまい、戦争をしている間にシリアなどへの影響力も失われました。また、ロシア軍が意外に弱く、装備も劣悪で、ロシア製兵器の性能がお粗末であることがバレてしまいました。それらの結果、中国に頼らざるを得なくなり、完全に格下扱いされるようになってしまいました。

 大量の国民が国外脱出しています。ロシアの国力が落ちたのは間違いありません。

 米国は、自国の兵士の血を流さずにロシア軍に大損害を与えました。膨大な軍事援助は行っていますが、大部分は米国の軍事産業に流れているでしょう。ただ、トランプ政権になって、米国が西欧などから「裏切者」呼ばわりされるようになってしまったことは、長期的に見ればマイナスに働くと思います。

 米国を頼りにしてはいけないことは、日本としてもよく分かったと思います。米中を天秤にかけながら、生き残りを図らなければなりません。
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 米国トランプ政権が次々と発信している政策を見ていると、民主主義の失敗を痛感しています。少なくとも長期的に見れば明らかに米国に不利益に働く政策短期的に見ても米国の利益になるか疑わしく世界には悪影響を及ぼすことが確実な政策が、次々に繰り出されます。発表したもののあまりの評判の悪さに、すぐに軌道修正されたり撤回されたりもします。

 あれは、国民がろくに考えずに威勢のいい発言ばかりするポピュリストを選んでしまった結果であり、民主主義の失敗を如実に示すものです。

 米国のことを笑っている場合ではありません。日本の政界から聞こえてくるのも、7月の参議院選挙に勝つためにどうするかという話ばかりです。

 日本は今、安全保障、食糧安全保障、少子化と人口減少等、様々な問題に長期的な戦略で対応しなければならない時に、目先の選挙に勝つためのことに議論が集中しているような情けない状態です。選挙に勝つためには給付金がいいか減税がいいか議論しているようでは、日本の衰退に歯止めがかけられるはずはありません。

 先日読んだある本に、欧米の政治家がプーチンや習近平との駆け引きで負け続けているのは、欧米の政治家は国内での選挙に勝つために能力を使わなければならず、外国との交渉に勝つ能力を磨く暇がないからというようなことが書かれていました。的確な分析で、もちろん日本にも当てはまるでしょう。日本は無策のまま衰退を続けるのでしょうか?

 かといってロシアや中国の体制は絶対に嫌だし、民主主義の弊害を取り除く方策を考えなければなりません。

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