地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

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 フランス大統領にマクロン氏が当選しました。ニュースでは、安堵感から日本の株式市場も大幅に値上がりしたとのことです。

 

一零細投資家のジレンマ

 他国の大統領選挙にそれほどの思い入れはありませんが、多少の関心はありました。一つには、零細投資家の一人として、株式市場や為替への影響が気になったこと、もう一つは、グローバリゼーションの行き過ぎへの歯止めとなるかという関心です。お気づきのように、この二つの希望のベクトルは、同じ方向ではありません。

 零細投資家の一人としては、マクロン氏の勝利を願っていました。仮にマクロン氏が敗れれば、株式は下落し、更に円高になって中期的にも悪影響があるだろうと思ったからです。

 しかし、グローバリゼーションの行き過ぎに歯止めがかかってほしい気持ちがあり、ルペン氏への期待もありました。イギリスに続いてフランスもEU離脱となれば、アメリカのトランプ大統領の誕生と合わせて、反グローバリゼーションの流れは確定的になったでしょう。今以上に貧富の格差を拡大させ、中流階級人口を減らさないためには、行き過ぎたグローバリゼーションに歯止めをかける方がいいと思います。長期的な社会の安定のためには、そうすべきだと思います。

 フランス国民は、EU残留を希望してのでしょうか?それとも、EUは離脱したいが極右は嫌だという気持ちが強かったのでしょうか?大量の棄権は、何を意味するのでしょうか?
 今後の動きも注目したいと思います。

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地方自治法第234条の3(長期継続契約) 
普通地方公共団体は、第二百十四条の規定にかかわらず、翌年度以降にわたり、電気、ガス若しくは水の供給若しくは電気通信役務の提供を受ける契約又は不動産を借りる契約その他政令で定める契約を締結することができる。この場合においては、各年度におけるこれらの経費の予算の範囲内においてその給付を受けなければならない

自治令第167条の17  地方自治法第234条の3に規定する政令で定める契約は、翌年度以降にわたり物品を借り入れ又は役務の提供を受ける契約で、その契約の性質上翌年度以降にわたり契約を締結しなければ当該契約に係る事務の取扱いに支障を及ぼすようなもののうち、条例で定めるものとする

 

なぜ長期継続契約が困難か?

  条文だけサッと読むと、各自治体が条例でNHK受信契約を指定すればよさそうに見えます。しかし、法後段の「各年度におけるこれらの経費の予算の範囲内においてその給付を受けなければならない。」が、ネックになってしまいます。

 

 電気、ガス、水道などなら、各年度の予算に合わせて使用することもできます。また、予算が0だったら、契約を解除することもできます。

 リースなどの長期継続契約の場合は、契約条項として、予算の減額等があった場合は契約を解除できる文言を入れ、法律の条件をクリアしています。これらは、総務省の指導・助言によるものです。

 しかし、NHK受信契約の場合は、予算に合わせて使用することもできず、契約書に予算減額の場合の解除条項を入れることなど、NHKが認めるとは考えられません。そもそも、テレビを保有している限り、契約して受信料を払うのが国民の義務だと主張しているわけですから。予算が減額されたら、テレビ自体を処分せざるを得ません。もったいない話です。

 この辺りについて、地方自治法とNHKの双方を所管している総務省としては、どう考えているのか、ぜひ、見解を伺いたいところではあります。

 

地方自治体における実務

 条例で指定していない以上、正規に長期継続契約として締結することはできません。しかし、テレビをもっていない自治体、NHKと受信契約を拒否している自治体というのも聞いたことがありません。

 どこの自治体も、無自覚に、自治法に違反して、年度を超える契約を結び、年度を超える前金払をしているのでしょう。

 

 参照NHK受信料1  地方自治法の扱いは?」

 年度を超える前金払が本当に違法かどうかについては、次を参照願います。

  「年度を超える前金払って、本当に違法?」

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 NHK受信料は、変な制度です。受信しようがしまいが、受信機を保有しているだけで受信料を払えという制度です。一般的な法秩序を無視している制度だと思います。そのせいもあり、地方自治法上の取扱いをどうすべきか、疑問な点がいくつかあります。

 

支出科目「節」は?

 民間企業では、おそらく通信費に計上しているところが多いと思いますが、地方自治体では「役務費」の節に計上しているところが多いと思います。しかし、これらはいずれも役務の提供を受ける対価としての支払を想定している費目であり、提供を受けるかどうかにかかわらず支払わなければならないようなものの支出には、不適当のような気もします。

 自治法施行規則で規定している節では、他に、負担金使用料及び賃借料委託料なども考えられますが、いずれも、同様の理由で不適当でしょう。

 最もぴったりくるのが、「公課費」です。テレビがあれば、NHKを受信するか否かにかかわらず払わなければならないとすれば、テレビにかかる公租公課と考えるべきではないでしょうか?NHKは、嫌がるかもしれませんが…。

 

長期継続契約には該当する?

 地方自治体の契約は、年度を超えてはいけないことが原則です。例外として、地方自治法第234条の3では、「電気、ガス若しくは水の供給若しくは電気通信役務の提供を受ける契約又は不動産を借りる契約その他政令で定める契約」は、年度を超えて契約できることになっています。

 この「政令」では、年度を超えて締結しなければ不都合な契約の種類について、各自治体が条例で指定することになっています。各自治体では、コンピュータや複写機などの機器の賃借(リース)契約や庁舎の管理委託契約などを条例で定めています。

 まず、「電気通信役務」にNHKの受信契約を含むかどうかですが、一般的な解釈では無理でしょう。CATVやWi-Fiは、電気通信役務でしょうが、放送は無理です。

 各自治体が、条例で制定するかどうかが次に問題になりますが、私の知る限り、条例でNHK受信契約を指定している団体はありません。また、総務省(旧自治省)が、各自治体に条例で指定するように助言している形跡も見当たりません

 実は、これを長期継続契約として扱いにくい理由があります。

 次稿「NHK受信料2  長期継続契約はダメ?」で説明します。

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