2025年の春に非常にヒットした本です。本書は、6つの短編で構成され、各話は収入や環境の異なる6人の女性が主人公になっており、それぞれ収入を得るために格闘する様子を描いています。6つの短編は独立しているのですが、6人の女性が自分が主人公になっている話以外の話にも登場します。
第1話「月収4万の女」は、月4万円の年金で暮らす66歳の女性が、それ以外の収入を得ようとする物語、第2話「月収8万の女」は、派遣社員をしながら小説を書いている31歳の小説家が、執筆時間を確保するために安定した不労収入を得るために不動産事業を始める物語といった構成です。第4話「月収100万の女」は26歳のパパ活嬢、第5話「月収300万の女」は元実業家の52歳の未亡人、最終話「月収17万の女」は22歳の介護職女性が主人公で、平凡な人生を歩んできた私としては、第3話「月収10万を作る女」が最も共感しやすい対象でした。
第3話は、工場で監督職を務める29歳の独身女性が主人公で、将来の生活を安定させるため、新NISAを始めることを決意します。解説書で新NISAや投資のことを学び、次のような目論見(計画)を描いて実行します。
新NISAは年間360万円まで投資できるので、投資信託を買って5年で非課税限度枠の1800万円を使い切る。その後、年利6%で増えていくと仮定すると7年後(新NISAを始めてから12年後)に3000万円に達する。その後は年4%で運用して年間120万、月10万円ずつ使っても永久になくならないお金の「永久機関」ができる。
彼女は一生懸命生活を切り詰めて積立投資を続け、14年後の2037年の半ば(本書が出版されてから12年後の未来)、新NISA口座の投資信託の残高が3000万円を超え、「永久機関」を手にします。その間に、詳しい説明はありませんが、あわや第三次世界大戦かと危惧された台湾有事も起こったり、一時的に資産が減少したりする場面があったものの、無事に資産が回復し、計画が実現しました。
主人公は投資を続けるために様々なものを犠牲にしてきましたが、本書は「それは決してむずかしいことではない。決意をし、時間さえかければ誰にでもできることなのだ。」と述べています。そのとおりでしょう。
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