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長期継続契約とは

 年度内に完結させなければならず年度を超えて結ぶことができないのが、地方公共団体の契約の原則ですが、長期継続契約とは、例外的に、年度を超えて契約することを認める制度です。元々、昭和38年の地方自治法改正で、電気・ガス・水道料や、不動産の賃借について認められ、その後、平成16年の改正で、「政令で定める契約」が加えられ、年度を超えて契約しなければ不都合なものとして地方公共団体が条例で定める契約が追加されたものです。

 各地方公共団体では、この改正に対応し、長期継続契約ができるものとして、毎年41日から役務の提供を受けることが必要な庁舎の警備、清掃、設備やソフトウェアの保守管理などの委託、複数年にわたる機器のリース契約などを指定しています。これらの契約は、年度を超えて契約でき、つまり、41日からの契約ならば前年度の3月のうちに契約を締結してもいいのです。毎年41日に大量の日付を偽った契約手続などをする必要がなく、事務も平準化できるのです。


おかしな運用の実態

 長期継続契約が十分に活用されず、毎年4月に大量の日付を偽った契約書が作成され、41日に契約の決裁から見積書の徴取、契約の締結までの一切を行うという離れ業が行われている理由は、制度への2つの誤解に基づく誤った運用にあります。それは、


1 長期継続契約は、長期の契約でなければならないという誤解

2 長期継続契約でも、契約を締結する時点でその年度分の歳出予算に計上されていなければならないという誤解


という2つの誤解です。この呪縛によって、多くの地方公共団体は、3月中に締結すればいい契約を41日付けにすることに拘り、毎年多くの日付を偽った契約書を作成したり、未契約の状態で41日の午前0時から役務の提供を受けるという不適正な行為をしたり、4月初めに事務を過度に集中させるという不効率を余儀なくされているのです。

 

そんな運用を自治法は求めていない!

 まず、地方自治法や施行令の条文を見てみましょう。

自治法第214条(債務負担行為) 歳出予算の金額、継続費の総額又は繰越明許費の金額の範囲内におけるものを除くほか、普通地方公共団体が債務を負担する行為をするには、予算で債務負担行為として定めておかなければならない。

自治法第234条の3(長期継続契約) 普通地方公共団体は、第214条の規定にかかわらず、翌年度以降にわたり、電気、ガス若しくは水の供給若しくは電気通信役務の提供を受ける契約又は不動産を借りる契約その他政令で定める契約を締結することができる。この場合においては、各年度におけるこれらの経費の予算の範囲内においてその給付を受けなければならない。

自治令第167条の17  地方自治法第234条の3に規定する政令で定める契約は、翌年度以降にわたり物品を借り入れ又は役務の提供を受ける契約で、その契約の性質上翌年度以降にわたり契約を締結しなければ当該契約に係る事務の取扱いに支障を及ぼすようなもののうち、条例で定めるものとする。


 法214条では、地方公共団体は、債務を負担する契約で歳出予算等の範囲外の契約をする場合には、予算で債務負担行為として定めておかなければならないと定めています。

 法234条の3では、「長期継続契約」に該当する契約は、214条の例外として、債務負担行為として定めておかなくても年度を超えて契約していいよと定めています。

 令167条の17では、長期継続契約として加える契約を条例で定めるとしています。


 いずれの条文を読んでも、何年以上の長期の契約じゃないとダメとか、契約を締結する年度分だけは歳出予算の裏付けが必要だなどと解釈できる文言は見当たりません。各地方公共団体の条例でそのような要件をわざわざ付ければ別ですが、そのような馬鹿げたことをする必要はなく、実際にそのような条例も見当たりません。

 次稿以下で、この2つの誤解について、更に詳しく反証します。

 

  「長期継続契約は、長期の契約でなくてはならないという誤解」

    「長期継続契約でも、年度開始後に締結しなければならないという誤解」


  「4月1日付け契約の弊害  長期継続契約の運用」


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