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長期継続契約の運用実態

 半数まではいかないと思いますが、かなり多くの地方公共団体で、長期継続契約は1年を超える契約でなければ該当しないという運用をしています。中には、「複数年」でなければならないとして、24か月以上の契約期間であることを要件としている極端な団体もあります。これらの団体では、例えば、41日から1年間の庁舎管理委託などは長期継続契約と認められず、毎年41日付けで、41日から翌年331日までの契約を繰り返していま。これでは、予算単年度主義の制約をもろに受けてしまいます。このような契約は、非常にたくさんあります。

 

なぜ「長期」に拘るのか?

長期継続契約について、何年以上の長期にわたる契約でなければならないと解釈できる文言は、地方自治法、施行令などには見当たらないことは、前稿「長期継続契約の制度をもっと有効に活用せよ!」で検証しました。では、なぜ、一部の団体では、一定の長期にわたることに拘るのでしょうか?

それは、一つには、「長期継続契約」という名前に由来する誤解です。長期に拘る守旧派の中には、「長期継続契約は、その本来の性格から、条文では何も書かれていなくても、長期であることを要件としている。」と主張する人もいます。

もう一つは、平成16年の制度改正の際の総務省の施行通知(改正の趣旨、運用の留意点等)の解釈を誤ったことです。

いずれも誤りであることを論証します。

 

長期継続契約の本質、そもそもの趣旨は?

1 長期継続契約という名称は、法令で定義されている名称ではなく、条文の見出しとして便宜上付けられたものです。名称に特別な意味はありません。

2 守旧派は、長期間にわたる契約について毎年41日に契約手続を繰り返すことが煩瑣であるから、これを避けるために設けられたのがそもそもの趣旨だから、本質的に長期でなければならないと主張します。それも誤りです。

  毎年同じ契約を繰り返す煩瑣を避けることは、権威ある解説書(「逐条地方自治法」等)でも趣旨として述べられており、この制度創設の動機の一つであったことは否定しません。しかし、動機、趣旨は、それだけではなく、違法状態の解消も目的としたことは疑う余地がありません。

  土地をずっと継続して借りる契約を例にします。ある年度も41日の午前0時から使用したいとすれば、その前年度中に契約を締結しておかなければならないことは明らかです。このような、年度をまたぐ契約を合法化することが制度創設の本来の趣旨だったのではないでしょうか?

  「毎年同じ契約を繰り返す煩瑣を避ける」という趣旨は、制度創設の際に旧自治省が対外的に説明していたものと思われます。「年度をまたぐ契約を合法化する」と言ってしまうと、それまでが違法状態であったことを明示してしまうので、そのような説明しかしなかったのかもしれません。

  我々公務員にとっては、煩瑣を避けることなどより違法状態を避けることの方がずっと価値が大きく「長期継続契約は本来の性格から長期であることを要件としている。」などという主張は、失当です。もし、長期であることを要件とするなら、条文に書き込まなかったはずがありません。

3 原則に対する大幅な逸脱のみ容認して、わずかな逸脱は認めないなどという制度は矛盾しています。

  一般に、尊重すべき原則に対する例外の制度を作る場合に、原則に対する大幅な逸脱のみ容認して、わずかな逸脱は認めないなどという制度を作るはずがありません。長期継続契約は、予算単年度主義に対する例外の制度です。予算単年度主義は現在も一応尊重すべき原則である以上、5年の契約(4年の逸脱)は認めて、1年半の契約(半年の逸脱)は認めないなどという制度は、あり得ません。

4 総務省の施行通知も長期であることを要件としていません
 総務省の施行通知では、商慣習上複数年にわたり契約を締結することが一般的であるもの」と「毎年4月1日から役務の提供を受ける必要があるもの」を並列で対等に並べています。つまり、商慣習上複数年・・・」とは別に、「毎年4月1日から・・・」という範疇の契約を加えています。当然、「毎年4月1日から・・・」の契約の方は、商慣習上複数年で契約することが一般的じゃなくてもいいわけです。
 また、
商慣習上複数年・・・」の方も、「一般的であるもの」とし、例外的に短期間のものも想定したうえで、それらも含めて長期継続契約の対象にしているのです。

  これらについては、別稿「長期継続契約に係る総務省の「公式」見解」で詳述します。

 このように、長期継続契約について、一定以上の契約期間を要求する解釈は、誤り。そもそも、そんな解釈によって、どのような法益、原則を守ろうとしているのか、わけが分かりません。

 41日から1年間の清掃委託契約、12月から翌年5月末までの仮設事務所の維持管理契約、41日から9月までの再リース契約など、どんどん長期継続契約を活用しましょう。

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