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 わざわざ「公式」を強調したのは、総務省の担当部局が、電話による回答などの際に、対外的に文書で公表された見解と異なることを言う場合がかなりあるからです。また、地方公共団体が文書による回答を求めても、頑なに拒否するようです。そんな電話回答は、公式見解、有権解釈に値しません。

 長期継続契約の運用、解釈について、総務省から文書で表明されているのは、私の知る限り、次の二つです。いずれも、平成293月時点でも国のホームページ上で公開されています。


草加市からの「入札等の契約準備行為だけでも前年度中に行うことを容認してほしい」との特区要望についての総務省の対応措置案  〈平成16年7月23日内閣府集約〉

   「入札の公告等又は契約の締結は予算執行の手続きに含まれるものであり、事業執行年度の前年度においてこれを行うことはできないが、現在、長期継続契約の対象範囲の見直しを検討しているところであり、それによって長期継続契約の対象となれば、債務負担行為の設定によることなく、事業年度前の入札または公告等又は契約の締結が可能になるものと考えられる。」


平成161110日付け各都道府県知事あて総務省自治行政局長通知

「地方自治法の一部を改正する法律等の施行について(通知)」(抜粋)

  長期継続契約を締結することができる契約の対象範囲の拡大関係(令第167条の17関係)

  (1) 法第234条の3で具体的に規定されている電気、ガス若しくは水の供給若しくは電気通信役務の提供を受ける契約又は不動産を借りる契約のほか、長期継続契約を締結することができる契約として、翌年度以降にわたり物品を借り入れ又は役務の提供を受ける契約で、その契約の性質上翌年度以降にわたり契約を締結しなければ当該契約に係る事務の取扱いに支障を及ぼすようなもののうち、条例で定めるものとされたこと。

  (2) 上記(1)に該当する契約としては、商慣習上複数年にわたり契約を締結することが一般的であるもの、毎年4月1日から役務の提供を受ける必要があるもの等に係る契約が対象になるものであること。例えば、OA機器を借り入れるための契約、庁舎管理業務委託契約等が想定されるものであること。

  (3) 上記(1)の契約の締結に当たっては、更なる経費の削減やより良質なサービスを提供する者と契約を締結する必要性にかんがみ、定期的に契約の相手方を見直す機会を確保するため、適切な契約期間を設定する必要があることに留意すべきものであること。

 改正法はH16.5.26公布、政令はH16.11.8公布、施行はいずれもH16.11.10

 

 この2つの文書が、長期継続契約についての2つの論点、「長期(一定以上の期間)の契約であることを要件としているか」「事業実施年度開始前の契約を容認しているか」について、どういう立場を取っているか見てみましょう。

 

「長期(一定以上の期間)の契約であることを要件としているか」
 いずれの通知でも、長期の契約であることを求めているような文言はありません。
 また、施行通知6(2)では、加える契約の例示として、「商慣習上複数年にわたり契約を締結することが一般的であるもの」と「毎年4月1日から役務の提供を受ける必要があるもの」を並列で対等に並べています。つまり、「商慣習上複数年・・・」とは別に、「毎年4月1日から・・・」という範疇の契約を加えています。当然、「毎年4月1日から・・・」の契約の方は、商慣習上複数年で契約することが一般的じゃなくてもいいわけです。毎年41日からの契約を毎年繰り返すような契約を加えることを明示しています。

「商慣習上複数年・・・」の方も、一般的には複数年で結ぶ種類の契約であることを求めているだけで、個々の契約で複数年ではないものを排除していません。「一般的であるもの」とし、例外的に短期間のものも想定したうえで、それらも含めて長期継続契約の対象にしているのです。

また、63)では、あまり長期にしないようにくぎを刺しています。

どう読んでも、長期(一定以上の期間)の契約であることを要件と考えていないことは明白です。

 

「事業実施年度開始前の契約を容認しているか」

 対応措置案では、「長期継続契約の対象となれば、債務負担行為の設定によることなく、事業年度前の入札または公告等又は契約の締結が可能になる」と言っており、事業実施年度開始前の契約を明確に容認しています。

 施行通知では、加える契約として、「毎年4月1日から役務の提供を受ける必要があるもの」を例示しています。この種の契約は、通常、4月1日の午前0時から役務の提供を受ける必要があるものも多く、前年度中に契約を済ませておく必要があります。

 つまり、長期継続契約が事業年度の開始前に契約できるのでなければ、この種の契約を長期継続契約に加える意味がなく、この施行通知も、対応措置案と同様、事業実施年度開始前の契約を容認していることは明らかです

 このように、総務省が「公式に」表明している見解では、長期継続契約は年以上の期間のものでなければならないとか、41日からの契約でも前年度中に契約を結ぶことは認められないという解釈を採っていないことは明らかです。

 公式な文書ではこのように表明していながら、地方公共団体が照会するとこれに反する回答をするとすれば、組織としてあまりにもお粗末と言わざるをえません。

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