ここまで、契約保証金、電気や物品の売買契約、単価契約などについて、「国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律」(一般に「端数計算法」)の運用について、説明してきました。
本稿では、相手方の支払遅延に対する遅延利息等についての適用関係について説明します。
相手方の支払遅延に係る遅延利息等
地方公共団体が支払を遅らせた場合の遅延利息の額や端数処理については、「政府契約の支払遅延防止等に関する法律」によって定められていますが、逆に、相手方が履行を遅らせた場合のペナルティーについては、国の法令の定めはありません。したがって、本来は個々の契約によって定めるべきものです。
しかし、地方公共団体によっては、財務規則などで、そのような場合の遅延利息の計算方法、端数処理などを定めている場合が多く、その場合には、100円未満の端数は切り捨てて徴収しない規定になっていることが通例です。これは、「政府契約の支払遅延防止等に関する法律」とのバランスを考慮してのことでしょう。私法上の契約で地方公共団体が債権者になる場合のルールを財務規則等で定めれば、その団体は契約に際してはその規則に従わなければなりません。
端数計算法の優先適用の解釈
地方公共団体が、その債権の金額を計算する際の端数処理について財務規則等で100円未満切り捨て等と定めることについて、端数計算法第1条第2項の規定との関係がどうなるか、疑問を持たれる方もおられます。
端数計算法第1条第2項
2 他の法令中の端数計算に関する規定がこの法律の規定に矛盾し、又はてい触する場合には、この法律の規定が優先する。
ここでは、他の法令(地方公共団体の条例、規則も含む。)で国や自治体の債権債務の端数処理について定めたとしても、端数計算法が優先することを定めています。
地方自治体の財務規則などで100円未満切り捨て等の定めをした場合にそれが有効なのかという疑問です。これも、「確定金額」とはどの段階の金額かという問題でしょう。
相手方が遅延した場合の遅延利息等は法令の定めがないので、個々の契約次第です。その契約の中で、端数処理について定めてある場合は、それに従って端数処理された後の金額が「確定金額」です。地方公共団体が自らの契約についてルールを定めている場合は、そのルールが契約の内容に包括され、そのルールを前提とした契約内容によって「確定金額」が定まります。確定金額が定まる前の段階でどのような端数処理が行われようと、端数計算法の関知するところではありません。
「確定金額」が定まる前の段階での端数処理についてまで端数計算法を適用させようとする誤りが多いように感じています。
「端数計算法の誤った適用」
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