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 不動産の管理が大変なため、土地や家屋の相続をしたがらない等の問題が全国で発生しています。固定資産税の負担も一因になっています。

 

ある地方都市の例

 ある地方都市の中心部から少し外れたところに、昔からの商店街があります。昭和の時代まではそれなりに栄えていたのですが、平成に入り、周辺に郊外型の大型店がたくさん進出したため、衰退していきました。10年ほど前からは半数以上の店舗がシャッターを閉めている状態です。

 売りに出されている店舗(併用住宅)も多いのですが、買い手がほとんどいなく、時々成立する売買は、ただ同然の価格(十分に使用可能な敷地200㎡程度の店舗併用住宅が全体で30万円など)です。所有者が、固定資産税などの維持費に耐えかねて、投げ売りをしている状態です。

 買い手には、外国人も含まれています。こんな地方都市は、全国にあるようです。

 

固定資産税の評価

 土地や家屋に係る固定資産税は、地方税法第341条、第349条で、「価格」(適正な時価)を基準として課税されます。具体的には、総務大臣の定める「固定資産評価基準」に基づいて市町村が評価します。

 土地については、実務上、地価公示、地価調査等の価格の7割を固定資産評価額とすることになっています。

 地価公示、地価調査等の価格は、バブル崩壊以後、下落を続けている地方都市がほとんどですが、その下落の度合いが実態とかけ離れ、極めて緩慢なのです。売買実例価格がピーク時の1割に下落していても、地価公示等の価格は半分程度にしかなっていないようです。その7割に設定された固定資産評価額は、売買する時に成立する価格を大幅に上回ることは当然です。

 

時価を上回る評価は違法

 最高裁では、平成25年7月12日判決などで、固定資産評価基準に基づいて算定された価格であっても「当該土地の客観的な交換価値としての時価を上回るとき」は違法という判断が定着しています。この判断は、固定資産税の性格から、当然の判断です。

 市町村とすれば、国(地価公示)や都道府県(地価調査)が悪いと反論したいところだろうと思います。しかし、これに基づいて課税する以上、課税する価格についての説明責任は市町村が負わなければなりません。

 

 高すぎる固定資産評価が、衰退した地域に追い打ちをかけ、投げ売りを招いています。市町村が、滅びゆく地域に引導を渡しているような構図です。

 市町村は、自らの評価に責任を持ち、求められればその価格で不動産を購入するような制度を導入すべきではないかと思います。

 「国土交通省の空き地空き家対策」参照

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