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 副題に、「人口減少×高齢化×資本主義」と記されています。

 本書は、人口減少と高齢化が進む中、日本が今すぐに適切な対応をとらなければ三流国になってしまうとして、その対応策を示しています。

ここに示されている現状分析、対応策は、非常に論理的で説得力がありますが、今の日本の経営者、為政者は反発したくなるでしょう。

 

本書の主張

 国の経済を成長させるためには、人口を増やすか、生産性を高めるしか方法はありません。人口が減少していく中で、経済規模を維持していくためには、生産性を高めるしかありません。アメリカのように、移民受け入れによって人口増加を目指すのでなければ、生産性を高めるしかないのです。

 日本の生産性が低いことは、しばしば指摘されていますが、労働者の生産性は、世界銀行のデータ(2016年)によると29位で、先進国最低水準です。また、日本では中小企業で働く労働者の割合が高いこと、小規模な企業ほど生産性が低いこと等のデータから、生産性を高めるには、企業の統合を進めるのも有効です。

 生産性を高める最も直接的な方法は、最低賃金を上げることです。最低賃金を上げると企業倒産が増え、失業者が増えて、経済にマイナスになると主張する人が日本には多いのですが、それは新古典主義による錯覚だとのことです。

 イギリスなどでは、生産性を高めるために最低賃金を導入し、それがかなり成功し、また、失業も減少したという前例もあるようです。韓国が2018年1月に最低賃金を一気に16%も引き上げて失敗していますが、あんな極端なことをすれば無理が生ずることは当然で、あんなやり方をせず、イギリスのようにすればいいだけのことです。

 最低賃金を引き上げ、労働力を生産性の高い企業に誘導する。賃金引き上げに耐えられない企業は廃業に追い込まれるかもしれませんが、社長の数が減るだけで、失業は増えないでしょう。卓越した技術を持つ中小企業は、生き残るか、M&Aなどによって技術は承継されるはずです。企業の数を維持する必要はないとの主張です。

 

 私は、日本の最大の課題は人口減少等への対応であり、すべての政策をその方向に向けるべきで、それに逆行するような出入国管理法の改正には反対しています。

 「入管法改正は戦略を欠いた場当たり政策」 参照

 

 本書を読み、我が意を得たりという気持ちです。本書が多くの人に読まれてベストセラーを続けていることをうれしく思います。

 日本の政府が、労働力が不足しているから外国から安い労働者を受け入れるというようなその場しのぎの政策をやめ、一日も早く、論理的、戦略的な政策を実施されるよう願っています。

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