4月1日午前0時から役務の提供を受ける契約は、その前日、つまり前年度の3月31日までに締結しておかなければならないことは当然です。
長期継続契約の制度は、事業年度開始前(歳出予算の発効前)の契約も容認する制度なので、3月中に契約しても何の問題もないわけですが、これを問題にする人がいます。
無理な4月1日付け契約の違法性
長期継続契約まで前年度中の締約締結をためらう人たちの一部は、入札等の準備行為を3月中に行い、契約締結だけ4月1日付で行います。4月1日が、土曜、日曜であろうと、実際は4月3日に契約書を作成しようと、日付だけ4月1日にするのです。
このやり方は、予定価格の決定、入札公告といった支出負担行為を前年度中にやってしまっているので、契約締結だけ4月1日にしようと、3月中に契約したのと同じことで、意味がありません。
また、契約を締結するまでのわずかな期間ですが、未契約のまま業者から役務の提供を受けることになります。こういうことは、癒着につながります。
契約時期を動かす手法
契約期間を4月から翌年3月まででなく、例えば、10月1日から翌年9月末日までに動かす自治体もあります。この場合は、当然、契約期間が始まる前の9月末までには契約締結を済ませているはずなので、問題はありません。
我が自治体も、このようにしている契約はたくさんありますが、目的は繁忙期を避けることなどです。事業年度開始前の契約締結を避けるためではありません。
4月からの契約と10月からの契約の比較
当年4月1日から翌年3月末日までの契約を当年3月中に締結することと、当年10月1日から翌年9月末日までの契約を当年9月中に締結することを比較してみます。
自治法、自治令のどの条文を見ても、前者が違法で後者が適法だと解釈できるような部分はありません。また、歳出予算は、支出の上限を決めるだけで個々の契約の可否を判断するものではないので、後者だけが締約締結年度の歳出予算の範囲内だということもできません。
そもそも、このような議論は、予算単年度主義をどこまで尊重するかということが基本です。予算単年度主義、支出負担行為は年度内に完結させるという原則に対し、前者はわずかな逸脱であるのに対し、後者は大幅な逸脱です。
長期継続契約は、予算単年度主義の例外を認める制度ですが、例外を認めるのに際して、大幅な逸脱だけ認めるがわずかな逸脱は認めないなどという制度は、ありえません。
また、制度を作った旧自治省もそんなことは考えていなかったはずです。そんな考えであれば、地方自治体に契約期間のスライドを指導した(当時は「助言」でなく「指導」でもよかった。)はずですが、そんな形跡はありません。今でも、どこの自治体も、土地を長期に借りる契約(昭和38年改正から長期継続契約)は4月1日からになっているのが多い状況です。
後者のみを適法と認め、前者を違法とすることに、公益上の意味は何ら見出すことができず、無意味です。そんな制度を作るはずがありません。法令の解釈、運用は、公益上の目的に沿ったものでなければなりません。
我が自治体は、今後も、長期継続契約については、4月1日から役務の提供を受けるものは3月中に正しく締結します。
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コメント
コメント一覧 (6)
長期継続契約は、214条にかかわらずできます(歳出予算の範囲内・債務負担行為の例外)が、「翌年度以降にわたり」できるだけです。債務負担行為(歳出予算の範囲内の例外)をしないでやるのだから、当年度は歳出予算の範囲内でなければなりません。
自治法232の3からして契約締結日の3月とすべきと考えられますが、予算との関係上は4月にせざるをえないのではないでしょうか。
当年度の支出がなく翌年度以降に支出する契約は、214条で債務負担行為としてどこの自治体も行いますよね?それと同じことを長期継続契約でできないなどとは、214条、234条の3のどこにも書かれていません。予算締結年度は、支出予定がゼロですから、再三言うように、歳出予算の範囲内です。
支出負担行為の日と言われれば、契約を締結した3月の日になるでしょうが、我が団体もそうですが、予算の整理として財務規則では「支出負担行為整理年月日」を設定しているところが多いのでは?我が団体や県を含む近隣団体では、長期継続契約の契約締結年度の後の年度、債務負担行為や継続費の2年度目以降は、その年度の支出負担行為の整理は4月1日で行うことが定められています。
これは、(特に4/1が休日の場合)管理人様が強く反対している「日付の遡り」に類似した行為であるように感じますがいかがでしょうか。
一方、契約日付を4月1日に遡る行為は、民間とは異なり、自治法第234条第5項に照らし、許されない行為です。