本書の巻末の解説で木原武一氏(哲学者)が、「聖書の知識なくして、西洋の文化は理解できない。」「聖書は宗教の書であるが、同時に、西洋の文学や美術、音楽、思想を生み出す最大の原動力である。」と述べておられます。私も、現在世界で起こっていることを理解するためには、キリスト教やイスラム教についての基礎的な知識が必要だと思うようになり、その入門書として本書を手に取りました。
『「僕らが毎日やっている 最強の読み方」(池上彰、佐藤優)を読んで』
旧約聖書は、この世界の誕生、人類の誕生に加え、主にユダヤ民族の発祥から繁栄を経て亡国の民となる歴史が記されています。本書はそれを概説したものですが、著者は、異教徒の立場から客観的に解説しています。
本書を読むと、ユダヤ教やキリスト教では預言者として聖人扱いされている人が、敵に対しては略奪行為、だまし討ちなど、酷いことをやっているようです。神ですら、我々の普通の正義感からみると、悪いことをしています。
モーゼの後継者ヨシュアがカナンの地に入る際も、神は「カナンの地に入り、その住民をすべて追い払い、すべての偶像を粉砕し、異教の祭壇をこわしなさい。そして、あなたたちはそこに住みなさい。私があなたたちにその土地を上げよう。」と、侵略、略奪を唆しています。
十戒に、「殺してはならない。」とか、「盗んではならない。」とありますが、それは集団の中のルールであって、異教徒に対しては何をしてもいいようです。
このような考え方は、キリスト教から派生したイスラム教にも受け継がれています。テロが後を絶たないわけです。
4月にスリランカで起こった連続爆破テロは、ニュージーランドのイスラム礼拝所でキリスト教徒が起こした銃乱射事件の報復だともいわれています。このように、異教徒は殺してもいいのだと説いている書を聖典として信仰の対象としているグループ同士が対立しているのですから、恐ろしいことです。
平和的な多神教、仏教、無宗教の人々(日本人など)を巻き込まないでほしいと心から願います。
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