昔から西村京太郎さんの作品のファンで、楽しませていただいているのですが、近年の作品に変な部分が多く、気になります。出版社や編集者の方々に注意を促したいと思い、綴っています。

 

 この作品は、現美新幹線は道具立てに使われているだけで、この新幹線の車内で殺人が起こったわけではありません。それはいいのですが、この作品には、刑事手続き、殺人の動機、犯行方法の点で、説明不足というか、妙な点があります。

 

 まず、最後の場面で、ニューヨークに行った日下刑事が容疑者に自白を迫るのですが、拳銃の銃口を容疑者の顔に向け、顔をかすめて弾丸を発射させたりして脅して自白させるのです。そんなことをして自白させても証拠としての価値はないでしょう。後で否認されれば終わりです。

 また、こんなことを刑事がするはずがなく、やるとすれば何らかの特殊事情が必要ですが、その説明は見当たりません。それで、リアリティーのない結末になってしまっています。

 

 次に、犯人の動機が分かりません。十津川警部自身も三上本部長に対し、「確かに、渡辺久本人が、犯人とは考えにくいと思うのです。どうしても新人時代の絵が必要なら、所有している竹田にいえばいいのです。渡辺が大家になるためなら、喜んで協力すると思います。」と言っています。つまり、渡辺には明確な動機がないのです。

 それが、特別な事情があったなどの説明もなく、犯人になってしまっています。

 また、マンションの防犯カメラにも渡辺らしい人物は移っていなかったと明記されていますが、どうやってマンションの部屋に行って、殺人の後で絵をどうやって持ち出したかの説明がありません。

 いろいろ謎を提示しながら、その種明かしもせずに犯人を名指しするのでは、「推理小説」としては欠陥ではないでしょうか?

 

 再三になりますが、編集者や出版責任者は出版の前にちゃんとチェックして西村先生に修正してもらい、先生の名声に傷をつけないようにしていただきたいと思います。

 『西村京太郎氏の近年の作品が変だ1 「札沼線の愛と死・・・」』 参照

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