地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2017年12月

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 NHK受信料について、
以前在職していた県庁も同様だったのですが、私が現在所属している小規模自治体でも、根拠なく年度をまたいで契約している実態でした。また、口座自動振替にすれば受信料が多少安くなるので、その2点が気になっていました。このたび(平成2912月)、長の御理解をいただき、適正化できたので、御報告させていただきます。

 

長期継続契約の対象に指定

 NHK受信契約は、4月から1年ごとの契約にしたとしても、その更新の合意は3月末までにされているはずであり、年度をまたがざるを得ません。しかし、自治法第234条の3でも自治令第167条の17でも、NHK受信料は対象とされておらず、自治体が条例で長期継続契約に指定するか、債務負担行為を設定しなければ、年度をまたいで契約できません。

 当自治体の「長期継続契約が締結できる契約を定める条例」では、施設等の維持管理や機器等の賃貸借に加え、「その他長が特に必要と認める契約」という包括的な号が設けられており、これに基づいて「日本放送協会との放送受信契約」を指定しました。

 私がかつて属していた県庁など、他の自治体では財務規則で追加できるような条例になっている場合が多いので、その場合は財務規則を改正すればいいわけです。
 なお、自治法に精通しておられる方は、長期継続契約は各年度の予算の範囲内で役務の提供を受けなければならないことを危惧されるかもしれません。しかし、このような運営費は、暫定予算でも認められるべきもので、所要の予算が議決されないというのはありえない事態だと思います。また、万一の場合は、テレビを除却(受信料のかからない状態に)する覚悟です。

                          

資金前渡の対象に指定

 多くの自治体では、電気、ガス、水道などの公共料金は、資金前渡として資金前渡職員の口座に振り込み、その口座から自動引き落としとしています。しかし、自治令第161条第1項の各号を見ても、NHK受信料は該当せず、他の公共料金と同じ扱いにしようとすれば、第17号に基づいて、自治体の規則(財務規則等)で指定しなければなりません。

 先日、財務規則の改正手続を終え、NHK受信料を資金前渡の対象に加えました。


この制度改正をした理由

 この規則等の整備によって安くなる受信料は、年間わずか550円です。しかし、一度やっておけばずっと有効であること、年度をまたぐ契約を適正化すべきことから、実施しました。もっと大胆に、公金口座から直接自動引き落としを容認している自治体があることも承知していますが、違法っぽいので、次善の手法にしました。(このことについては、いずれ別稿で)
 「地方自治体の口座自動振替の可否」参照

 地方自治法もNHKも総務省の所管です。長期継続契約にしろ資金前渡にしろ、法律、政令でNHK受信料を初めから対象にしなかったことは、立法ミスのような気がしますが、自治体でできる改善は、今後も続けたいと思います。

 

〈参照条文〉

地方自治法

(長期継続契約)

234条の3 普通地方公共団体は、第214条の規定にかかわらず、翌年度以降にわたり、電気、ガス若しくは水の供給若しくは電気通信役務の提供を受ける契約又は不動産を借りる契約その他政令で定める契約を締結することができる。この場合においては、各年度におけるこれらの経費の予算の範囲内においてその給付を受けなければならない。

地方自治法施行令

(資金前渡)

161 次に掲げる経費については、当該普通地方公共団体の職員をして現金支払をさせるため、その資金を当該職員に前渡することができる。

1~(8)、(10)~(12)、(15)(16) 略

(9) 官公署に対して支払う経費

(13) 電気、ガス又は水の供給を受ける契約に基づき支払をする経費

(14) 電気通信役務の提供を受ける契約に基づき支払をする経費

(17) 前各号に掲げるもののほか、経費の性質上現金支払をさせなければ事務の取扱いに支障を及ぼすような経費で普通地方公共団体の規則で定めるもの

(長期継続契約を締結することができる契約)

167条の17 地方自治法第234条の3に規定する政令で定める契約は、翌年度以降にわたり物品を借り入れ又は役務の提供を受ける契約で、その契約の性質上翌年度以降にわたり契約を締結しなければ当該契約に係る事務の取扱いに支障を及ぼすようなもののうち、条例で定めるものとする。



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 Yahoo Japan のトップページに掲載される意識調査で、最近、喫煙に関するものが2件ほど連続して行われていました。

 一つは、飲食店の全面禁煙化、もう一つは、企業のたばこ休憩についてです。

店全面禁煙化 

 1127日から127日までの間に行われた「相次ぐ飲食店の全面禁煙化、あなたは賛成ですか?反対ですか?」という意識調査で、総投票数186,729票のうち、賛成が140,266票(75.1%)反対の41,403票(22.2%)を大幅に上回りました。

これだけ大差がつきました。私も、分煙などは全く不十分で、全面禁煙しかないと思います。分煙の店に行くと、禁煙席にいても、喫煙席からの煙が流れて来て、店全体がたばこ臭くなっています。同様に、時間帯によって全面禁煙という店も、禁煙時間帯でもたばこのにおいが残っています。国会の先生方の中で、どなたが反対しているのか、公表していただければと思います。


企業のたばこ休憩

 1129日から129日までの間に行われた「企業は就業時間中の従業員のたばこ休憩を制限するべきだと思いますか?」という質問で、総投票数122,455票のうち、禁止するべきが59,645票(48.7%)禁止するべきでないが29,735票(24.3%)回数などの制限をするべきが29,179票(23.8%)という結果でした。

 これは、もっと差が付くかと思いましたが、こんなものでしょうか?飲食店の全面禁煙化に反対の人と同じくらいの人が、禁止に反対しています。コメントを読むと、喫煙者ばかりが仕事中にさぼることに対して、不公平感を抱く人が多いようです。

 私は、勤務時間の公平性の問題よりも、受動喫煙を防止する目的から、全面禁止すべきだと思います。たばこ休憩から戻った職員の呼気には、かなり有害物質が含まれているようで、呼吸を禁止することができない以上、少なくとも始業30分ほど前からの喫煙は、禁止していただきたいところです。


公務員の場合は

 公務員については、従来、午前午後15分ずつ程度の有給の「休息時間」が与えられていました。この制度は、国家公務員については平成18年度に廃止され、その後、各自治体でも続々と廃止されて、平成20年ころにはほとんどの自治体で廃止されていました。休息時間が認められていた時代も、喫煙者は、それ以外の時間帯にも喫煙所(そのころは、庁舎内にあるのが一般的だった。)に行っていました。

 公務員が、就業中に喫煙所(今はほとんど建物の外の敷地内)に行っていい条例、規則上の根拠は、私には見つけられません。おそらく、トイレなどの生理現象と同視する無理な拡大解釈しかないだろうと思います。

 公務員喫煙者の自覚を待ちたいと思います。

 

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 「Me Too」という言葉が、脚光を浴びています。過去に性的被害、セクハラを受けたけれども沈黙していた女性たちが、次々に告発の声を上げ始めたことを象徴する言葉のようです。

 

 「Me Too」という言葉を聞くと、思い出すことがあります。

 一つは、岩崎宏美さんのアルバムにそんなタイトルのがあったなということ。もう一つが、失言が多かった森喜朗元首相に関するギャグです。いまだに時々オリンピック関係のニュースで登場するあの方です。

 

 クリントン大統領が九州・沖縄サミットに出席するために沖縄に来られる際、英語がチンプンカンプンの森総理のため、秘書官が事前に応対についてレクチャーした。 

秘書官「クリントン大統領が表れたら出迎えて、How are you?といって握手をしてください。きっとクリントン大統領はFine! Thank you,and you ?と答えると思います。そしたらMe too!と答えて下さい。後は黙ってニコニコしていてくだされば、我々がサポートします。」

ところが、実際にクリントン大統領がタラップを降りてきたとき、森総理は握手をしながら、うっかりWho are you? と言ってしまった。

クリントン大統領は、驚いたが、何かのジョークだと解釈し、それならジョークで返そうとして、Oh, I'm Hillary's husband.(私はヒラリーの夫です。)」と答えた。総理がすかさずMe too!と答えたところ、大統領の顔色が変わった。

その後の日米交渉は、日本にとって非常に厳しい内容になったとのこと。 今では、韓国の同じようなギャグを元ネタにしたマスコミ関係者の創作であったことが明らかになっているそうですが、当時は、「あの森総理ならさもありなん。」と、こんな馬鹿馬鹿しい話を真に受ける人が多かったようです。

 久しぶりに、昔のこんな話を思い出しました。

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 1213は、江戸では年末恒例の大掃除の日でした。煤掃きとか、煤払いといいます。当時は、かまど、囲炉裏など、家の中で火を焚いていたので、その煤が天井や梁に付着し、年に1度くらいは掃き落とさなければならなかったのです。

 そんな大変な作業でしたが、江戸の庶民は、それをイベントに変え、楽しんでいたようです。

 作業が終わり、一段落すると、商家などでは、参加者を順番に胴上げするという習わしがありました。その後には、御苦労さまの意味で、鯨汁がふるまわれました。普段はつましい生活をしている中で、御馳走だったのでしょう。

 

男性にとっては楽しみ 女性にとっては災難

 もっとも、胴上げを楽しみにしていたのは、男性ばかりのようで、女性にとっては災難だったようです。着物の下には下着など着けていないのですから、大変です。

 主人のおかみさんやお嫁さんに対してはあまり手荒なこともできなかったでしょうから、最大の標的になったのは、下女のようです。いくつかの川柳から、そんな情景が浮かんできます。

 「13日 柱から下女 引っぺがし」

 (嫌がって柱にしがみついている下女を引っぺがして胴上げする)

 「ひんまくれ などと番頭 声をかけ」

 (普段は上品そうな番頭さんが「ひんまくれ」などと・・・)

 「鯨汁 食い食い下女は 悔しがり」

 (さっきは、あんな恥ずかしい目にあわされた・・・) 

 今ならば、間違いなくセクハラで、雇い主や番頭も責任を問われ、賠償を支払わなければならないケースです。

 江戸時代は、今とは桁違いに男性本位の社会だったようです。

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 124日の報道で、国土交通省空き地空き家対策のニュースがありました。注目した人は、あまりいなかったようです。

 買い手を見つけるのが困難な物件の取引を市町村が仲介する制度を2018年にも新設するため、来年の通常国会に都市再生特別措置法の改正案を提出する方針とのことです。住環境の悪化を招く恐れがある空き物件を公園や商店として有効活用し、まちづくりを促すのが狙いとのこと。

 施策の必要性にはおおいに同感なのですが、報道されている範囲の施策では、有効性に疑問があり、また、国土交通省所管以外の課題への目配りがされていないような気がしています。土地に関する政策は、もっと抜本的に講じなければならないと思います。

 

外国人等による土地取得の制限が急務

 北海道や対馬など、一部の地域を除けば、まだ市街地ではそれほど目立っていないのかもしれませんが、外国人、外国資本による土地の買いあさりが問題になっています。安全保障上の問題を危惧する意見も聞かれます。

 水源地となっている山林や遊休農地なども、所有者が不明だったり放置したりしているケースが、非常に多いようです。

 外国人、外国資本に買いあさられないよう、何らかの対策を合わせて行うべきだと思います。

 

単なる「仲介」が機能するか?

 国土交通省がどのような具体的な事業を構想されているかは、報道では明らかでありませんが、市町村による仲介が実効を上げるのか、不安があります。

 市街地の遊休地の多くは、所有者が不動産業者に売却又は賃貸の仲介を依頼しても、活用できない土地です。プロの不動産業者ができていないことを、市町村が効果的に進める秘策を用意されているのでしょうか?

 

中間保有の制度が必要

 農地については、「農地保有合理化事業」、農地保有合理化法人などが遊休農地を買い取って欲しい人が現れるまで中間保有する制度が、ある程度効果を上げています。自治体や土地開発公社のような公的な法人によるこのような制度が、是非必要だと思います。

 所有者が亡くなって空き家になった家を相続人が売ろうとしても、なかなか売れません。必ず、それを欲しい人が現れるまでのタイムラグが生じ、投げ売りによる値崩れが生じたり、長期に遊休化したりします。

また、旧市街地のウナギの寝床のような個々の空き家、空き地では用途が限られていても、それらがいくつかまとまれば活用できるかもしれません。自治体等が再開発しようとしたときに、核として、又は代替地としても使える可能性もあります。

 

買取価格は相続税評価額等でもいい

 市町村等が買い取る価格は、相続税評価額か固定資産評価額でもいいと思います。

 一般に、土地は、相続税評価額は時価の8割、固定資産評価額は7割などと言われていますが、地方都市の旧市街地などでは、時価の方がずっと安い場合も多いようです。

 市町村が評価してその価格で課税している以上、自分が買取を要求されたときに高すぎると感じるような価格では、公正ではありません。

 

 このようにすれば、土地の価格を下支えすることになり、地方では依然として続いている地価下落に歯止めがかかるものと思います。
 また、時価を大幅に上回る評価額で固定資産税を課税しようとする自治体や、相続税を課税しようとする国税庁に対する歯止めにもなり、評価の適正を担保することになります。

 

 ぜひ、国土交通省の一部局の所管にとらわれない、根本的な対策を期待しています。こういう複数の省庁に関係する政策の音頭取り、立案は、政治家の皆さまの方が適任かもしれませんが・・・。

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