地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2017年12月

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 以前から違和感を持っていたのですが、先日のテレビで、ある自治体の幹部が、ある事業が遂行できなくなったことについて、事情説明の後、「結果して事業の実施を断念せざるを得ないことになりました。」と謝罪していました。

 「結果として」なら違和感はありませんが、「結果して」と言われると、違和感を覚えます。なぜ「と」を省くのでしょうか?

 この言い回しは、全国的なものかどうかは分かりませんが、私の住んでいる県の特に行政関係者の間では、しばしば聞かれます。私の記憶をたどると、職員団体(労働組合)の幹部や、その人たちとやり取りする立場の当局側幹部で、この言い回しをする人が多いように感じています。職員団体のオルグなどで、時々聞く言い回しです。努力したけれども様々な事情によりあまりいい結果にならなかった場合、自分たちの責任ではないことを表現するため、「結果して○○になりました。」というような用法です。

民間の友人や知人などからは、聞いた覚えがありません。

 

 「結果する」と言えば、植物、特に果物の実が実る場合だけ使うのが、普通の用法ではないでしょうか?

「我が家のサクランボは、去年は全く実を付けなかったが、今年はちゃんと『結果して』喜んでいる。」という用法は、ありそうです。普通の人は、「実がなって」とか言うことが多いでしょうが、この言い方も、特にプロの農家は使いそうな気がします。

 

 果物の実がなるのではなく、「成果が現れる」という意味なら、「結実する」の方が一般的でしょう。まして、成果を得られずに終わった場合などに、「結果して○○になった。」というのは、おかしいと思います。

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 あと数日で、公務員の期末勤勉手当の支給日です。

 昨年度から本格実施された人事評価制度により、その結果を反映した勤勉手当が支給されるはずです。多くの管理職の方々は、査定に悩まれたことだろうと思います。

 私もいくつかの点で、あらためて制度の不備を感じています。

 

人事評価の期間

 多くの自治体では、人事評価は、能力評価と業績評価の二つの区分で行います。

 評価の期間は、4月から翌3月までの1年間としている場合と、9月末でも区切って半年ずつとしている場合があります。1年間としている場合も、9月末までを対象に、10月頃に中間評価を行うのが一般的です。

 12月の勤勉手当の算定には、「職員の期末手当及び勤勉手当に関する規則」により直近の評価が使われるので、10月頃に行われた4月から9月までの評価が反映される場合が多いと思います。

 1月の昇給には、「職員の初任給、昇格、昇給等の基準に関する規則」により直近2回分の評価を使うことが一般的なので、前年度の10月から3月までの評価と、当年度の4月から9月までの評価を反映させる場合が多いと思います。

 

勤勉手当への人事評価の反映

 ほとんどの自治体で、平成28年度末までに「職員の期末手当及び勤勉手当に関する規則」が改正され、勤勉手当の算定基礎とする勤勉率が人事評価の結果に基づくことが明記されました。

 従来から、職員を「特に優秀な職員」「優秀な職員」「良好な職員」「良好でない職員」に分け、それぞれランクで勤勉率に差を設けてありました。改正により、これが人事評価のうちの業績評価に基づくべきことが明記され、また、メリハリを付けるために差を少し広げた自治体が多かったと思います。

 大多数の職員は「良好な職員」に区分され、「特に優秀」は最上位の5%程度、「優秀」は上位の25%程度です。「良好でない」に区分されるのは、基準日(121日)前6か月に懲戒処分を受けた職員一定以上休みが多かった職員のほか、成績が特に悪い職員であり、小さい自治体では該当者なしということもあると思います。

 国の制度に習い、「良好な職員」を基準にすると、おおまかに言って、「特に優秀な職員」は2割くらい、「優秀な職員」は1割くらい勤勉手当を多く、「良好でない職員」は1割以上少なく設定されている自治体が多いと思います。

 

昇給への反映

 人事評価により、一般的には、職員を勤務成績が「極めて良好」「良好」「普通」「やや良好でない」「良好でない」の4段階に区分します。

 「普通」の職員は、1月1日に4号給(5級以上の職員は3号給)定期昇給するところ、「極めて良好」は8号給以上、「良好」は6号給、「やや良好でない」は2号給、「良好でない」は昇給なしになります。ひどい成績の場合は、降給、降格もあります。

 

同じ人ばかりでいいか?

 純粋に業績などを評価すれば、6月に他より高率の勤勉手当を受けた人が、12月にも同様の可能性が高く、1月の昇給も同様です。民間を見れば、その程度の差がついても当然かもしれませんが、今までほとんど差を付けずに運用していた自治体が多いと思われるので、あまり差が付きすぎることを危惧する管理職も多いと思います。去年優秀だった人は今年も優秀である可能性が高く、何年か続くと、大きな差になるでしょう。

 表立っては言えないでしょうが、実質的には、同じ人を続けないようなさじ加減をする自治体もあるような気がしています。

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 第1章 倫理観を揺さぶる思考実験

 第2章 矛盾が絡みつくパラドックス

 第3章 数字と現実の不一致を味わう思考実験

 第4章 不条理な世の中を生き抜くための思考実験

 

 各章に6から12のクイズ、思考実験が納められています。

 第1章は、それぞれのケースにおける標準的な反応から、我々の倫理観の一般的な傾向を分析しています。例えば、積極的義務(人を助けなければならない)消極的義務(自分の行為によって人を害してはならない)が競合した場合、人は消極的義務の方に重きを置いて行動しがちであることなどです。5人を助けるためであっても、その自分の行為が1人を死なせてしまうなら、やらないということです。なるほどと納得させられました。

 

 私が最もおもしろかったのは、第3章です。

 あることが起こる可能性について、我々が普通に予測する確率と実際の確率が異なることが、多くの例で解説されています。

 ABC3つのうち1つが当たりであるくじで、私がAを選んでいたとして、途中でCが外れだと判明したとき、選択をBに変更してもいいと言われたら変更した方がいいか、そのままにしておいても同じか。

 私は、初めはABCともそれぞれ3分の1ずつの確率で、Bが外れだと分かった時点でAとCが2分の1ずつの確率になったのだから、変更してもしなくても同じ事だろ考えました。しかし、実際の確率は、そうではなかったのです。

 一読しただけでは理解できず、もう一度読み返して、ようやく理解できました。アメリカで大論争になった問題で、多くの数学者も私と同じ勘違いをしていたそうです。

 

 題名にあるように、論理的思考力が鍛えられたかどうかは分かりませんが、結構楽しめました。

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 熊本市の市議会議員が、生後7か月の我が子を抱いて議会に出席しようとして止められたことが議論されています。両方の意見が出尽くしていると思うので、この件について、議論に加わる気はありません。

 一般職員の子連れ出勤について、現役の都道府県、市町村職員の皆様に、考えていただきたいことがあり、それを述べさせていただきます。

 

災害時の緊急登庁

 多くの自治体では、夜間や休日などに災害が発生した場合の職員の登庁を義務付けています。例えば、管内で震度4の地震があったら課で1人か2人、震度5ならプラスアルファ、震度6なら全員登庁という具合です。

職員が子供の面倒を見ているときに災害が発生したら、どうせればいいのでしょうか?

他の家族に任せて登庁できれば、何も問題ありませんが、それができない状況だった場合は困ったことになります。夫婦とも職場に駆けつけなければならない立場だったり、他の家族がいなかったりした場合などは、どうしたらいいのでしょう?

 

災害時は、子連れ、家族同伴登庁を容認すべし

結論から言うと、やむを得ない場合は、子供や家族同伴の緊急登庁を認め、その旨を災害時の対応マニュアルに書き込んで周知しておくべきだと思います。

庁舎の近くにアパートを借りて住んでいる若い子連れ夫婦を想定してください。津波の心配があれば、まず家族を安全な場所に避難させてからでなければ、登庁は困難でしょう。庁舎は、おそらく津波にも耐えられる場合が多いと思いますので、このような場合は、家族同伴で登庁するのが、最も早く駆けつけられ、安心して仕事に専念できると思います。

実は、我が家でも下の子がまだ小さいころ、土曜日に災害があり、私も妻も職場に行かなければならないことがありました。やむを得ず、普段から親しくしている向かいの御家族に子供を頼みました。

当時は、東日本大震災の前で、津波のことはあまり真剣に心配しませんでした。今、津波を想定すれば、向かいの家族に頼むことも困難だと思います。

 

災害発生時に、職員が一刻も早く参集でき、家族の心配をせずに災害対応に当れるよう、責任ある立場の方に御一考いただければと思います。

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