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一週間ほど前、日本大学アメフト部の事件について、スポーツ庁が調査に入る意向であることが報じられていました。これだけの騒動に発展してしまったので、スポーツ庁としても何かしなければならないと思ったのでしょうが、私は、少し違和感を覚えました。
スポーツ庁の出番なのか?
問題になっているのは、一大学の部のことであり、関東学生連盟などの競技団体が調査を行い、先日、それに基づく処分を発表したところです。スポーツ庁長官が聴き取り調査等を行う意向を表明した時点では、関東学生連盟は調査に着手したか、着手寸前の段階だったと思います。まずは、競技団体による自浄作用を見守るのが、役所と民間団体の関係の基本的なルールだと思います。屋上屋を重ねる必要はなく、万一異なる結論など出そうものなら、混乱に拍車をかけてしまうので、そんなことはできないでしょう。
まして、警察の捜査も入るはずであり、スポーツ庁が別個に調査する意味があるのか、疑問です。
文部科学省高等教育局が出るべきでは?
私は、外局のスポーツ庁ではなく、大学の認可、監督、補助金などを所管している文部科学本省の高等教育局が動くべきだと思います。
報道によると、この事件が炎上した後に開催された法人の理事会、評議委員会でも、事件について全く議論がされなかったとのことです。法人を管理運営すべき機関、それを監視すべき機関が役割を果たしていないことは、明らかです。
また、理事長が暴力団と交際があったとか、権限が集中していて誰も何も言えないなどの問題も報じられています。学問の府の理事会で、頭の中まで筋肉が詰まっているような運動部関係者ばかりが幅を利かせていることに一般の人は驚いているでしょう。日大とはいえ、運動部に所属していない一般学生の方が多いと思うのですが。
私は、県職員時代、学校法人と一般的な公益法人はちょっとだけ、社会福祉法人はかなり濃密に、監督指導関係の仕事を経験しました。私の感覚からは、日大のこの現状で、監督官庁が動こうとしないとすれば、変に感じます。理事会の中の文科省OBとかを通じて、動かないでくれとか頼まれているのでしょうか?
この騒動を収めるには、大学の理事会が適切に行動する必要があります。理事会、評議委員会の動きが悪ければ、監督官庁の出番です。期待しています。