地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2018年06月

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 自民党の二階幹事長の最近の二つの発言が話題を呼んでいます。

 私は、その一つには反発を感じ、もう一つには共感を覚えています。

 

安倍三選発言には反発

 6月26日に「安倍政権への支持は、全体の流れになっている。もう間違いはない。」と述べ、自民党総裁選挙に安倍首相が立候補すれば、三選は確実だという認識を示したと報じられました。たしかに自民党内の雰囲気はそうかもしれず、また、三選の流れを固めてしまいたいという思惑もあるのでしょうが、国民をないがしろにしていると思います。

 森友、加計では、疑惑がますます深まり、限りなく黒に近い灰色の状態で、佐川氏、加計氏、安倍夫人などの証人喚問も拒否して真相を明らかにして説明責任を果たそうという意欲が全く見えない中で、言うべき言葉ではありません。

 

人口問題発言には一部共感

 同じく6月26日、二階幹事長は、政治評論家との対談で聴衆の質問に答える中で、「この頃、子どもを産まない方が幸せに(生活が)送れるのではないかと勝手なことを考えて(いる人がいる)」と述べたとのこと。

今までの例から、こんなことを言えば不適切との指摘を受ける可能性があることは承知の上の確信犯でしょう。以前、別の自民党議員が、「結婚披露宴に出席した際には新郎新婦に3人以上子供を産み育ててほしいと申し上げている。」等と発言して謝罪に追い込まれたこともありました。

今の少子化は深刻です。この人口減少により、日本という国の国力の維持はもちろん、社会の維持までもが危ぶまれている状況です。なるべく結婚し、子供を産み育ててほしいと願うのは、政治家として当然のことだと思います。その点で、あえてバッシングされそうな発言をし、議論を起こそうとしたことには、共感します。言い方には問題があるでしょうが・・・。

彼らは政治家ですから、安心して子供を産み育てることができる社会にすることも彼らの仕事です。それをおろそかにしてはなりませんが、それと並行して人々にお願いする、多少のプレッシャーをかけても、悪いこととは思えません。

少子化の問題は、最優先に解決すべき課題だと思います。

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 国会では、健康増進法の改正、主には受動喫煙防止対策についての議論が行われています。この改正については、飲食店内は原則禁煙にする当初の厚生労働省案に自民党が反対し、その妥協案として、客席面積が100平方メートル以下の店を例外とするなどの経過措置が設けられた政府の現改正案が出されたものです。

がん患者らが「骨抜きにされた」と批判している中、火に油を注ごうとした自民党議員がいたようです。

 615日、受動喫煙対策を審議している衆議院厚生労働委員会で、参考人として招かれた肺がん患者が意見を述べているとき、自民党のある議員が再三「いい加減にしろ!」とやじを飛ばしたとのことです。

 

何が起こったか

この参考人は、日本肺がん患者連絡会理事長で、自らもステージ4の肺がん患者である長谷川一男氏です。病気のために折れやすくなっている骨を守るためのコルセットを外しながら、受動喫煙による被害の実態を必死で訴え、その後の質疑で、屋外での喫煙に対する考え方を質問され、それに答えていました。

「原則としては屋外でもなるべく吸ってほしくないというのが肺がん患者の気持ちではある。」としたうえで、「やはり喫煙者の方がどこも吸うところがないじゃないかとおっしゃるのもすごくよくわかります。」と喫煙者にも配慮した答弁をされました。

その時、議員席から「いい加減にしろ!」とやじが飛んだそうです。

長谷川氏は、何が起こったか分からないまま、当面は屋外喫煙所を整備し、いずれはそれもなくしていくことを個人的には望む旨、発言を続けられました。すると、再び同じ議員が「いい加減にしろ!」とやじを飛ばしたとのことです。

 

訳が分からない

 特に最初のやじのタイミングが、意味不明です。参考人が喫煙者の立場に理解を示した発言wをされた直後です。この議員は喫煙者とのことで、理解など示す必要がないという意味ではないようです。

 こんな穏やかな意見に暴言を吐く行為は、理解に苦しみます。

 

議員の資質に疑問符

この暴言は各マスコミで報じられ、嫌煙派はもちろん、喫煙者からも非難を受けています。喫煙者の評判を落としてしまう行為であり、当然でしょう。

ユーモアのあるやじもありますが、ユーモアもなく品もないやじなどは、ただでさえ見苦しい行為なのに、病気で苦しむ中わざわざ来ていただいた民間人にやじを飛ばすのは、とんでもないことです。

この議員は、公式サイトで「喫煙者を必要以上に差別すべきではないという想いで呟いたものです。」と弁解しつつ、「ご関係の皆様に不快な思いを与えたとすれば、心からの反省と共に深くお詫び申し上げる次第でございます。」と謝罪しています。

失敗したという後悔は感じられますが、悪いことをしたという反省は全く伝わりません。まず、参考人の発言は、喫煙者を差別するものでは全くないことは明らかです。弁解になっておらず、責任を参考人に転嫁する意図を感じます。

謝罪も、「不快な思いを与えたとすれば」という条件付きです。不快な思いを与えるに決まっている言葉を相手に投げつけるのは、相手を不快にさせようとしての行為でしょう。「不快な思いを与えたとすれば」などと条件を付けての謝罪は、ナンセンスです。

 

病気の苦しみの中、わざわざ来て切れた参考人に対して無礼なやじを飛ばす品性、こんなやじを飛ばせば非難が集中することを予測できない知性議員としての資質が問われています。本来は自民党が除名処分議員辞職勧告をすべきでしょう。それをしなければ、自民党全体も同質の人間の集まりと思われてしまいます。


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 今の日本の社会は、貪欲に面白い話題を求めています。テレビ各社が視聴率を競い、各週刊誌が発行部数を競っていることも原因なのでしょう。

 生活していくので精一杯の人、自分や家族に深刻な心配事を抱えている人などは、自分に直接関係のないことに関心を持つゆとりはないでしょうから、そこそこ幸せな生活を送っている人が多いのだろうと思います。

 

あまりにも飽きやすい!

 どんなに面白い話題も、ネタが尽きると飽きてしまいます。何も決着しなくても、興味を失ってしまう場合も多いようです。

 森友、加計問題などは、人々が興味を失いかけると新たなネタが供給され、長持ちしています。しかし、最近、ネタ切れになったわけでもないのに、「いつまでモリカケばかりやっているんだ!」無理矢理終息させようとする意見も目立つようになりました。疑惑がますます深まり、何も解決していないにもかかわらずです。

 日大アメフト部の問題についても、坂上忍さんが「バイキング」で追及を続けることについて、「しつこい」とか批判が出ているようです。私もあの方の独善的な言動には、「何様?」と思うこともありますが、この問題は中途半端に追及を緩めてはいけないと思います。

 銀座の公立小学校のアルマーニの制服問題も、結局逃げ切られたようです。あの非常識な価格の制服はそのまま採用され、あんな問題を起こした校長ものうのうと過ごしているのでしょう。

 

江戸の社会は?

 江戸の川柳などを読んでいると、一つの事件がずっと語り続けられているようです。

 あまり面白い事件がなかったのか、心中事件、仇討ち事件などがあると何年も関心の的になり、芝居まで作られたりしました。

 現代社会は、次々にいろいろなことが起り過ぎるのでしょう。

 

逃げ切りを許したくない!

 森友、加計の問題は、官僚が国民や国家に忠誠を尽くさず、政治家に対して忠誠を尽くしてしまった問題です。不適正な忖度をした官僚も悪いのはもちろんですが、そんなことをさせた政治家も罰を受けなければ、また同じような問題が繰り返されます。

 日大は、大学の体制自体に暗黒の部分があるようです。そんな体制を続けさせては同大学の学生、卒業生、職員が気の毒です。

 私は、しつこく見守り続けたいと思います。


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 政界では、しばしば学歴詐称が問題になります。今は、小池東京都知事について、カイロ大学を首席で卒業したという経歴が虚偽ではないかと騒がれています。大学に問い合わせればすぐに分かりそうですが、プライバシーが大切にされるようになり、本人以外が真否を確認することは困難なようです。

 

安倍首相の疑惑

 今はうやむやのまま終息しましたが、かつて、安倍首相も学歴詐称の疑惑が持たれました。

 首相のかつての公式ホームページには、1977年「成蹊大学法学部政治学科卒業、引き続いて南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学」、1979年「株式会社神戸製鋼所入社」と記載されていたそうです。それについて疑惑が報じられ、野党が調査を始めたところ、公式ホームページから南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学という海外での経験が一切削除されました。

 週刊ポストの調べによると、首相は、1978年の春期、夏期、秋期のみ同大学に在籍し、その間、専攻はまだなく、取得したコース(講座)は全部で6つ、そのうち3つは「外国人のための英語」で、政治学関係の履修はなかったとのことです。日本で語学学校に通うのと同じようなもので、まさに「遊学」というにふさわしいですね。

 

与野党とも脛に傷

 麻生副総理も負けてはいません。かつての公式ホームページには、スタンフォード大学大学院とかロンドン大学政治経済学院に留学といった麗々しい学歴が記載されていたのが、今は削除されているとのこと。

 与野党とも海外大学への留学経験を誇示されている議員さんは、他にもいます。特に、世襲の議員に多い気もします。怪しげな経歴も混じっているかもしれません。野党には、国籍についての疑惑まで持たれている議員さんまでいます。

 ブーメランが怖いので、与野党ともお互いに追及を避けているように見えます。

 

うやむやのままでいいのか?

 純朴な有権者は、海外大学の留学経験などを示されれば、頭のいい優秀な人だと思って投票するでしょう。実は漢字もろくに読めない程度の学力の人だなどと考えるはずがありません。当選を重ねて政治家としての基盤ができてから、何食わぬ顔で盛った経歴を削除して頬っかむりする、いずれ世間は忘れる、そんなことが横行しているようです。

 日本人の忘れっぽさもあるのでしょう。

 そんなことを許さない公職選挙法に改正していただきたいと思います。


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 現在、総務省が、全国の地方公共団体に非正規職員(非常勤職員、嘱託員等)の現状と今後の方向性について、調査をしています。これは、約2年後に施行される地方公務員法等の改正で、会計年度任用職員などの制度が創設されるとともに、特別職の範囲が限定されて、現在「非常勤嘱託員」「再雇用嘱託職員」等の呼称で特別職として雇用されている人たちについて、そのような雇用ができなくなることに伴うものです。状況を把握するとともに、地方公共団体に早期の検討を促す意図だろうと思います。

 

一般的な「非常勤職員」の勤務時間

 多くの地方公共団体の退職手当条例では、正規職員でなくても、それと同じ勤務時間で6か月を超えて雇用されている場合、退職手当が支給されることになっています。その場合、雇用保険の対象から外れてしまうので、6か月以上継続して雇用する非正規職員は、勤務時間を正規職員より少し短くし、雇用保険の対象にしているのが一般的だと思います。

 正規の地方公務員の勤務時間は、8時30分から1715分までの1日7時間45分(465分)がほとんどです。社会保険(健康保険、厚生年金保険)の対象となる労働者は、その事業所の常勤職員の4分の3以上の勤務時間の職員です。だから、社会保険に加入させるため、非常勤職員の勤務時間を465分のぎりぎり4分の3以上になる350(5時間50分、例えば昼休み1時間を挟んで9時10分から16時まで等)としている団体が多いようです。

これなら、雇用保険、社会保険の対象者となり、退職手当は対象外になります。

 

制度移行後は

 制度移行後は、現在の多くの非常勤職員は、会計年度任用職員に移行することになると思いますが、勤務時間は現行通りとし、社会保険、雇用保険の適用も従来通りとする地方公共団体が多いと思います。

 今回の総務省調査には、雇い止めに関する質問項目もありました。

 私の現在所属している小規模自治体も、現在は5年を雇用の上限として、雇い止めを行っています。今後のことは、決めかねているところです。県や近隣の市町村の状況を注視しながら、決めていくことになるでしょうが、現状通りとする自治体が多いような気がしています。

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