地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2018年07月

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 オウム真理教事件で死刑判決を受けていた13人について、7月6日に7人、同月26日に残りの6人と、全員について1か月の間に死刑が執行されました。そのことが、国際的にも非難を浴び、論議を呼んでいます。

 私も、多くの日本人と同様、死刑制度存続はやむを得ないと考えていたのですが、最近、その考えが揺らいでいます。

 

今回の死刑の是非と死刑制度そのものの是非は別

 今回の死刑について、麻原教祖への執行について反対する人は少ないでしょう。私も当然だと思います。しかし、他の信者は、麻原に騙された犠牲者です。世間知らずの純粋な若者が騙されて凶悪犯罪に走ってしまい、洗脳が解けて、真摯に後悔している人たちも多くいました。彼らに対しては、私は、同情を禁じえません。

 被害者の遺族等の感情に配慮すればやむを得なかったかもしれませんが、彼らに対する死刑が妥当だったか、私には疑問です。

 

死刑制度容認論

 私が死刑制度の存続を支持していた理由は、主に次の二つです。

 第一に、犯罪抑止効果です。死刑が恐ろしいから殺人を思いとどまるケースがありうることは否定できないでしょう。善良な人が殺されることを一人でも防げるなら、殺人者など何人でも死刑にすべきだと考えていました。

 もう一つは、被害者遺族の感情です。犯人が死刑になることで多少とも慰めになるなら、死刑もやむを得ないかもしれません。

 

死刑制度容認論への疑問

 私が、死刑制度存続を支持していた理由の中には、現行の刑罰制度を無意識のうちに前提にしてしまっていた部分もありました。死刑にならなければ無期懲役で、真面目に服していれば20年くらいで仮出所の可能性もある現行制度です。これは、甘すぎると思います。凶悪犯罪には、無期ではなく、仮出所などのない終身刑として、一生刑務所の中で反省、後悔、贖罪のための労働の日々を送ってもらうべきだと思います。

 もし、死刑の代わりが、無期懲役ではなく、終身懲役だったらどうでしょう?

 犯罪抑止効果も、死刑と比較して、どちらが高いか微妙です。大量無差別殺人などの犯人の中には、死刑になることを望んでいたり、死刑を何とも思わなかったりという連中もいるようです。彼らには、むしろ、一生刑務所で不自由な暮らしを続けることを想像するほうが、抑止効果があるかもしれません。

 

 被害者の処罰感情への配慮という点では、死刑制度の方に分があると思いますが、それでも終身刑となると、無期懲役と比べると、かなり差は縮減すると思います。

 

 一方、死刑制度を存続させた場合の問題点として、えん罪の可能性死刑執行に関与させられることになる裁判員、裁判官、刑務官、法務大臣等の心の傷などがあります。何も心に傷を負わない人もいるかもしれませんが、一般的には一生残る傷になるでしょう。えん罪だった場合は、死刑を執行してしまえば取り返しがつきません。過去の死刑囚の中にも、そんな可能性のある人はいるでしょう。

 

 私などが迷っても仕方がないことであることは承知していますが、考えてしまいます。
 また、死刑制度の存否とは切り離しても、終身刑の導入は早急に検討すべきだと思います。


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 妻も1年程前にスマートフォンに切り替え、独立した子供たちも含めて、家族全員がスマートフォンになり、連絡手段が、メールからLINEに替わりました。その結果、メールの利用が激減し、受信するメールは、ほとんどが迷惑メール、詐欺メールになりました。

 

 詐欺メール(と思われるメール。私自身はそんなメールに応答したことはないので、本当に詐欺メールかどうかは厳密には不明)には、様々なパターンがあります。

 大金が当たったので受け取る手続をしてほしいというもの、訳のわからない代金を請求して支払がなければ訴訟を起こすというもの、寂しい女性のお相手をすれば報酬がもらえるというもの、あるいは、知人を装って返信させようとするものなどです。

 

 迷惑メールフィルターで、私が登録していない相手先からのメールは拒否する設定があることは承知しています。しかし、今はまだ、職場の関係で、私のアドレスが緊急連絡先になっていたりするので、それはできません。今の仕事を引退したら、そのフィルターをかけようと思っています。

 

 それにしても、なぜ、あのような詐欺メールがいつまでも野放しになっているのでしょう?取り締まろうと思えば、取り締まれるはずだと思います。

 捜査員が、自分や家族のところに届くメールで詐欺メールらしいものに返信し、実際に詐欺メールだったら片っ端から摘発すればいいだけだと思うのですが・・・。

 中国などのサイトから発信されているものも多く、面倒な部分もあるかもしれませんが、捜査協力を依頼すれば少しは応じてくれるでしょう。中国も、いつまでも詐欺国家、犯罪国家だと思われ続けるのは不本意でしょうから。

 

 取締りについて、法律的に困難な点があるのであれば、立法的に解決すればいいのです。カジノ法や参議院の議員定数を増やす法律などを成立させるより、よほど国民のためになると思います。

 また、メールの料金についても、発信する料金を大幅に引き上げ、受信については無料にできないものでしょうか?今はメールを配信するコストが安すぎるため、いろいろな問題が起きているようですから。


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 しばらく鳴りを潜めて嵐が過ぎるのを待っていた日大の悪者軍団が、うごめきだしているようです。2つの動きが報じられています。

 

内田前監督らが除名処分に異議申立て

悪質な反則を指示したとして関東学生連盟から除名処分を受けた内田正人前監督と井上奨前コーチが、処分を不服として近く異議申立てをすることが関係者への取材で分かったとの報道です。資格剥奪とされた森琢前ヘッドコーチが異議を申し立てるらしいことは以前から報じられていましたが、御本尊までとは驚きです。

あれだけの選手が証言し、映像や音声でも前監督が指示していたことが明らかなのに、何を主張しようとしているのでしょうか?アメフト界に復帰できると思っているのでしょうか?法人から解雇されないための時間稼ぎなのでしょうか?せめて引き際だけは、潔くしていただきたかったのですが、ダメだったようです。

 

理事長が報復人事を発令

 文春オンラインによると、日大関係者の話として、「日大の34ある体育会の運動部の中で、最近になって2人の部長がクビになりました。田中理事長の辞任を求める日大教職員組合の要望書に賛同し、署名したことが原因だと見られています。」とのことです。

日大本部直属の保健体育審議会の事務局から、部長職を解任する旨の通告が2人に対して7月上旬にあったそうです。

 理解できないのは、7月下旬にも第三者委員会の報告が予定される中で、なぜこのような動きをしたかということです。報告が出された後では報復もできないので、今のうちにやっておこうなどという幼稚な考えとは思えません。何か思惑があるのでしょう。

 

理事会、評議員会は何をしている!

 内田前監督らの個人的な動きはやむを得ないかもしれませんが、この報復人事のようなことは、大学の評判をさらに貶めるものです。理事会のメンバーなどは、何をしているのでしょう。第三者委員会の中間報告でも、あの悪質行為は内田前監督の指示であったことを認定し、大学としても関東学生連盟への文書の中でその事実を認めている以上、内田前監督を解任(懲戒解雇)すべきなのに、それもせず、何をしているのでしょう。

 

 この体たらくでは、第三者委員会の最終報告後の文部科学省の対応に期待するしかないのでしょうか?数年前に、田中理事長の暴力団との交際が問題となったときのように、いつのまにかうやむやにするような対応は、今回は許されないでしょう。

 文春はじめ、マスコミにも期待しています。


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 元総理大臣秘書官柳瀬経済産業審議官退任させられることになったという報道です。柳瀬元総理大臣秘書官は、加計学園の獣医学部新設をめぐって3年前に愛媛県の担当者らが総理大臣官邸を訪問した際に面会し、「首相案件」と説明していたなどとして、国会に参考人として招致され、「記憶にない。」を繰り返した人です。

経済産業省では、通商政策の体制を一段と強化する一環で、加計学園の問題とは関係ないと説明しているようですが、さすがに信じる人はいないでしょう。

 

 彼も、加計学園の問題さえ火が点かなければ、官邸が事務次官にしてくれるだろうと考えていたと思います。彼の場合は、佐川前国税庁長官とは異なり、国会での偽証の疑い以外は明白に悪いことをした形跡がないようですが、加計学園をひいきした不公平な対応をしたことは明らかです。ここで身を引くことは、やむを得ないでしょう。

 

 結局、一番悪い連中は安泰で、その手先として働かされる羽目になった公務員ばかりが貧乏くじを引かされています。私も、彼の立場だったら首相の意向に従わずに突っぱねられたかと問われると、あまり自信がありません。彼には、多少の同情を感じます。

 彼の場合は、今の状況ならば、退職金も満額もらえ、人もうらやむ天下り先も用意されるでしょうが、偽証罪に問われる心配もあります。

 彼が安倍首相の指示などを受けていたとすれば、首相のアキレス腱を握っていることになります。現政権の意向に沿って動いているうちは安泰かもしれませんが、私のような気の弱い人間なら、安眠できないかもしれません。いっそのこと、知っていることを全て明らかにしてしまったほうが、いいのではないでしょうか?


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アメリカのNBCテレビが報じたところによると、CIAなどの分析によれば、北朝鮮が複数の秘密施設で濃縮ウランの生産を継続しているとのことです。

 つまり、金正恩が韓国や米国に対して融和姿勢を示し、韓国の文大統領と南北首脳会談を盛り上げ、アメリカのトランプ大統領と史上初の米朝首脳会談を行っていた時にも、核燃料が増産され続けていたことになります。

この報道は、かなり多数の情報機関職員からのリークに基づくものであり、情報機関職員のトランプ大統領の対応に対する不信感、不満が、リークという形になったようです。これらの情報をトランプ大統領は当然承知しており、その上でなお、楽観的な見通しを振りまいているようです。選挙目当てに、いかにも物事がうまく進んでいるように装っているということなのでしょう。

 

政権ではなく国家に忠実な公務員の姿

選挙のために国益を損なう言動を続けるトップに対し、国家に忠誠を誓った公務員がどのように振る舞うべきか、参考にすべき一つの例だと思います。

トップが国民に伝えるべき情報を伝えず、国民の判断を誤らせようとしているとき、そのことを知る公務員は国民に正しい情報を伝えるためにリークすることも愛国心の発露でしょう。

 

日本の公務員も負けていない

 日本の公務員は、一般的に組織の利益を優先しがちな傾向にあるとは感じますが、それでもちゃんと国民のためにリークする職員はおられるようです。

 森友、加計問題、自衛隊の日報の問題政権が不都合なことを隠そうとし、上級の公務員がそれに追随、忖度しても、ちゃんと正しい情報はどこからか出てきました。それは、愛国心、正義感のある公務員が組織のあちらこちらに存在しているということだろうと思います。

 私もまだ公務員の端くれですが、そのような公務員組織であり続けたいと願っています。


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