地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2018年09月

   サイト案内(目次)

 経産省が今年3月に公文書管理のガイドラインについて職員に説明した内部文書で、記録は「『いつ、誰と、何の打ち合わせ』かが分かればよく、議事録のように個別の発言まで記録する必要はない」などと記載されていたことが報じられています。

公文書管理法では、行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程などを合理的に跡付け、検証することができるように文書を作成しなければならないとしています。マスコミや野党は、経産省のやり方は、この法の趣旨を骨抜きにするものだと反発していますが、世耕経済産業大臣は「運用上の問題はない」との認識を示しています。

 

 私も、経産省の対応は、問題が大きいと思います。かつての私自身を含め、地方自治体でも似たような対応をした例はありますが、それとは、動機などが大きく異なります。

 

ある県の教育委員会の対応例

 県の教育委員会では、教育委員会の議事録について、かつては、どの委員がどういう発言をしたか、記録していました。しかし、教科書の採択について様々な団体からの圧力があるようになり、委員の発言によって委員または委員の属する会社等が不利益を被る可能性が生じました。また、職員の懲戒処分に関する議案も、発言によっては関係者の恨みを買う可能性があります。

 それらを考慮して、ある時期から、発言の内容については議事録に残すものの、どの委員が発言したかについては記録を残さないことにしました。記録を残すと、公開する際に黒塗りにしても、最終的に公開されてしまう可能性があるからです。

 私は、この対応は、委員会での自由な発言を保障するための正当なものだと今も思っています。

 

経産省内部文書の問題点

 経産省の文書のように、おおざっぱに「個別の発言まで記録する必要はない」と言ってしまうと、悪用が生じたり、公文書として保管する文書と本音の文書のような二重の管理を生んだりする可能性があります。

 例えば、政治家とある政策について意見交換をした場合、上司や関係者にその微妙なニュアンスまで伝えるには、誰がどういう言い方をしたか再現することが一番効果的です。こんな場合、公文書として保管するものとは別のメモを上司への説明用に作成したくなります。忖度も生じます。
 経産省の職員への指導は、政権、政治家に尻尾を振っているようでみっともないと感じるのは、私だけでしょうか?政治家からの働きかけは、特に詳細に記録に残すことは公務員の常識です。

 

 公文書の作成、管理については、もっと緻密に検討し、よい方策を探していただきたいと思います。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 参加しています。




   サイト案内(目次)

 副題: 役場職員が見た原発避難と震災復興

福島県内の市町村職員の自主的な交流・学習会が、福島大学大学院の自治体政策研究会と合流し、活動を続けてきました。本書は、そのグループが編集したものです。4人の市町村職員がそれぞれ原発事故の際の体験を綴り、福島大学の今井教授がそれを総括しています。

市町村の職員が、国や県、東京電力からほとんど情報が来ない中、住民を守るため死に物狂いで対応し、物事を決断していたか、生々しく綴られています。

 

自治体職員のテキストに

 災害が発生すれば、役場職員は住民を避難させ、避難生活を支援しなければなりません。あらかじめ想定していたように事態が進展すればいいですが、大抵は想定していなかった事態が発生します。限られた情報の中で、想定外の事態にどう対処するか、日ごろからイメージトレーニングをしておくべきだと思います。

 本書は、役場自体が域外への避難を余儀なくされた富岡町、市が避難指示区域と何も指示がない区域等に分断された南相馬市、楢葉町からの大量の避難者を受け入れた会津美里町、庁舎が全壊した国見町の職員が、それぞれ体験を綴っています。

 イメージトレーニングの格好の材料を提供してくれます。

 

 また、日ごろのどのような活動がいざというときに役立つか、参考になります。友好自治体として住民や職員を派遣しあい、さらに住民相互の親近感を醸成しておくことの大切さが分かります。

 災害時には、自治体職員の全員が災害対応を行うことになります。災害担当部局の方だけでなく、他の職員の方も読んで、模擬体験しておくべきかと思います。

 それにしても、原子力発電は、コリゴリですね。一日も早い全廃を夢見ています。


InkedIMG_1278_LI


   サイト案内(目次)

 住宅街などでは、何のために歩道が作られているのか分からないような歩道がしばしば見られます。わずか1メートルほどの幅しかない歩道に街路樹が植えられていたり、電柱が立てられていたりします。歩きにくいため、歩行者は車道を歩いています。

 このような「歩道」を見ると、道路管理者や、その歩道を設計した担当者などは、何を考えているんだろうと思います。歩行者が支障なくすれ違える程度の幅員を確保できない歩道に、植栽などはすべきではありません。

 

道路構造令の再考を

 道路構造令の改正などで、一定以上の道路には植樹帯の設置が義務付けられ、それ以外の道路にも植樹桝(植樹帯のように連続せず、ところどころにブロックで区画した植樹用のスペース)が奨励されています。たしかに、十分な余裕のある歩道で、手入れの行き届いた緑化が行われていれば快適でしょうが、そうでない場合は、歩きにくいので歩行者が車道を歩くことになり、危険を作り出しています。

傘を差した歩行者が支障なくすれ違うには、2メートルくらいは必要です。2メートルの幅員を確保できない歩道に、植栽することは危険です。

また、植樹桝は、歩道の有効幅員を犯していないと整理されていますが、とんでもない誤解です。十分な幅員がないのに植樹桝が設置されてさらに狭くなっている歩道は、歩きにくいため、歩行者は車道を歩いています。

2メートル以下の高さのところに枝が張り出している街路樹も散見されます。植樹した場合、その管理は大変な手間、費用が掛かります。十分な管理ができないくらいなら、完成時の見栄えだけのために植栽などすべきではありません。

十分に広い歩道であっても、街路樹の根が歩道の下に横に張り出し、歩道が凸凹に隆起したりひび割れたりしている光景も頻繁に目にします。夜間など、つまずいて危険です。

 

障がい者に配慮を

 健常者であれば不便ながら何とか対応できますが、例えば視覚に障がいのある方にとってはところどころに植樹桝があったり、街路樹の枝が顔の高さに伸びていたりすることは、極めて危険です。

 歩道の植栽のあり方を見直していただきたいと思います。


   サイト案内(目次)

 固定資産税の課税の基礎となる評価額は、総務大臣の定める「固定資産評価基準」に従って定めますが、土地については1筆を単位として評価することが原則とされています。しかし、隣接する2筆以上の宅地が一体をなしていて、合わせて評価する必要がある場合には、一体をなしている部分を合わせて一画地として評価することになっています。

 

固定資産評価基準「別表第3 画地計算法」「2 画地の認定」から抜粋

 「各筆の宅地の評点数は、一画地の宅地ごとに画地計算法を適用して求めるものとする。この場合において、一画地は、原則として、土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録された一筆の宅地によるものとする。ただし、一筆の宅地又は隣接する二筆以上の宅地について、その形状、利用状況等からみて、これを一体をなしていると認められる部分に区分し、又はこれらを合わせる必要がある場合においては、その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とする。」

 

 1筆で評価した場合と、2筆以上を一画地として評価した場合とで、道路に接する状況や土地の形状が異なることになり、評価額に大きな差が生ずる場合があります。

実は、どのような場合に2筆以上の土地を一画地として評価するか、判例の傾向と実務の大勢、市町村ごとの認定に乖離が見られます。

 

かなり多くの市町村のやり方と判例の傾向

 問題になるのは、所有者の異なる2筆以上の土地が一体として使われているケースです。

 例えば、スーパーを経営する会社が、自社所有地の奥の隣接地を賃借して駐車場として利用する場合です。このような場合、無条件に、スーパーの建物のある会社の土地と賃借している駐車場部分の土地を一画地として評価してしまう市町村が見受けられます。

 判例は、所有者が異なる場合は、両方の土地にまたがって建物が存在するなど、「一見明白に」一体であると認められないと一画地としては認めない傾向です。青空駐車場程度では、建物の敷地と一体とは認めない判例が、東京高裁、高松高裁、大阪地裁など、多数を占めています。つまり、固定資産評価基準の「これらを合わせる必要がある場合」を限定的に解釈しているのです。

 一方、少数派ですが、名古屋地裁で、4筆の土地を一体的に月極駐車場として利用しているケースについて、そのうちの1筆の所有者の原告が別々に評価すべきと訴えたに対し、全体を一画地として評価した市の取扱いを是認しています。この判断は、他の筆の所有者が原告が代表取締役を務める株式会社の所有だったことや、他の判例では合わせて評価された土地が建物敷地であった場合が多いのに対し、本件は全体が月極駐車場であった点が影響している可能性があります。

 

 納税者としては、土地の賃貸借等をしている場合は、相手の土地と合わせて不当に高く評価されていないか、確認してみることをお勧めします。

 市町村としては、判例の傾向に従い、1筆ごとの評価を原則とし、所有者の異なる土地を一画地と認定するのは、両方の土地にまたがって建物が存在する場合などの極めて一体性の高い場合に限るべきかと思います。

 市町村の中には、判例の傾向が上記のとおりであることを無視して、頑なに所有者の異なる土地の一画地評価を継続している団体もあります。それが誤りであることは、次の機会に論じようと思います。


   サイト案内(目次)

 世の中には片づけや断捨離、整理法についての本が溢れています。私も何冊か読んでみました。しかし、これまでに読んだものはどれも十分に納得できなかったり、職業人向けでなかったりで、「これは実践してみよう。」と思わせてくれるようなものはありませんでした。

 本書は、ビジネスマン向けに書かれており、ストーリーも面白く、内容も役に立ちそうな気がしました。

 

簡単な紹介

 本書は、ほとんど漫画です。「まんがでわかる」という標題を掲げていても、漫画は半分程度で文字の解説部分が多すぎる本もありますが、この本は、ほとんど漫画で、ところどころに3ページ程度の解説が挿入されています。したがって非常に読みやすく、1時間程度で通読できます。

舞台は、資料が山積みになっていて雑然としたイメージのある地方のテレビ局の職場です。ここに採用された契約社員の女性(片付けが苦手)が、有名なトヨタの5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を教わることによって、有能な社員に成長していくストーリーです。

5Sが、製造現場だけではなく、企画などの職場でも有効であることが示されています。

 

5Sとは

1 整理  要るものと要らないものを区別して、要らないものは捨てること。

2 整頓  要るものを使いやすい場所にきちんと置くこと。

3 清掃  身の回りや道具をきれいに保ち、いつでも使えるようにしておくこと。 

4 清潔  整理、整頓、清掃を維持し、環境を清潔に保つこと。

5 しつけ メンバー全員が決められたルールや手順を守る習慣をつけること。

 

 私も、職場、自宅とも、机の上、周囲は、非常に乱雑です。

 仕事の成果が上がるよう、本書を参考に、片付けに取り組んでみようと思います。


↑このページのトップヘ