地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2018年10月

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 1017日、安倍首相が、靖国神社で始まった秋季例大祭に合わせ「内閣総理大臣 安倍晋三」名で「真榊(まさかき)」を奉納したとの報道です。例によって、中韓が文句を言っています。

 夏の終戦記念日の際は、自民党の総裁特別補佐が名代として「自由民主党総裁」として玉ぐし料を奉納していました。この対応については私は評価していたのですが、今回の対応は批判せざるを得ません。なぜこんな、中韓に付け入るスキを与えるような対応にしたのでしょうか?

 

日本国憲法

20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 

違憲の疑いが濃厚

 国、地方公共団体やその機関は、宗教的活動、宗教を助長する行為を禁じられています。「内閣総理大臣」は明らかに国の機関であり、宗教的活動をしてはいけません。

 宗教法人である靖国神社に対し、その宗教的礼法に則って真榊を奉納したり、玉ぐし料を奉納したりすることは、当然「宗教的活動」に該当します。日本の行政のトップである内閣総理大臣が真榊を奉納することは、宗教団体である靖国神社を明らかに助長しています。

 地鎮祭の際の玉ぐし奉納などは、慣習、習俗的行為と解する余地があり、そのような判例が定着していますが、靖国神社への供物の奉納などはほとんどの国民が行ったことのない行為であり、習俗とも言えません。

 

 安倍晋三個人、あるいは自由民主党総裁として公費も公用車も一切使わないなら、実際に参拝したとしても「信教の自由」に保障された行為として、中国、韓国が何を言おうと、突っぱねてもいいでしょう。しかし、仰々しく「内閣総理大臣」などと記帳したり、そんな名義で供物を奉納することは、やってはいけない行為です。

 

 この政権は、憲法の軽視、無視が目に余ります。県に採用されたときに、日本国憲法の順守を誓い、長年守ってきた者として、やりきれない気持ちです。

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 新たに文部科学省の事務次官に就任した藤原誠氏が、就任あいさつの中で、「面従腹背をやめましょう。」と幹部職員に呼びかけたとの報道がありました。「面従腹背」は、組織的天下り斡旋問題で文科省を引責辞任し、その後、政権批判されている前川氏が著書の題名とし、自ら座右の銘と認めている言葉です。

 課長補佐級以上の職員約400人を前に、藤原氏は、⓵仕事で議論すべきときは議論する②大臣をはじめ上司が決めたことには従う③いったん決めた後は議論のプロセスをむやみに外に漏らさない、の3つを求め、「要約すれば、面従腹背やめましょう。」と述べたとのことです。

 

矛盾、無理な前提はないか?

 私がまず疑問に感じたのは、新次官の発言の①~③を要約すると、なぜ面従腹背をやめることになるのかということです。論理的に、明らかに無理があります。

 ①の議論をするのはいいでしょう。しかし、②で上司の決めたことには従わなければならないのであれば、心からの合意が成立するという前提でなければ、必ず面従腹背しなければなりません。③で議論のプロセスを外部に漏らさないということは、自分達としては反対なのだが「総理のご意向」で決まったなどということを外部に漏らすなということでしょう。

 

信念、志のある官僚は面従腹背せざるを得ない

 上司、政権が替わったからと言って自分の信念をコロコロ変えられるはずがありません。それができるとすれば、信念のない、志の低い官僚だけでしょう。

 大臣、上司の考えが自分と違う場合、議論して、合意できなければ辞職していたら、霞が関には無能な官僚ばかりが残る結果になってしまいます。入省の初志を大事にしようと思えば、しばらくは面従腹背をして、巻き返しの機会を狙うのが国民のための官僚の姿だと思います。

 

官邸すり寄りは見苦しい

 文部科学省は、事務次官が2代続けて引責辞任したり、政権を窮地に追い込んだ文書が発見されたり、苦しい立場であることは理解します。ここで前川元次官への決別宣言のようなことを言って、政権の御機嫌を取りたい気持ちも分かりますが、官僚としての矜持は忘れないでいただきたいと思います。

 

 このあいさつにより、政策の意思決定過程の不透明化、ヒラメ官僚の増殖が懸念されます。

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 昭和大学が、医学部入試の2次試験で現役と一浪の受験生に加点し、二浪以上の受験生を差別していたことを公表し、併せて、卒業生の子弟の優遇も公表し、謝罪しました。このことから、世間からバッシングを受けています。

 しかし、現役生等の優遇については、私は悪いこととは思えません。入試の要綱でその旨を公表していなかったことについても、それほど悪いことなのか疑問があります。

 

伸びしろ、地頭の考慮は当然

 現役生と2浪生が、現時点で同じ学力であれば、一般的には現役生の方が地頭がいいか努力家であって、伸びしろがあることは容易に推測できます。面接の際にその点を配慮することは、当然か、またはやむを得ないことでしょう。

 昭和大学が加点操作をしていたのは、2次試験(面接、小論文など)ということで、非難されるようなことではないと思います。

 

自治体の採用試験などでは?

 自治体の採用試験では、昭和大学のような加点操作は行われていないと思います。しかし、面接試験において、無意識のうちにそのようなことを行っているのではないかと思います。

就職浪人して自治体の採用試験を受ける受験生に対し、熱意は買うケースはあると思いますが、能力の伸びしろとしては新卒よりも低く評価してしまうのではないでしょうか?

これは、民間企業の採用も同じだと思います。

 

医学部入学試験は現役加点に合理性

昭和大学は、普通は無意識のうちに面接員個々の感覚によって行っている伸びしろの評価を明確なルールにしたのでしょう。

 入学試験は、採用試験よりも学力や地頭を重視すべきことは当然です。現在の学力が低かったり、地頭が悪かったりすれば、入学後の学習に付いていけないからです。大学側が、現在の学力に加え、地頭、伸びしろを重視したくなるのは自然なことです。


 今回、今まで暗黙のルールの中で行われてきた伸びしろ評価が明るみに出たことは、良かったと思います。これを止めるのではなく、明示した上で今後も継続すべきです。

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 安倍総理が自民党総裁に三選されたことにより、憲法改正の発議が現実味を帯びてきました。

 自衛隊は、過去多くの災害に出動し、被災者の救援、復興に努め、国民から信頼を得ています。安倍政権は、その国民の自衛隊への信頼感を悪用して、憲法改正の突破口にしようとしているようです。

 

今はまだ憲法改正の時期ではない

 私も、現行憲法には、自衛隊の問題を含め、様々な問題があることは承知しています。いずれ改正したほうがいいとも考えています。しかし、今はまだその時期ではありません。

 日本は、現在、日米安保体制に伴う密約によって、日本の国土を自由に軍事利用できる権利(基地権)戦時には自衛隊を米軍の指揮下に置く権利(指揮権)をアメリカに奪われたままです。自衛隊は大切だとか、自衛隊員がかわいそうだとかいうなら、まず、指揮権を取り戻すことが先決です。指揮権をアメリカに奪われたままでは、いずれ自衛隊はアメリカの戦争に動員されてしまいます。

 完全な主権を取り戻すまでは、憲法に手を付けるべきではありません。完全な主権のない状況で改正していいほど、軽いものであってはなりません。憲法が真に最高法規となり、憲法に反する条約などは裁判所が無効と判示できる当たり前の国家になってから、憲法に手を付けるべきです。

 「安直な憲法改正論」

 「知ってはいけない」(矢部宏治)を読んで

 

 それまでは、「アメリカから押し付けられた憲法」のままにしておくことが得策です。ここで小手先の憲法改正をすることは、日本国民が自らの意思でアメリカに自衛隊の指揮権などを委ねたと解釈されかねません。

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 大阪府の松井知事が、102日の府議会の休憩時間中に、庁舎正面玄関から公用車に乗り、府庁舎周辺を回って5、6分後に戻りましたが、その間、車内でたばこを吸って休憩していたことが報じられました。知事が出席していない府議会総務委員会で、秘書課長が自民党議員の質問に答弁し、ばれてしまったようです。

 

ちょっと同情

 議会での答弁は非常に気を使い、緊張を強いられるものでしょう。私は喫煙しませんが、愛煙家なら休憩時間にちょっと一服したくなる気持ちは分かります。

周囲の情勢に流されて知事として敷地内禁煙を決めてしまい、自ら苦しんでいるのは、ちょっと同情したくなりますが、これはやってはいけないことでしょう。

 

一般職員は

 大阪府では、今年(2018年)4月に、勤務時間中に繰り返し職場を離れて近くのビルの喫煙室で喫煙していたとして49歳の男性職員を訓告処分にしました。この職員は依願退職したことが報じられています。

 「喫煙のための職場抜け出し」参照

 

知事は特別職であり、一般職員のような勤務時間とか職務専念義務などの制約はないので、違法とか規則違反という問題はないでしょうが、職員にそういう制約を課している立場から、これはやってはいけません。

 

秘書課長にも同情

 こんなことを議会の委員会で答弁させられてしまった秘書課長にも同情します。知事から恨まれたり、文句を言われたりするかもしれません。また、もしかしたら公用車内でタバコを吸うという対策は、困っている知事を助けるための秘書課の発案だったのかもしれません。

この質問が、不意打ちであったかどうかも気になります。

私も、古巣の県庁の「総務○○委員会」に出席したり、補助員として同席したりしたことが何回もありますが、秘書課長への質問は聞いたことがありません。秘書課は、一般に議会の委員会で質問されることが少なく、答弁には不慣れなのかもしれません。

 

明白な規則違反ではないだろうが

 知事は特別職であり、勤務時間も明確に定められていないので、休憩中の喫煙を禁止するのは難しいような気がします。知事室で隠れて喫煙すれば、敷地内全面禁煙を定めた規則に違反してしまいますが、公用車で敷地外に出ればセーフなのでしょう。できるのは、公用車内でも全面禁煙にすることでしょうか?

 知事の行為は、化石燃料を無駄に消費し、温暖化ガス等を発生させています。また、 運転手が受動喫煙の被害を受けており、社会道徳的には、知事室で隠れて喫煙するより、悪質な行為というべきでしょう。

 敷地内禁煙に耐えられない人は、その職場の職に就いてはいけないのでしょう。

 知事も、依願退職した職員のように、知事の職をとるか喫煙をとるか、選ばなければなりません。

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