地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2018年11月

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 先日、庶務担当者が税務署の年末調整の説明会に行き、翌日、職場で、年末調整のための書類が配られました。親切に、前年度に提出した書類が参考として添付されています。広げてみると、「平成30年度 給与所得者の配偶者控除等申告書」という昨年までにはなかった様式が加わっています。私の場合は、なかなか面倒くさそうです。

 

「給与所得者の配偶者控除等申告書」

 従来は、本人がどんなに高額所得者であろうと、配偶者に所得がなければ配偶者控除を受けることができました。それが平成30年分から、本人の所得が900万円以下であれば従来どおり38万円の所得控除ですが、それを超えると、段階的に26万円、13万円と割り落としがかかり、1000万円を超えると控除なしになってしまいます。

 また、配偶者の所得が38万円を超える場合の配偶者特別控除の金額区分も変更になり、本人の所得と配偶者の所得に応じて38万円(配偶者控除と同額)から1万円までの控除になります。そのため、この新たな様式が加わったようです。

 本人や配偶者の平成30年の合計所得金額の「見込み」について、給与所得、不動産所得などの所得の種類別に計算する欄があります。庶務担当者が確認する作業も大変そうです。

 今(11月中旬)の時点ではまだ12月分の期末勤勉手当や月例給与も受け取っておらず、平成30年の所得など確定していないので、見込みの数字にならざるを得ません。庶務担当者は大ざっぱでいいと言いますが、後で修正が必要になるなどで庶務担当者に面倒をかけないよう、可能な限り正確に出そうと頑張っています。

 

「保険料控除申告書」

 これは従来と同じ様式ですが、保険会社から郵送されてきた証明書で紛失したものがないか、毎年のように心配しています。せっかくマイナンバー制度ができたのですから、国の方で一括して計算してくれないものかとも思いますが、個人の収入、支出がすべて集約されてしまう社会も、窮屈かもしれません。

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 「健康増進法の一部を改正する法律」が平成30725日に公布され、同日付けで厚生労働省健康局長から都道府県知事等あての通知が出されました。我が小規模自治体にも、総務省などを通じた文書などが流れてきていますが、まだ内容に不確定な部分があり、様子見をしています。

 

地方公共団体の対応

 この改正では、国や地方公共団体の行政庁舎は第一種施設とされ、受動喫煙防止のため「特定屋外喫煙場所」以外での喫煙が禁止されます。

「特定屋外喫煙場所」とは、「第一種施設の屋外の場所の一部の場所のうち、当該第一種施設の管理権原者によって区画され、厚生労働省令で定めるところにより、喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識の掲示その他の厚生労働省令で定める受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所をいうものとすること。」とされています。つまり、屋内に喫煙場所を設けることはできなくなります。

この改正が施行される20204月までに、各地方公共団体は対応しなければなりません。現在、屋内に喫煙スペースを設置しているところは、「特定屋外喫煙場所」を設置するか、例外のない敷地内全面禁煙とするか、対応を迫られます。

 

政省令が未定

 我が自治体は、一応建物内禁煙としており、屋外に喫煙所を設けているのですが、それが厚生省令の基準に合致しなければ対応を要します。その厚生省令がまだ示されていないため、対応できません。対応にかなりの経費を要するのなら、本来は2019年度予算に要求、計上したいところですが、何をしなければならないかが分からないので、できかねています。

 我が庁舎の屋外喫煙所は、出入口の近くに設置してあるので、出入口からの距離の基準などを設けられた場合には抵触する可能があります。かといって、あまり出入口から離すのも利用者に不便でしょうし、悩ましいところです。あまり要件が厳しければ、いっそ全廃がいいかもしれません。

 

 私は、非喫煙者です。個人的立場からは厳しい要件を望んでいますが、仕事の上では、厳しい規制をされると厄介なことになるかもしれません。

 続報 「特定屋外喫煙場所の要件に安ど」に続く

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 大学では数学をほとんど学んでいません。回帰分析などは仕事上の必要に迫られて勉強し直し、簿記の試験でも役立ちましたが、微分積分は、大学入試以来遠ざかっています。頭のさび落とし、ボケ防止になるかと思い、本書を読んでみました。

 

構成と内容

 本書は、目次なども含めて127ページの薄い本です。第1「微分積分の生い立ち」、第2「微分でわかること」、第3「積分でわかること」3章で構成されています。

 第1章では、微分や積分の方法が発見された歴史を通じて、微分、積分とはどういうことかの概略が示されています。

 第2章では、微分の学習の前提として、関数とは何か、1次関数、2次関数、3次関数、グラフ、座標の丁寧な解説があり、それらも忘れかけていた身としては、大変助かります。その後、2次関数のグラフの傾き、極限値(limから説明されており、それほど苦労せずついていくことができました。

 第3章では、微分と積分の関係や、1次関数のグラフから積分を使って直角三角形の面積を求めることから始まり、最後はラーメンどんぶりの容積を求めたり、三角錐や円錐の体積を積分を使って求め、体積の公式と一致することを確かめたりするところまでです。

 

なんとか理解できた

 途中で落ちこぼれることを心配して読み始めたのですが、私のような文系出身の人間でも最後までついて行けました。途中で自分で鉛筆を持って計算をしてみるなどしながら、半日程度で読むことができました。

 さすがに、「眠れなくなるほど面白い」というのは誇大だと思いますが、微分で躓いてしまった高校生などには最適な本だと思います。

 

 技術系ではない行政職の公務員、サラリーマンでも、数学的な素養は役に立ちます。私は、現役の県職員時代に必要に迫られて、回帰分析など統計学の初歩の勉強し直しを余儀なくされました。微分積分も、もっと早く学び直しておけば、仕事の役に立ったかもしれません。

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 茨城県にある東海第二原子力発電所については、再稼働する際に「実質的な事前了解を得る」とする協定が周辺の6つの自治体と結ばれています。

11月7日、原子力規制委員会が、東海第二原発について、原則40年に制限された運転期間を最長20年延長することを認め、再稼働に向けた法的な要件はクリアされたようです。したがって、各自治体が了解するかどうかと、一つでも了解しない自治体があった場合には再稼働できないのかどうかが、焦点になっていました。

 

日本原電の発言

そんな中、日本原電の副社長が認可のあとの記者会見で「協定に拒否権という言葉はない。」と発言し、それが報じられました。その結果、周辺自治体の反発を招き、6つの市と村の首長が9日に開いた会合で、1つの自治体でも了解できなければ、再稼働に進まない。」との認識で一致したとのことです。

再稼働を容認するかどうかについては、周辺自治体の首長間でも意見の違いがあるようですが、日本原電副社長の不用意な発言が、首長間の足並みをそろえる結果になったようです。

 

発言は正しいだろうが・・・

 協定書の中には、「拒否権」という言葉は記載されていないでしょう。了解が得られなければ再稼働しないとストレートに書かれてもいないでしょう。その意味で、副社長の発言は正しいのでしょうが、適切ではなかったということです。

 「セクハラ罪という罪はない。」と言い放った某大臣の発言と同じ傲慢さを感じさせる発言です。

 

私も過去に失敗

 私も県職員時代に失敗を経験しています。

 ある許認可を諮る審議会で、許可に否定的な意見に対し、事務局の立場でありながら、「要件をクリアしているので許可しないという対応は難しい。」と言ってしまい、委員から反発されました。私の発言は、制度的にはその通りなのですが、「それなら何のために諮問しているのだ!」と反発を招いてしまったのです。

 

 対外的な発言は、正しくなければいけませんが、正しいだけでもいけません。

 臨機応変に適切な言葉を選ぶには、よほど訓練を積み、慎重にしていなければならないのでしょう。私なども、まだ、修行が全く足りていません。

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 平成301031日付けで総務省から出された「地方公務員における長時間労働の是正について」という事務連絡が、県の市町村課を通じて我が小規模自治体にも届き、回覧されていました。

 

文書の概要

 本年7月に施行された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」により、民間では、平成314月から時間外労働の上限規制が導入されます。また、8月に行われた人事院の「公務員の人事管理に関する報告」でも、長時間労働の是正に関する報告が行われています。

 これらを踏まえ、超過勤務命令の上限を設定する条例の制定長時間労働に関する面接指導の強化を求める内容です。国の人事院規則がまだ制定されていないので、具体的な内容はこれからですが、各自治体の「職員の勤務時間、休暇等に関する条例」の改正を求め、また、医師の面接の対象者を1箇月あたり100時間から80時間への拡大、職員の申し出がなくても面接を実施することなどが示唆されています。

 

言うは易く行うは難し

 職員団体や議会から長時間勤務の是正を求められた執行部が、まず口にするのは、「事前命令の徹底」です。しかし、これは不可能に近いほど困難なことです。

 執行部としては、「必ず事前に命令を受けよ!」と強調しておくことにより、事前命令を受けていないのは時間外勤務とみなさない、無断で残っている職員が悪いと弁明する逃げ道を用意できます。

 職員の側からすると、急ぎの仕事で事前申告し、明日は明日の仕事があるのに、「明日にしてください。」などと言われ、上司と口論するくらいなら、こっそりサービス残業、風呂敷残業をした方がいいと思うでしょう。

 超過勤務命令の上限時間を設定することも、同じことです。

 一方、一部だとは思いますが、ダラダラ残業をしながら十分な戦力になっていない職員がいることも事実です。

 

 超過勤務を減らすには、仕事のやり方を工夫して業務を減らすか、十分な戦力になっていない職員を再教育するか、人員を増やすしかないでしょう。部署ごとの人員の過不足の解消も有効でしょう。上限時間の設定などは、ごまかしを生み、問題を見えにくくする小手先の手段です。問題の根本を解決する別の対策が不可欠です。

 組織・人事当局、管理職の覚悟、手腕が問われているということでしょうか?

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