地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2018年12月

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 2020年4月から始まる会計年度任用職員制度について、各自治体で検討が進められています。県の市町村課などが音頭をとり、検討状況について市町村間の情報交換会などが開催されている都道府県もあるようです。周囲の状況に合わせようと考えているうちのような小規模自治体にとっては、ありがたいことです。

 

会計年度任用職員に移行するのは

 この制度は、これまで任用根拠が明確でなかった一般職の非常勤職員の任用根拠を定め、さらに、同じような仕事をしていながら地方公務員法の適用がなかった特別職の嘱託員などを一般職として守秘義務などの対象にするための制度です。

 したがって、現在、一般職の非常勤職員として勤務している職員や、嘱託員等として一般職と同じような仕事をしている職員は、会計年度職員に移行します。

 自治体によっては、図書館長や公民館長など、施設の長をプロパー職員でない非常勤の嘱託職員などで充てている例もあります。それらは、プロパーに替えるか、一定の要件を定めて「任期付職員」として雇用する検討をしているところもあるようです。

 

勤務時間等は従来どおり

 会計年度任用職員の勤務時間は、常勤職員と同様にすることも、それより短くすることもできます。

 現在の非常勤職員で、5時間50分とか6時間の勤務になっている職員が多いのは、社会保険、雇用保険などの制度との兼ね合いであり、これを変更する必要はないと考えている自治体が多いようです。また、現在、雇用更新の上限を5年等としている自治体も多くありますが、それも継続する意向の自治体が多そうです。

関連ページ

「非常勤職員制度の見直し」

 「使い勝手が悪い会計年度任用職員制度」 

 「非常勤職員の雇い止めを続けるか」

 「私の知る自治体非正規職員の歴史」

 

待遇改善は不透明

 会計年度任用職員は原則として期末手当の対象になる(勤勉手当は対象外)ため、待遇改善も期待されています。しかし、その実現は微妙なようです。

 都道府県などでは、年収ベースで年間の類似職種の賃金と比較して報酬の日額単価などを決めていたところが多いようです。その場合、期末手当を支給することになると、通常の日額、月額の報酬を引き下げなければならない可能性があります。

 期末手当の支給率自体は、現在の再任用職員に対する支給率か、それより1~2割低い設定を検討している自治体が多そうです。

 

 また、更新時の昇給を考慮すると、最初の1年目の報酬は現在の非常勤職員のベースより低く設定する自治体もあるかと思います。

 

 この制度は、官製ワーキングプアの解消も目的の一つだったはずですが、その目的が達成されるか、不透明な状況です。

 東京では分かりませんが、地方では今の非常勤職員の雇用条件でも募集すれば多数の応募者が集まります。他の非正規の職と比べて、有利な職だと思われているようです。待遇の引上げが、批判を浴びる可能性もあり、難しいところです。

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 ここまで、契約保証金、電気や物品の売買契約、単価契約、相手方の支払遅延に対する遅延利息等などについて、「国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律」(一般に「端数計算法」)の運用について、説明してきました。

 「端数計算法の誤った適用」

 「端数計算法の誤った適用2」

 「端数計算法の誤った適用3」

 

 本稿では、同法第7条により同法が「適用除外」される範囲について説明します。

 

適用除外の範囲

 端数計算法は、国税や地方税などには適用しないことになっていますが、その適用除外の範囲についても問題になることがあります。

 

国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律(端数計算法)

(適用除外)

第7条 この法律は、次に掲げるものについては適用しない。

一 政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条、第9条及び第10条の規定による遅延利息

二 健康保険法(大正11年法律第70号)第181条第1項、船員保険法(昭和14年法律第73号)第133条第1項、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第87条第1項、国民年金法(昭和34年法律第141号)第97条第1項及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)第28条(失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(昭和44年法律第85号)第19条第3項において準用する場合を含む。)の規定により徴収する延滞金

三 国税(その滞納処分費を含む。)並びに当該国税に係る還付金及び過誤納金(これらに加算すべき還付加算金を含む。)

四 地方団体の徴収金並びに地方団体の徴収金に係る過誤納金及び還付金(これらに加算すべき還付加算金を含む。)

五 国有資産等所在市町村交付金又は国有資産等所在都道府県交付金

六 前各号に掲げるものの外政令で指定するもの

 

 問題になるのは、この第4号の「地方団体の徴収金」の範囲です。

 端数計算法の中では定義されていないので、これを地方税等に限るのか、手数料や分担金等も含むのかが明確でありません。困ったことに、自治体の財務担当職員のバイブル的存在の「地方財務実務提要」もあいまいです。同書167節では、「端数計算に関する法律第7条第1項第4号に規定する「地方団体の徴収金」の解釈」と題するQ&Aと「地方公共団体の手数料等の端数計算」と題するQ&Aとで、異なった解釈を示しています。

 前者では、第3号で「国税」と明示していることとの違いを重視し、その他の公法上の収入(分担金、使用料、加入金等)も含むと解釈すべきだとしています。後者は、地方税法で端数処理を規定したのと同時にこの部分の改正が行われた経緯等から、ここでいう「地方団体の徴収金」は、地方税法第1条第1項第14号の「地方団体の徴収金」の定義と同様、「地方税並びにその督促手数料、延滞金、過少申告加算金、不申告加算金、重加算金及び滞納処分費」をいうと解釈しています。「同じ本の中で異なる見解を示さず、調整すればいいのに・・・。」と思うのですが、気付いていないのかもしれません。

 

 私は、法令の解釈は文理解釈が基本であることから、「地方税」とせずに「地方団体の徴収金」としてある以上、分担金、使用料、手数料などの公法上の収入を含むと解釈すべきだと思います。

多くの地方公共団体で、下水道の分担金などで10円未満とか100円未満を切り捨てるような規定を定めているところが多いようです。しかし、これは、分担金も適用除外されていると解釈しているためなのか、条例に基づいて端数処理された後の金額が「確定金額」となるという解釈によるものなのか、または両方なのかは、はっきりしません。

いずれにしても、実務的には、自治体の判断で端数処理の仕方を決めていいことには変わりはありません。

 

 徴収しようとしたら収入よりも経費の方がかかってしまう徴収金を端数計算法を無理に適用して徴収しようなどとせず、法を適切に運用して、合理的な事務処理を測ろうと思います。

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 マイナンバーカードの前に市町村が発行していた住民基本台帳カードについて覚えておられる方は少ないと思います。多額の税金をつぎ込み、結局ほとんど無駄に終わったシステムです。私は、県庁に在職していたときに、この導入に関わった際の苦々しい思い出があります。

 

住民基本台帳カードのシステム

 このカードは、2003年から交付が開始され、マイナンバーカードの開始に伴い、2015年に交付を終了しました。全国の住民に住民票コードが付され、全国の自治体のネットワークを構築して、全国どこの役場でも住民票等の発行が受けられ、国への提出書類で住民票等の添付を省略できるというものでした。

 1999年ころシステムの開発が始められましたが、私はそのころ県の担当部局でその業務に携わりました。中央省庁が全国民の情報を瞬時に把握できるようになるので、野党が徴兵制につながるなどと反対していたのを、自民党が強行したものです。

 何千億円もかけて、結局、最終的な普及率は5%程度という惨憺たる無駄遣いに終わったようです。国が行うマイナンバー制度の露払いを地方にさせたようなものでした。この無駄遣いの責任追及の話は、聞いたことがありません。

 

損害は地方自治体だけ?

 国が発案し、国の施策として進められた事業ですが、国はほとんど予算を使っていないと思います。地方交付税を使い、地方自治体にやらせたのです。

 1999年(平成11年)だったと思いますが、旧自治省が号令を発して、全都道府県が参加する協議会を作らせました。協議会のメンバーは都道府県の総務部長等で、座長などは、自治省から地方に出向中の総務部長らが務めていました。忙しい総務部長が自ら出席する都道府県は少なく、ほとんどが代理出席でした。代理は課長級以上に限定されていたので、市町村課長や東京事務所の課長級職員などが出席者のほとんどでした。部長(委員)本人が出席したのは自治省から出向していた部長等がほとんどで、この人たちが会議を主導しました。

その協議会で全都道府県から負担金を集め、システムの開発、導入の共通部分を支弁しました。

 都道府県には不満ももちろんありましたが、その負担金分は地方交付税で配分するということで、都道府県としては応じざるを得ない形でした。個々の自治体(市町村役場なども)で要する導入経費なども膨大だったと思います。それぞれの住民基本台帳の電算システムと結合させなければなりませんから。

 

地方交付税を使うのは反則でしょう!

 国(自治省)が地方交付税の配分に色を付け、それを地方公共団体から負担金等として拠出させて、自らやりたい政策のために使うというのは、反則技でしょう。地方交付税は、地方の固有財源であり、国が自分のやりたい事業に使うべきものではありません。

 あのシステムの開発は、地方公共団体の情報システムなどを手掛ける自治省の外郭団体が受託しました。そこには、自治省などのOBが何人も再就職していました。

 

 こんなことが、地方分権改革と称えられた地方分権一括法の施行直後に行われていたのです。総務省が地方交付税の配分に色を付けて地方に資金を出させることは、その後も行われています。

マイナンバーカードは住民基本台帳カードの轍を踏まずに、有効に活用されていただきたいと思います。

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 前稿では、特に日本の最大の課題である少子化対策との整合性から、外国人の在留資格を拡大した今般の出入国管理法等の改正は不適当であることについて綴りました。

 「入管法改正は戦略を欠いた場当たり政策」

 

 本稿では、自民党、安倍政権の党利党略、私利私略からみても、あまり有利な賭けとは思われないことについて綴ります。

 

安倍政権の力の源泉は?

 森友、加計学園問題、安保法制等の強行採決、各省庁の文書隠し等の不祥事、麻生副総理初め各大臣の失言や不祥事等、様々な問題にもかかわらず、安倍政権は命脈を保ち続け、一強を謳歌しています。それは、雇用状況が改善したことで特に若年層の支持率が高いことも、理由の一つだろうと思います。

 どこまでがアベノミクスの成果かは不明ですが、たしかに雇用環境の改善や賃金の上昇傾向は、安倍政権のほとんど唯一の看板です。

 今回の外国人労働者の受入れ拡大は、日本人労働者にとって、賃金引下げの圧力となり、正社員への途を閉ざし、せっかくの売り手市場に水を注すものです。つまり、唯一の看板を揺るがしかねないものです。

 

政権の固有の支持層は?

 自民党、安倍政権の元々の堅い支持層の中には、外国人の受入れに拒否感を示す排外的な人たちも少なくないようです。国内に居住する外国人が増え、いろいろな問題が発生したときに、その人たちはどう反応するでしょうか?

 固有の支持層が離反してしまう危険があると思います。

 

 今回の改正は、たしかに人手不足に悩む事業者からは感謝されるでしょうが、トータルで考えて、日本という国にとっても、自民党、安倍政権にとっても、有利な賭けではないように思います。

 場当たり的なものではなく、私には分からない何か深遠な戦略が潜んでいることを期待していますが、それならそれで、丁寧に説明してほしいものだと思います。

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ここまで、契約保証金、電気や物品の売買契約、単価契約などについて、「国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律」(一般に「端数計算法」)の運用について、説明してきました。

 本稿では、相手方の支払遅延に対する遅延利息等についての適用関係について説明します。


相手方の支払遅延に係る遅延利息等

 地方公共団体が支払を遅らせた場合の遅延利息の額や端数処理については、「政府契約の支払遅延防止等に関する法律」によって定められていますが、逆に、相手方が履行を遅らせた場合のペナルティーについては、国の法令の定めはありません。したがって、本来は個々の契約によって定めるべきものです。

 しかし、地方公共団体によっては、財務規則などで、そのような場合の遅延利息の計算方法、端数処理などを定めている場合が多く、その場合には、100円未満の端数は切り捨てて徴収しない規定になっていることが通例です。これは、「政府契約の支払遅延防止等に関する法律」とのバランスを考慮してのことでしょう。私法上の契約で地方公共団体が債権者になる場合のルールを財務規則等で定めれば、その団体は契約に際してはその規則に従わなければなりません。

 

端数計算法の優先適用の解釈

 地方公共団体が、その債権の金額を計算する際の端数処理について財務規則等で100円未満切り捨て等と定めることについて、端数計算法第1条第2項の規定との関係がどうなるか、疑問を持たれる方もおられます。

端数計算法第1条第2

 他の法令中の端数計算に関する規定がこの法律の規定に矛盾し、又はてい触する場合には、この法律の規定が優先する。

 

 ここでは、他の法令(地方公共団体の条例、規則も含む。)で国や自治体の債権債務の端数処理について定めたとしても、端数計算法が優先することを定めています。

 地方自治体の財務規則などで100円未満切り捨て等の定めをした場合にそれが有効なのかという疑問です。これも、「確定金額」とはどの段階の金額かという問題でしょう。

 相手方が遅延した場合の遅延利息等は法令の定めがないので、個々の契約次第です。その契約の中で、端数処理について定めてある場合は、それに従って端数処理された後の金額が「確定金額」です。地方公共団体が自らの契約についてルールを定めている場合は、そのルールが契約の内容に包括され、そのルールを前提とした契約内容によって「確定金額」が定まります。確定金額が定まる前の段階でどのような端数処理が行われようと、端数計算法の関知するところではありません。

 

 「確定金額」が定まる前の段階での端数処理についてまで端数計算法を適用させようとする誤りが多いように感じています。

 「端数計算法の誤った適用」
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