地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2019年01月

   サイト案内(目次)

 さほどハードな仕事をしているつもりもありませんが、週末が近づくと疲れがたまっていく自覚があります。年を取ったのだから当然なのかもしれません。

 しかし、少しでも改善できればと思い、少し前に新聞のランキングで紹介されていた本書を読んでみました。

 

 著者は、スタンフォード大学スポーツ医局アスレチックトレーナーを務めている方です。

 スタンフォード大学といえば、学問の世界で世界屈指の名門ですが、大学スポーツでも全米一の強豪校で、オリンピックでも全米のメダリストの2割以上がここの学生とのことです。大学には、「スポーツ医局」「スポーツ栄養局」があり、選手のパフォーマンスを高める方法等を研究し、選手の生活を管理し、この実績を支えています。

 

 本書では、疲れにくく、疲れてもすぐに回復する体を作るための方法が紹介されています。具体的には、呼吸法、睡眠法、食事法、ダメージを受けたときの回復法などです。

 このうち、睡眠法、食事法は、以前私が読んで、このブログで紹介した本とほぼ同じ内容でした。

 「スタンフォード式 最高の睡眠」(西野精治)を読んで

 「医者が教える食事術 最強の教科書」(牧田善二)を読んで

 

 本書でまず紹介されているのは、IAP呼吸法という呼吸法です。

 IAPとは、 Intra Abdominal Pressureの略で、腹腔内圧(腹圧)のことです。著者は、腹圧呼吸とも呼んでいます。息を吸うときに横隔膜を下に下げて腹を膨らませ、腹圧を高めるのはもちろんですが、息を吐くときも腹圧を高めたまま、腹をへこませない呼吸法です。日本でよく推奨されている腹式呼吸は、息を吐くときは腹をへこませるので、その点が異なっています。

 腹圧が高い状態を維持していくと、体幹や背骨が正しい位置、状態になり、疲れないようになるとのことです。この実践により、選手の腰痛がなくなる等の成果があったそうです。

 

 睡眠法で、私にとってハードルが高いのは、就寝する90分前に風呂を済ませるという部分です。風呂に入ると体の深部体温が上がり、それが下がる90分後が寝つきがよくなるタイミングとのことです。私は、風呂に入ったらすぐに布団に入るという生活を長年続けてきたのですが、これが寝つきが悪い原因かもしれません。

 

 今の疲労感が少しでも改善することを期待して、できることから試してみようと思います。

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 参加しています。


   サイト案内(目次)

 今年5月から新たな元号に替わりますが、新元号の公表が4月1日になりそうな状況です。地方公共団体では、様々な対応を迫られています。

 もっとも大変なのは、民間と同様、システムの改修でしょうが、地方公共団体は民間とは別の検討が必要です。

 

予算単年度主義の制約

 地方公共団体は、予算単年度主義により、支出負担行為は原則として年度を超えては行えません。つまり、契約は、4月1日から翌年3月31日までに完結させることが原則で、これを逸脱するためには、何らかの手続などが必要です。

 今回、改元が5月1日ですが、多くのシステムは、4月に新年度になってから改修を発注する手続をしても、間に合わないでしょう。

 

自治体の対応策

 私に聞こえてくる範囲でも、自治体では様々な工夫をしているようです。

 最も正攻法なのは、債務負担行為の設定です。平成3012月の議会などで平成30年度補正予算を組み、債務負担行為を設定して、発注は平成30年度中に行うけれども納品や代金支払は2019年度になるような、年度をまたぐ契約を容認する手続です。

 もう一つは、システム改修の大部分を済ませる契約を平成30年度中に完結させてしまうことです。新しい元号を入力すれば新システムが完全に稼働できる状態までにすることを平成30年度の事業として終わらせます。新年度に入って新しい元号が発表されたとき、それを職員が入力するか、それだけを小額の手数料、又はサービスでSEにやってもらえば完成です。ただ、この方法は、代金を全額支払ってしまって年度が替わった後、本格稼働してみたらシステムの不備が見つかった場合のこと等が少し心配です。

 最悪なのは、実際は旧年度中にシステム改修を発注しておきながら、書面だけは4月に発注したように偽装することです。公務員は、こんな誤魔化しをしてはいけません。

 

 うちのような小規模自治体でも、今回の改元で、数百万円のシステム改修費を予定しています。社会全体では、著しい無駄です。

 私は、皇室を敬うことに関しては人後に落ちない者ですが、公務やビジネスは、西暦に統一すべきだと思います。元号を天皇陛下の在位に連動させたのは明治以降のことであり、それほど伝統があるものではありません。

 「元号をどうするか?」

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 参加しています。

   サイト案内(目次)

 平成30年の年末に発覚し、大騒動になっている厚生労働省の勤労統計の問題は、報道を見てもいろいろ分からない点があります。どの報道も、この問題の一部の断面だけを切り取り、全体像を理解できる報道が見当たりません。

 

問題の概要

 雇用保険などの給付金算定の基礎資料となる毎月勤労統計調査では、従業員500人以上の事業所では、全ての事業所が調査対象になっているにもかかわらず、厚生労働省から東京都などへの指示では3分の1程度の事業所しか調査対象にしていなかったことが明らかになりました。

 その結果、この統計をもとに雇用保険などが過少給付された対象者は、延べ2,000万人程度、総額は567億円にのぼるというのが、厚労省の発表です。

 

 これらの報道には、疑問点が満載です。

 

過少給付の金額はどうやって?

 まず疑問になったのは、567億円という具体的な金額が、すぐに出てきたことです。どうやって算定したのでしょう?

 過少であった金額を算定するには、調査から漏れていた残りの3分の2の事業所の賃金を調査しなければなりません。かなり時間もかかるでしょう。

 かなり以前から、隠密裏に補足調査をしていたのでしょうか?そんな程度で法令どおりに調査できるなら、なぜ最初からそうしなかったのでしょう。

 

なぜこんなに大きな誤差が?

 延べ2,000万人程度で567億円ということは、単純に計算すると、1件当たり2,800円あまりと、かなりの金額です。なぜこんな大きな誤差が生じたのでしょう?

 一般に、対象から無作為に3分の1も抽出すれば、かなり正確な数値を求められると思います。それが、こんなに大きな狂いが生じているとすれば、作為的に抽出されていたということでしょうか?

誰がどんな基準で調査対象を決めていたのでしょうか?

賃金の安そうな事業所を中心に選んで調査対象にしていたということでしょうか?

 なぜそんな作為をする必要があったのでしょうか?

 

 詳細な原因究明が求められます。続報に期待しています。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 参加しています。


   サイト案内(目次)

 半年ほど前にベストセラーの本書を図書館に借りる申し込みをしていました。ちょうど、年末年始の休み前に順番が来たので、読んでみました。

 

本書の主張

 著者は、中小企業の事業承継、再生を引き受けるファンドを運営されています。その経験から、サラリーマンでいるより、小さな会社でもいいから経営者、資本家になるべきことを推奨しています。それも、自らベンチャービジネスを起業したり、飲食店を開業したりすることは、1000人中3人ほどしか成功しないので、リスクが大きすぎるようです。

それよりも、既に何十年も事業を継続していて、ちゃんと事業として回っている既存の会社を買収するほうが、ずっと成功する可能性が高くなります。

現在、後継者がいないために廃業する企業の中には、かなり収益力のある会社もあるとのことです。また、前近代的な経営をしながら黒字を出している企業もあり、そんな企業は、大企業の管理職等としてマネジメントの経験を積んできた人が経験に基づいて経営すれば、飛躍的に収益が改善する可能性もあるとのことです。

 この点は、著者がベンチャー関連のビジネスや、中小企業の事業承継、売買ビジネスをやってきた経験から主張していることですが、私もたしかにその通りだろうと思います。

 昔は、企業の買収などというと高いハードルがありましたが、今は、M&Aの市場も整い、あまり面倒なく売買できるようです。

 

とても説得力はあるが

 雇われて労働力を売るよりも、自ら資本家になったほうが高い収益を得られることは、21世紀の資本」(ピケティ)などでも論じられています。資本家とそれ以外の人の格差は、拡大する傾向にあります。

「21世紀の不平等」(アンソニー・B・アトキンソン)を読んで

 「新・日本の階級社会」(橋本健二)を読んで
 

 私は、残念ながら、これまでの職業人生のすべてを地方自治体で過ごしてきたので、民間企業の経験はありません。したがって、私は著者の手法を実践するわけにはいきません。しかし、自分の労働による収入だけに頼ることも老後が不安なので、少しでも配当収入、株主優待の恩恵を目指し、若いころから続けてきた株式への投資を続けようと思います。

 公務員の副業は禁じられており、アパート経営などは制約されますが、株式投資はOKです。

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 参加しています。


   サイト案内(目次)

 地方公務員で「管理職」といった場合、一般に課長級以上で、管理職手当を支給されている職員を指します。民間企業の「管理職」と同じような使い方で、時間外勤務をしても時間外勤務手当は支給されません。まれに、もっと低い職位の職員にわずかな管理職手当を支給し、時間外勤務手当等を節約しようとする自治体もあるようです。民間の名ばかり管理職と同じようなものです。

 一方、「管理職員等」という法律上の概念があり、「管理職」とは範囲が異なっています。例えば、人事を担当している職員は、管理職手当を支給されていない主任や主事でも「管理職員等」に含まれます。

地方公務員法で「管理職員等」を定義しているのは、次の条文です。

 

地方公務員法

(職員団体)

第52条 この法律において「職員団体」とは、職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体をいう。

2 前項の「職員」とは、第5項に規定する職員以外の職員をいう。

3 職員は、職員団体を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。ただし、重要な行政上の決定を行う職員、重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある職員、職員の任免に関して直接の権限を持つ監督的地位にある職員、職員の任免、分限、懲戒若しくは服務、職員の給与その他の勤務条件又は職員団体との関係についての当局の計画及び方針に関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが職員団体の構成員としての誠意と責任とに直接に抵触すると認められる監督的地位にある職員その他職員団体との関係において当局の立場に立つて遂行すべき職務を担当する職員(以下「管理職員等」という。)と管理職員等以外の職員とは、同一の職員団体を組織することができず、管理職員等と管理職員等以外の職員とが組織する団体は、この法律にいう「職員団体」ではない。

4 前項ただし書に規定する管理職員等の範囲は、人事委員会規則又は公平委員会規則で定める。

5 警察職員及び消防職員は、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない。

 

 第3項は、長い条文で読みにくいのですが、「管理職員等」とは次の職員をいうと定義しています。

⓵ 重要な行政上の決定を行う職員

② 重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある職員

③ 職員の任免に関して直接の権限を持つ監督的地位にある職員、職員の任免、分限、懲戒若しくは服務、職員の給与その他の勤務条件又は職員団体との関係についての当局の計画及び方針に関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが職員団体の構成員としての誠意と責任とに直接に抵触すると認められる監督的地位にある職員

④ その他職員団体との関係において当局の立場に立って遂行すべき職務を担当する職員

 

 この「管理職員等」は、各団体の人事委員会や公平委員会が定める「管理職員等の範囲を定める規則」で範囲が定められ、各団体の職制などにより少しずつ異なっています。

 上の④により、人事を担当している職員だけでなく、財政担当、秘書担当なども指定されている場合が多いようです。「管理職員等」が構成員に混じった職員団体は、地方公務員法上の職員団体としての地位を失い、当局に交渉を要求することなどの権利がなくなるので、注意が必要です。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 参加しています。

↑このページのトップヘ