「定足数」の意味、誤った事例などを紹介します。
定足数は、地方議会のみならず、何かを決定する権限のある合議体には、大抵定められています。地方自治法などに明確に定義されているわけではありませんが、一般に、「合議体が会議を開き、議事を行うための必要最小限の出席者数」と解されています。
地方自治法による定足数
〔定足数〕
第113条 普通地方公共団体の議会は、議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、会議を開くことができない。但し、第117条の規定による除斥のため半数に達しないとき、同一の事件につき再度招集してもなお半数に達しないとき、又は招集に応じても出席議員が定数を欠き議長において出席を催告してもなお半数に達しないとき若しくは半数に達してもその後半数に達しなくなつたときは、この限りでない。
〔評決数〕
第116条 この法律に特別の定がある場合を除く外、普通地方公共団体の議会の議事は、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
2 前項の場合においては、議長は、議員として議決に加わる権利を有しない。
条文の見出しには、法令が初めから定めた見出しと、法令には定めていないけれど法令集の編者が分かりやすいように勝手につけた見出しの2種類があります。これは後者です。自治法自体は、「定足数」とは言っていないのです。
第113条では、「会議を開くことができない。」と規定しています。
第116条では、「出席議員の過半数でこれを決し」と規定しています。
定足数を満たし、開催したところ、途中で帰る議員がいて、議決の時には定足数を欠いていた場合、その議決が有効か否か、この部分だけを見比べても明確ではありません。
しかし、定足数は、会議を開始できる要件であると同時に、有効に継続できる要件であるとされており、議決の際に定足数を欠いていた場合、その議決は無効です。
職員団体の総会での誤った事例
地方議会で、この定足数の扱いを誤った例は聞いたことがありませんが、職員団体(組合)の総会でこれを誤った例は近隣自治体の職員団体であります。
どこの自治体の職員団体の規約でも、総会の開催は構成員の過半数(又は半数以上)の出席がなければできず、出席者の過半数の賛成で決定等と定められています。
この団体では、会議を始める時に定足数に達していれば、その後退席者が出て定足数を欠いても大丈夫だと誤解していました。また、総会の出席者確保に苦しんでおり、出席者に弁当を配っていました。しかし、出席者の中に、弁当だけもらって総会開会後そっと抜ける者がいて、議決の時点では定足数を欠いていることがありました。
ある時、そのことが公平委員会にバレて、その総会で選出された執行委員長ほかの役員の選任が受理されず、1年間、無効な役員体制でこっそり活動していたようです。
定足数は、会議を始める要件であるだけでなく、有効に開催し続ける要件でもあることに注意が必要です。このことは、自治体の議会だけでなく、特別な規定がない限り、他の合議体も同様です。
![]()
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。