4月30日の退位礼正殿の儀での国民代表の辞で、安倍総理が「天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願って『い』ません」と述べたと指摘されている件について、官邸が、5月24日のツイッターで反論しました。
少し長くなりますが、要約せずに全文を引用します。
1)一部の報道に、4月30日に挙行された「退位礼正殿の儀」での国民代表の辞の最後の部分を、安倍総理が「・・(前略)・・。天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願って『い』ません」と述べた、との記事があります。
2)国民代表の辞は、同日の閣議で決定されたものであり、安倍総理はそれに従って述べています。
3)閣議決定された国民代表の辞の当該部分は、「・・(前略)・・。天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願って『や』みません」とひらがなです。
4)これらの報道にある漢字の読み間違いなどは、ありません。
官僚らしい巧みな文章
この文章は、嘘を書かずに、読む人に事実でないことを伝えようとするもので、官僚らしい非常に巧みな文章です。あるいは、上からの指示と公務員として嘘は書けないというギリギリの良心のせめぎあいと言っていいと思います。
まず、大前提として、安倍総理は「願っていません。」と言っているのは、録画を観れば分かるとおり、動かしがたい事実です。滑舌の問題などではありません。
この文章で、言っているのは、次の3点です。
⓵あの国民代表の辞は、閣議決定されたものであること。
⓶閣議決定された文章では、問題の部分は「願ってやみません」とひらがなで書かれていたこと。
⓷だから、漢字の読み間違いなどではないこと。
この3つは、いずれも事実だと思います。官僚は、そんな嘘は書かないはずです。
また、この文章の中では、「願っていません」とは言わなかったとか、「願ってやみません」と言ったとかは、一切書かれていません。そんなことを書くと、虚偽になってしまうからでしょう。
さらに、「漢字の読み間違いではない」と言っているだけで、「読み間違いではない」とも言っていません。
嘘を書かずに国民に誤ったメッセージを伝える高等テクニックというか、好意的に捉えればギリギリの良心なのでしょう
真相は?
「願っていません」と言ったことが事実で、漢字の読み間違いでもないとすると、なぜあんな読み方をしたのでしょうか?
いろいろ確執が噂された上皇陛下に対する呪詛?
ひらがなが読めなかった?
この二つは、さすがに考えにくいでしょう。
私は、総理が、「願ってやみません」というような言い回しを知らなかったのだと思います。録画を観ると、「願って」のところで一度つっかえて、「あらせられますことを」まで戻って読み直した挙句、「願っていません」と間違えています。
この状況や総理の国語能力から判断すると、「願ってやみません」という言い回しを知らなかったというのが真相ではないでしょうか?
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