地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2019年06月

主人公は、ネゴシエイト・ナビゲーターの事務所を開いています。このネゴシエイト・ナビゲーターというのは、厄介な交渉事をうまく処理するのですが、交渉を代行するのではなく、依頼者が交渉するのをナビゲートして交渉を成功させるという仕事のようです。

主人公が解決不可能と思われるような厄介ごとに対して、心理学を応用した交渉によって鮮やかに解決していくストーリーの短編マンガがいくつかで構成されています。

 

 プロローグは、暴力団員になった中学時代の親友との親交がばれてマスコミに叩かれる状態に陥ったタレントが、主人公のナビに従って記者会見をし、マスコミとの駆け引きの中で世論を味方につけてしまうストーリーです。交渉術というより、むしろ危機管理のテキストのようです。

 

 このようなストーリー展開の中で、テーマ別に次の6章で構成されています。

第1章       人を動かす「物語」の作り方

第2章       オンリーワンになる方法

第3章       悪印象の効能

第4章       嘘が結ぶ絆

第5章       心に仕掛けられた罠

第6章       愛されるなんて簡単

 第1章では、返報性の法則承認欲求ウィンザー効果、第2章では、自己開示の法則承認欲求バックトラッキングといった具合に、ストーリーに沿って交渉に活用した心理学の理論が説明されています。

 

 交渉術が身につくかどうかはともかく、ストーリーを楽しみながらいくつもの心理学理論を手軽に学べ、読んで損はない本です。

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 


 611日に発表された「骨太の方針」で在職老齢年金制度の廃止が打ち出され、2021年度にも廃止になるとも言われています。

 私も、まさに現在、この制度の当事者です。

 

特別支給の老齢厚生年金

 老齢厚生年金の本来の支給は65歳からです。しかし、私の年代(男性は昭和3042日から昭和3241日生れ、女性は昭和3542日から昭和3741日生れ)では、経過措置として、62歳から年金制度改正前の旧制度の報酬比例部分に相当する額の支給が受けられます。私よりもっと上の世代は、定額部分の支給も受けられたようです。これが「特別支給の老齢厚生年金」といわれるものです。

 

在職老齢年金
 しかし、私の場合、厚生年金(共済年金も含む。)の適用事業所にフルタイムで勤務して一定以上の給料があるため、支給額が調整されて、全額不支給になっています。

 一般的なケースでは、年間給与の12分の1(月給等)と老齢厚生年金の月額の合計額が28万円を超えると、超えた額の2分の1の額が支給停止になります。私の世代では、60歳前に一般的な所得者だった人は、特別支給の老齢厚生年金の月額は13万円くらいでしょう。その場合、給与月額(賞与なども各月にならして給料に加えたもの)が約41万円を超えると全額が支給停止、つまり不支給になります。

 

廃止ではなく見直しを

 この制度が廃止されれば、フルタイムで働いていても老齢厚生年金が全額もらえるようになり、私は大いに助かります。しかし、麻生大臣などのように収入の極めて多い人にまで、年金を支給する必要があるのでしょうか?

 一方、年金と給料を合わせて28万円を超えると超えた額の2分の1も減額されてしまう現行制度は、確かに働く意欲を削いでしまう面はあります。厚生年金の性質上やむを得ないのかとも思いますが、厚生年金保険料の対象になる給与収入以外の収入はどんなに多くても無関係なので、そこも不公平には感じます。給与ではなく、請負契約という形にして、減額を免れる裏技もあるようです。

 それらの部分を見直したうえ、やはり高額所得者については老齢厚生年金は減額、不支給にすべきではないかと思います。例えば、28万円というラインはそのままにしても、超えた額の3分の1だけ減額する制度にすれば、労働意欲という面ではかなり違います。

在職老齢年金の制度を全く廃止してしまっては、定年後再就職の勝ち組と負け組の格差が、ますます広がりそうです。

 にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 


 「地方公務員健康状況等の現況に関する調査」の平成29年度分の結果が公表されている中から、一般定期健康診断の結果、「所見なし」又は「異常なし」と判定された以外の者の割合(有所見率)を見てみました。

 調査の対象者、区分等は、前稿「地方公務員の健康状況(平成29年度)1 死亡率、死因」と同じなので、そちらを参照願います。

 

総合的な有所見率

 一般定期健康診断の法定検査項目のいずれかに所見(正常範囲からの逸脱)があった人の割合は、平成19年度は68.2%、平成24年度は72.3%、平成29年度は75.7%でした。年々増加しています。

 団体区分別にみると、市(A)が78.7%とやや高く、町村が72.8%とやや低いほか、都道府県・指定都市、特別区、市(B)は74%から75%台です。

 

検査項目別の有所見率

 検査項目別の数値は、なぜか全体では公表されておらず、団体区分別の数値しか公表されていません。

 最も有所見率が高いのは、血中脂質で、最高が都道府県・指定都市の43.93%から最低は町村の40.28%まで、いずれも40%台です。

 次に高いのが肝機能です。特別区が15.40%と目立って低いほか、他は市(A)24.65%、市(B)24.64%、都道府県・指定都市24.61%、町村23.95%と横一線です。

 次に高いのは血糖です。最高が特別区の25.79%、最低は町村の17.14です。あとは都道府県・指定都市22.44%、市(B)21.31%、市(A)20.52%の順です。

次いで、血圧、心電図、血圧などで、有所見率が高くなっています。

 

血糖と血中脂質で、いずれも町村の有所見率が低いのは、農山村地域で農業などを兼業している職員が多い(農作業をし、野菜をたくさん食べる。)ことが影響していそうな気がします。

肝機能は、特別区の職員には酒飲みが少ないのでしょうか?

 

 私自身もずっと有所見です。こんな数値を眺めながら、原因の推測、憶測を楽しませていただきました。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 


 厚生年金保険法国民年金法の規定により、政府は、少なくとも5年ごとに、国民年金及び厚生年金の財政の現況及び見通しの作成、いわゆる財政検証を実施して、公表しなければならないことになっています。

 この財政検証は、平成16年、21年、26年に行われてきており、今年も行われるはずです。前回、平成26年の検証は、63日に公表されました。今回もそのようなスケジュールで進んできていたので、6月中に公表されるという見込みでした。

意図的に遅延?
 厚生労働大臣の話では、「制度改正の議論に資する財政検証をしっかり行う事が重要だと考えている。オプション試算の内容を充実させ、丁寧に作業を行うよう指示している。」とのことです。
 ネットニュースなどによると、与党関係者の中には、公表時期は「参議院選挙のあとになるだろう」と本音を漏らす人もいるようです。
 このように引き延ばされると、「よほど国民にショックを与えるような試算なのかな?」と不安になってきます。

きちんと議論を!
 政府は、ちゃんと検証結果を選挙前に国民に提示し、年金をどうするかを議論すべきでしょう。
 国民はバカではないと思います。今回の「2千万円の不足」の問題でも、麻生大臣の報告書受取拒否についてはあきれ果てていましたが、報告書の内容自体については、ゆとりのある生活をしようと思えば年金では不足することは当たり前と受け止める意見が多かったように感じました。むしろ、野党側が「年金詐欺だ!」などとはしゃぐことに対して、多くの国民が批判的でした。

 アメリカとの貿易交渉も、決着は参院選挙後にするという密約をトランプ大統領がバラしてしまいました。
 「トランプとの密約をばらされた安倍首相!」 

 このような国民を馬鹿にした政治手法はやめて、きちんと説明し、議論していただきたいものです。

【参考】国民年金法

(財政の現況及び見通しの作成)

第4条の3 政府は、少なくとも5年ごとに、保険料及び国庫負担の額並びにこの法律による給付に要する費用の額その他の国民年金事業の財政に係る収支についてその現況及び財政均衡期間における見通し(以下「財政の現況及び見通し」という。)を作成しなければならない。

2 前項の財政均衡期間(第16条の2第1項において「財政均衡期間」という。)は、財政の現況及び見通しが作成される年以降おおむね百年間とする。

3 政府は、第1項の規定により財政の現況及び見通しを作成したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

にほんブログ村 ニュースブログ ニュース感想へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

サイト案内(目次) 



 この種の健康本は数多く読んでいますが、さすがに公益財団法人ライオン歯科衛生研究所編だけあって、歯、咀嚼に関する内容が充実しています。

人間は生活していく中で体内で活性酸素が発生し、それが細胞を傷つけるなどして、次第に組織がさび(酸化し)、老化していくことは避けられません。それをなるべく防ぐ方法について記載されています。

序章 頭と体をさびさせない生活習慣

1章 さびないための「脳」のトレーニング

2章 さびないための「身体」のトレーニング

3章 さびないための「食」のトレーニング

4章 さびないための「お口」のトレーニング

終章 人間の身体に備わった生物の歴史

という構成です。

 

 序章は、組織を酸化させるメカニズム、及び酸化を防ぐメカニズムが解説され、活性酸素の発生を減らすために運動しないなどはダメということなどが書かれています。

 1章では、パズル、計算問題、読書、社会との関わり合いなどが認知症予防に効果があることのほか、咀嚼も認知機能を維持するうえで大切なことなどが述べられています。

 2章は、歩いて「第2の心臓」と言われるふくらはぎを鍛えることの有効性、血管を鍛えること、筋力を鍛えることの有効性やその方法が紹介されています。

 3章は、動物性たんぱく質、抗酸化物質、不飽和脂肪酸をたくさん摂取すべきこと、咀嚼することと健康寿命の関係などが述べられています。

 4章は、歯を失うことがどれほど健康を損なわせるか、それを防ぐための方法等について述べられています。

 終章は、本書の主旨とは少し外れるおまけで、人間の体には、地球に生命が発生してからの、植物、動物といった歴史の痕跡が残されていることが述べられています。

 

 本書は、生活習慣の見直しのきっかけにいいかもしれません。

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次) 


↑このページのトップヘ