主人公は、ネゴシエイト・ナビゲーターの事務所を開いています。このネゴシエイト・ナビゲーターというのは、厄介な交渉事をうまく処理するのですが、交渉を代行するのではなく、依頼者が交渉するのをナビゲートして交渉を成功させるという仕事のようです。
主人公が解決不可能と思われるような厄介ごとに対して、心理学を応用した交渉によって鮮やかに解決していくストーリーの短編マンガがいくつかで構成されています。
プロローグは、暴力団員になった中学時代の親友との親交がばれてマスコミに叩かれる状態に陥ったタレントが、主人公のナビに従って記者会見をし、マスコミとの駆け引きの中で世論を味方につけてしまうストーリーです。交渉術というより、むしろ危機管理のテキストのようです。
このようなストーリー展開の中で、テーマ別に次の6章で構成されています。
第1章 人を動かす「物語」の作り方
第2章 オンリーワンになる方法
第3章 悪印象の効能
第4章 嘘が結ぶ絆
第5章 心に仕掛けられた罠
第6章 愛されるなんて簡単
第1章では、返報性の法則、承認欲求、ウィンザー効果、第2章では、自己開示の法則、承認欲求、バックトラッキングといった具合に、ストーリーに沿って交渉に活用した心理学の理論が説明されています。
交渉術が身につくかどうかはともかく、ストーリーを楽しみながらいくつもの心理学理論を手軽に学べ、読んで損はない本です。
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