地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2019年11月

 徴用工に関して韓国最高裁で馬鹿げた判決が出てから1年が過ぎた11月初め時点で、韓国側から軟化の動きもあります。それを受けて、日本の親韓派と言われる議員などから、日本政府もいつまでも頑なな姿勢を取らずに妥協すべきだという意見が出るのではないかと心配する報道もあります。

 私も、多くの国民と同様、ここでの妥協はすべきでないと考えています。

 

ここで妥協しても蒸し返されない保証はない

 今回、韓国の動きに乗って韓国が設置する基金に日韓両国の企業や国民が寄付をするという案は、政府が主張する通り、結局、日本企業の負担が前提になっています。

 この案に乗れば、当面の問題だけは解決するかもしれませんが、また韓国側から蒸し返されない保証はなく、無意味です。そもそも日韓請求権協定という条約、約束を守らないことが問題なのです。今回、韓国が何らかの約束をしたとしても、それが将来にわたって守られる保証は皆無です。

 韓国は、過去の請求権協定に適合する解決策、すなわち韓国政府の責任で、日本側には一切何も求めず、徴用工の問題を解決する以外、国としての信用を回復する手段はありません。

 

韓国議長の謝罪も・・・

韓国国会の文議長は、20192月、譲位前の上皇さまを「戦争犯罪の主犯の息子」と呼び「慰安婦問題の解決には天皇の謝罪が必要」などと語っていました。その文議長をG20各国の上院議長が日本に集まる国会議長会議に招待する際、山東参議院議長があの発言に対して「甚だしく無礼で、受け入れられない」と抗議の文書を韓国大使に渡し、個別会談を受け入れる前提として、回答を求めていました。
 文議長からは、「自身の発言によって心を痛められた方々へのおわび」を記した書簡が送られてきましたが、山東議長は、「その内容では十分ではない」として、10月、発言の撤回と謝罪を求める書簡を送ったところ、文氏からの返答はなかったとのことです。結局、個別会談は行われなかったようです。
 文議長は、来日した折に早稲田大学で行った講演でも、「私の発言で心が傷ついた方々に改めてお詫び申し上げたい」と述べたとも報じられています。「一応謝っているのだから会談くらいしてあげればいいのに」と思う人もいるでしょう。

あの謝罪の仕方は、クレーマー対応についての研修などで推奨されているものです。私も県職員時代に研修会で学びました。こちらが悪いと思わなくても、相手に不愉快な思いをさせたことについてだけ取りあえず謝罪し、言質を与えずに相手をなだめる手法です。発言の撤回も、あの発言が無礼なものであったことについての謝罪もありません。

文議長は、あの発言の後、謝罪を求める日本の声に対して「盗っ人猛々しい」と言い放っています。つまりは、それが本音でしょう。

山東参議院議長が誤魔化されなかったのは当然ですが、一応評価できます。日本人同士なら、なあなあで終わらせてもいいのでしょうが、あの人たちには禁物です。

 117日、文議長が上皇様に謝罪の手紙を出したという報道がありました。その真偽、内容が明らかでありませんが、続報を待っています。クレーマー対応のような文言(不愉快な思いをさせたことに限定した謝罪)でなければいいのですが・・・。

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 2020東京オリンピックのマラソンと競歩が、急遽、札幌で開催されることに決まりました。これから準備を進めなければならない皆さまは、大変な御苦労だろうと思います。

 そんな中で、忘れてもらっては困ることがあります。受動喫煙対策です。

 東京都は、2020年の五輪開催のため、様々な受動喫煙防止対策を講じてこられました。北海道、札幌市は、これから大至急頑張っていただかなければなりません。

 

北海道、札幌市の現状は?

 ネットで「北海道 札幌 路上喫煙」「北海道 札幌 路上喫煙」等と検索してみました。対策は、かなり遅れているようです。

 札幌市中央区の中心部で路上喫煙が原則として禁止されているようですが、ごく狭い範囲であり、しかも、灰皿が設置してある場所は喫煙できるようです。また、北海道の喫煙率は日本一だとか、北海道に旅行する際は受動喫煙に注意すべきことを観光サイトが呼びかけているとか、札幌はタバコ臭いとか、受動喫煙対策が遅れていることを示す記事が、これでもかこれでもかというほどヒットします。

 私はここ何年か札幌に行っていないので、本当のところは分かりませんが、本当にそんな実態ならば、オリンピックまでに是非何とかしていただきたいと思います。日本全体の恥になってしまいます。

 

札幌市議会に期待

 北海道議会自民党は、会派控室内に喫煙所を設けようとしているくらい浮世離れしているので、あまり期待できない気がします。

 「北海道議会自民党のおごり 喫煙所設置を強行か」 参照

 

 ここは、札幌市議会に期待するしかありません。

 路上喫煙対策だけでなく、飲食店での受動喫煙防止対策など、今から大至急議論し、間に合わせていただきたいと思います。喫煙者の間でマラソン等を東京に返上する意見が高まってしまうかもしれませんが、これまで迷惑を強いられていた非喫煙者のため、頑張ってください。

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 地方自治体の首長は、幅広い多くの権限を持っています。

 北海道議会自民党が議会庁舎の会派控室に喫煙室を設置しようとしていることについて、「それを決めるのは知事の権限ではないか?」という疑問を呈しましたが、それについて少し詳しく書こうと思います。批判しているマスコミは多いのですが、決定権が知事にある点に触れている記事が残念ながら見当たりません。

 「北海道議会自民党のおごり 喫煙所設置を強行か」

 

地方自治法

第112条 普通地方公共団体の議会の議員は、議会の議決すべき事件につき、議会に議案を提出することができる。但し、予算については、この限りでない。

2 前項の規定により議案を提出するに当たつては、議員の定数の十二分の一以上の者の賛成がなければならない。

3 第一項の規定による議案の提出は、文書を以てこれをしなければならない。

第149条 普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。

一 普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。

二 予算を調製し、及びこれを執行すること。

三 地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科すること。

四 決算を普通地方公共団体の議会の認定に付すること。

五 会計を監督すること。

六 財産を取得し、管理し、及び処分すること。

七 公の施設を設置し、管理し、及び廃止すること。

八 証書及び公文書類を保管すること。

九 前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共団体の事務を執行すること。

 

財産管理、予算の調製・執行は長の権限

 第149条の第2号、第6号を読めば疑問の余地はありませんが、議会庁舎とはいえ自治体の財産となる建物を建設し、管理するのは、長(知事)の権限です。また、それらに関する予算の調製の権限も議会にないことは第112条で明らかです。執行機関でない議会に予算執行の権限がないことは当然です。

 行政実例でも、次のように念を押しています。

議事堂の管理権は、普通地方公共団体の長又はその委任により当該普通地方公共団体の吏員にあり、議長にはないと解されるから、議長は建造物不法侵入不退去の罪の容疑者を告訴することはできない。」(昭39.1.8行実)

 

実務的には

 日常的には、議会事務局長などが長の権限を専決する形になっていることが多いでしょう。しかし、それを指揮監督するのは、本来の権限者である長であり、議長ではないでしょう。

 また、会派の控室などの管理には長は口を出さないことが慣例になっているでしょう。しかし、仮にJT(日本たばこ産業)等からの寄付によって整備するにしても、そんな財産取得を認めるかどうか、自治体の財産に改変を認めるかどうか、自治体の財産内に設備を置くことを認めるかどうかは知事の判断です。

 知事は自己の責任によって、判断しなければなりません。悪例を作らないことを期待しています。

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 2020年東京オリンピックのマラソンと競歩は、札幌開催と決まったようです。また、変更に伴って必要になる追加経費について、東京都には負担を求めないことになったとも報じられています。

 

追加費用は340億以上?誰が負担?

IOCと日本の組織委員会が秘密裏に合意して勝手に決めたことですから、東京都に負担を求めることなどできないのは当然です。

 追加経費は、都議会の都民ファーストの試算なのでどれほど信頼できる数字か分かりませんが、340億円以上とも言われています。北海道や札幌市にとっては、棚ボタではあると思いますが、急に押し付けられた話で、大きな負担は拒否するでしょう。結局は、組織委員会の尻拭いを国がやらざるを得ないことになるのでしょうか?

 国が尻拭いするということは、東京都民でも北海道民でもない我々の税金が使われてしまうということです。釈然としない気がします。

 

変更の経緯、責任の所在を明らかに

 一部では、この変更案は日本の組織委がIOCに持ち込んだという疑いも報じられているようです。仮にそれが事実でないにしても、組織委の内部で、誰が、関係機関に相談もせずに勝手にIOCと合意したのでしょう?

 その意思決定の過程、責任の所在を明らかにし、必要な「お咎め」くらいは行うべきだと思います。昔ながらの、誰も責任を取らない無責任体制にいつまでも安住すべきではないでしょう。

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 萩生田文部科学大臣が、大学入学共通テストで導入予定の英語の民間試験について、「身の丈に合わせてがんばってもらえれば」などと発言し、野党などから批判を浴び、撤回、謝罪を余儀なくされました。

私は、最初テレビニュースで断片的に聞いた時、なぜ「身の丈に合わせてがんばって」が非難されなければならないのか疑問に思いました。でも、ネットで詳細、経緯を調べてみたら、やはりアウトだと思いました。

あの方は、英語の民間試験について「裕福な家庭の子どもが回数を受けてウォーミングアップできるというようなことがあるかもしれないが、自分の身の丈に合わせて2回をきちんと選んでがんばってもらえば」などと述べているようです。大きな問題があることを承知していながら強行しようという姿勢は、批判されなければなりません。

 

「身の丈」にあった生活

 私を含め、日本人の多くは、身の丈に合わせてがんばることを美徳と考えます。逆に、収入が少ないのに子供をインターナショナルスクールに通わせたり、さほど成績優秀でもないのに学費の高い私立大学に進学したり、アルバイトの状態なのに高貴なお姫様に求婚するような、身の丈に合わない行為を嫌います。置かれた状態で身の丈に合わせて地道に努力し、這い上がることが日本人の美意識に合うのです。

 しかし、新たに格差を拡大させるようなことをしようとする側が、「身の丈に合わせてがんばれ」などということは、傲慢、無責任の極みです。

 

民間試験

 私も、英検とTOEICは何度か受けています。TOEICは今回の大学入試の対象を辞退したとのことですが、コツをつかみ、慣れれば、英語の実力を付けなくても100点くらいは簡単にアップできます。現時点で対象になっているのはTOEICを除く6団体のようですが、どの民間試験にも多かれ少なかれそういう問題点はあるでしょう。現に、受験生向けの「対策講座」などを開催している団体もあるようです。

従来の統一試験、各大学の個別試験のほうが、ずっとましです。なぜ民間試験を導入しようなどいうことになったか疑問です。

 

入試制度

 大学の多い大都市に住んでいるか地方に住んでいるか、保護者に経済力が有るかどうかによって、大学入試に有利不利があることは、昔からです。これを入試制度だけで解消することなど不可能でしょう。

 しかし、新たに格差を拡大させるようなことをしてはいけません。

 萩生田大臣は、資質の問題は別としてこれまでの経緯から、文部科学大臣には任命してはいけない人だと思っていました。

 『反省の感じられない「お友だち内閣」』 参照

 

 今回のことで、資質の問題でも大臣に不向きだと分かりました。

 

萩生田大臣の功績

 私は、大学入試制度改革に特に関心がなく、この問題も詳しく知らなかったのですが、今回のことで知ることができました。また、今朝(111日)の報道では、文科省が民間試験導入の延期を決めたとのことです。その点は、見直しのきっかけを作ってくれた萩生田大臣の功績として称えられるべきでしょう。

 延期ではなく、中止になるよう、注目しています。これ以上受験生や民間団体を混乱させてはいけません。


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