地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2019年12月

 20199月、厚生労働省が全国で424の公立・公的病院の名前を挙げて再編の検討を促しました。その後、各地域で、地域医療構想検討会議が開かれるなど、検討が進められているようです。

 

問題があるのはたしかだが・・・

 自分の地域の病院が名前の挙がっている自治体の首長で、「地域医療が崩壊する」等と遺憾の意を表した方がたくさんおられます。中には、再編の必要性は承知していながら、住民へのポーズとして遺憾の意を表された方も多いものと推察しています。医師確保の困難さが骨身にしみている首長さんも多いでしょうから・・・。

 中には、再編を検討する必要なしという結論に至った調整会議もあるようです。

 厚労省が公表したものに問題があることも事実でしょう。中には、再編したばかりの病院が、データの時期の問題でまた名指しされているようなこともあるようです。しかし、個別には問題もあるでしょうが、医療資源(特にスタッフ)の不足は加速しており、全体として再編を進めなければならないことは、間違いありません。

 

産科の現状が近い将来は病院全体に

 地方では、既に、産科を閉科したり、分娩の取扱いを止めたりする病院が、相次いでいます。無理もありません。24時間分娩に対応するには、医師の働き方改革等も踏まえると、かなりの人数の産科医(関係学会等によると8名)が必要になるとのことです。

 日中の産婦人科の外来だけは中小の病院にも設置したとしても、分娩は大病院に集約せざるを得ないことは明らかです。

 少子化の影響等で、産科には一足早く既に再編統合の波が来ていますが、この波は、早晩、他の診療科にも来ることが確実視されています。

 

どこまで守るか

 多死社会、超高齢社会を支えるため、在宅医療は各地域で維持しなければなりません。それをバックアップするための入院医療の体制をどうするか急性期病床をどこまで削減すべきか、各地域で真剣な議論が必要です。

 再編統合は、病院を丸ごと統廃合してしまうことばかりではありません。

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 「桜を見る会」の話題について、国民がこの話題に飽きて忘れることを官邸が狙っています。その手に乗らないことを示すため、再三この話題を取り上げさせていただいています。

 「安倍政権の『朕は国家なり』」

 

 20194月の「桜を見る会」の参加者名簿は、完全に廃棄されたことになっています。そんな馬鹿なことをするはずがなく、国民の誰も信じていませんが、内閣府は、通常の事務手続きの流れの中で廃棄したと言い張っています。しかも、実際に大型シュレッダーにかける作業をしたのは、障がい者雇用の職員だったなどと聞かれてもいない余計なことまでしゃべり、ひんしゅくを買っている始末です。

 国民が知りたいのは、そんなことではないでしょう。

 

明らかにすべきこと

 まず、手近なところから、誰が障がい者雇用の職員にその文書の破棄を指示したのかという点です。作業をした人物でなく、それを指示した人物を特定し、必要に応じて、その指示者に指示をした人物をさらに上へ上へと辿らなければならないことは当然です。

 次に、それらの書類について、1年未満で廃棄可能とするように内規を改正したのは誰かということです。その改正は、当然、起案として残っており、決裁もされているはずです。まさか、その文書まで既に廃棄されているなどということはあり得ません。

 あのような書類を会計検査も受けていない1年未満で廃棄するなど、行政の常識を外れており、そのような決定をした職員は重い処分を受ける必要があります。まともな判断ができない職員を昇任させてはいけません。

 次に、名簿は何部ほど印刷され、それらはどうしたのかという点です。名簿が、招待状の送付についての起案文書に添付されていた1部だけということはないでしょう。受付を担当する職員、警備を担当する責任者などにも名簿が渡されているのは当然でしょう。

 最後に、電子データの消去を誰がどのように行ったのかという点です。電子データを消去する場合、担当者が、電子ファイルをパソコン上で「ゴミ箱に入れる」、適当な時期に「ゴミ箱を空にする」程度が一般的です。しかし、このように消去した程度では、市販のソフトを使っただけでも復活させられるようです。

 復活ができないように消去するには、ディスクを物理的に破壊するか、専用のソフトで上書きしなければなりません。そこまでやるのは、パソコンを処分する時くらいでしょう。

 通常の業務の流れで行うようなことではなく、証拠隠滅の明確な意思に基づかなければ、そんなことはしないでしょう。

 

 官邸や内閣府の説明は、不自然すぎて、よほど素直な国民以外は、信じないでしょう。マスコミ、野党には、頑張って追及していただきたいと思います。

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 「決定版・老後資産の守り方」という副題が付いています。

 5章で構成され、第1章は、年金制度の仕組の解説と制度が破綻する心配はほとんど不要なことを解説しています。

 第2章は、人生の様々な場面での年金の活用法、ちょっと得する方法などが説明されています。

 第3章は、一般的なサラリーマンなら出費を抑えれば年金だけで生活できることを説き、生活費、特に保険料や通信費などの抑え方を説明しています。

 第4章は、「やっぱり投資はしてはいけない」とう表題で、銀行や郵便局に騙されて不慣れな投資をしてはいけないことが説かれています。

 第5章は、医療や介護は、公的な制度でかなりの部分がまかなえるので、過度に心配する必要はないことが説明されています。

 

 私も、厚生年金の対象となっている一般的なサラリーマンOBなら、年金だけで生活できるはずだと考えており、その考えを確認する意味で、本書を読んでみました。

 

 今年(2019年)6月に金融庁のワーキンググループの報告書で、老後に年金だけでは夫婦で2000万円不足するという騒動になりました。あの騒動は、国民の危機感をあおって貯蓄から投資にシフトさせたい勢力や、政府の足を引っ張りたい勢力が引き起こしたもので、報告書自体には当然のことしか書かれていなかったと思います。

 『「老後資金2000万」は金融庁の単なる勇み足』

 

 本書は、あの騒動の前に出版されていたものですが、グッドタイミングでした。正しい知識を持って、浮足立たないようにしたいものです。

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 ネットに転載されていた雑誌のエッセイで、フランス文学者、哲学者の内田樹さんが、「桜を見る会」について論評するに際し、「私自身いいかげんこの話題に飽きているが、官邸が「国民がこの話題に飽きて忘れること」を狙っている以上、その手に乗るわけにいかない。」(要約)と書いておられます。

 内田先生の言われることには賛成できないこともありますが、これについては全面的に賛同します。各マスコミ、ジャーナリストの皆さまも、先生の気骨を見習っていただきたいと思います。私も先生に倣い、頑張ってこの話題を繰り返し取り上げます。

 

法令等の勝手な解釈運用

 「桜を見る会」に反社会的勢力とみられる男性が出席していた件に関する野党の質問に対して、「(反社会的勢力について)あらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難」とする答弁書を閣議決定しました。これまで、さんざん暴力団等を取り締まり、排除してきながら、自らが矢面に立つと突然こんなことを言い出しました。今まであいまいな基準に基づいて排除してきたのかということになり、法治国家にあるまじき話です。

 バックアップデータは行政文書ではないなどという珍解釈には、専門家も行政の実務者もあきれています。何のためのバックアップなのでしょうか?

 災害時の応急事業などを除き、事業は歳出予算の範囲内で執行するものです。しかし、「桜を見る会」の事業については、安倍官邸は当初から予算の枠を守ろうとする気もなく、際限もなく客を招待し、予算を大幅に超えて事業が行われました。国の予算は自分の財布と考えているようです。

 集団的自衛権の行使は日本国憲法の下では認められないというのが大多数の憲法学者の解釈、通説であり、従来の自民党政権の考えでもあったのですが、突然変更してしまいました。

 

朕は国家なり

 数十年前(私の高校時代)、テレビニュースで国会中継を見ていたら、野党議員が当時の田中角栄首相に対して、「総理は、『私は法律だ。どんな法律でも作ってみせる。』と言ったそうだが、本当か?」というような質問をしたのに対し、田中氏は、だみ声で「私が『私は法律だ。』などと言う格調の高い人間に見えますか?」などと答弁し、議場が笑いに包まれていたことを思い出しました。一緒にテレビを見ていた今は亡き父も笑っていました。

 安倍政権は、自分たちの都合に合わせて、法令の解釈、制度の運用をころころ変えてしまいます。その対応は、まさに、自分の考えが法律であり制度である「朕は国家なり」という絶対君主制時代のルイ14世の言葉のようです。

 

 ここらで歯止めをかけなければ、ひどい国になってしまいそうです。

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 2019年は、池袋で元高級官僚の87歳男性が起こした悲惨な交通事故、川崎市で51歳の無職の男性が登校中の小学生を襲った事件、元農水事務次官の男性が自宅で引きこもりの長男を殺害した事件などが次々に発生し、上級国民、下級国民という言葉が人々の口に上りました。また、元号が替わる際に異例の10連休があり、連休を楽しむ上級国民とそれに奉仕する下級国民という構図も語られました。

 本書は、そんな社会の分断が起きてしまった原因などについて、様々な統計等を基に分析、考察したものです。単なるルポではなく、かなり専門的な分析もされているようです。

 

 大きく3つのパートで構成されています。

 Part1は「「下級国民」の誕生」Part2は「「モテ」と「非モテ」の分断」Part3は「世界を揺るがす「上級/下級」の分断」です。

 Part1では、2001年には世界2位にもなった日本の一人当たりGDP2018年には26位になり、マカオ、シンガポール、香港に大きく引き離されて韓国にまで肉薄されるようになってしまったのはなぜか、なぜ生産性が相対的に低下してしまったのか、なぜ相対的に貧しい国になってしまったのか、平成の時代に何が起きていたのか、令和ではどんなことが起こるのかが論じられています。非常に読みごたえがあり、共感できるところが多いのですが、一部疑問があります。

 「最低賃金引き上げが雇用を減らすかどうかは経済学者のあいだでも議論が続いていますが、若者の雇用にマイナスの効果を及ぼすことについては確固とした合意が形成されています。」という点です。現在の日本のような労働力不足の下では、最低賃金を多少引き上げても若者の失業率を上げはしないと思うのですが・・・。この点では、私はデービッド・アトキンソン氏の意見の方に賛成です。

 『「日本人の勝算」(デービッド・アトキンソン)を読んで』

 

 正規と非正規の身分差別的な不公正な格差を廃止し、労働市場を流動的なものにすれば、生産性も上がるでしょう。団塊の世代の正社員の既得権益を守ることが至上命題だった平成が終わり、労働力市場が合理的なものになって、生産性が上がるよう、有権者の一人として見守りたいと思います。

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