地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

2020年04月

 安倍政権が415日ころに方針をコロッと変え、新型コロナ対策として全国民に一律10万円の給付を決めたようです。歓迎する人が多いようですが、私は大反対です。

 その理由は、主に次の3つです。

 

コロナ終息前に経済を活性化させてはいけない

 コロナが終息するまでは、国民はなるべく家の中に閉じこもっているべきです。経済が活性化するということは、人が動くということです。外出自粛を求めながら現金を配るのは、アクセルとブレーキを同時に踏むような愚策だと思います。10万円ももらったら、不要不急の買い物に出かけたり、飲みに行きたくなったりする人がいるものです。

 終息してから、経済のV字回復を目指して一律給付するなら、反対はしません。

 

結果的に不公平になる

 コロナ騒ぎによって受けた損失の有無、大きさは、人によって全く異なります。

 全く経済的な損失のない人も多数です。給料が減らない公務員や固定給の正社員、年金生活者などです。給料が減らずに、在宅勤務になって内心喜んでいる人もいるようです。

 一方、この騒ぎで職を失った人、収入が減った人は、10万円くらいでは足りないでしょう。

 一律というのは、損失の大きさと釣り合わず、結果的に不公平になります。

 

子や孫にツケを残す

 何の負担もなくお金をもらえるわけではありません。結局、子や孫にツケを回す結果になります。日本のような国はどんなに国債を発行しても大丈夫という「現代貨幣理論」もなかなか説得力のある魅力的な学説ですが、まだ完全には信じきれません。

 日本が世界の中で相対的に縮小していく中、子や孫がこの借金を返さなければならないことを想像すると、かわいそうになります。私の分は、子に贈与し、貯金させようと思います。
 ばらまくより、生活が苦しくなった人や経営が苦しくなっている医療機関などを重点的に支援しなければなりません。

 

 生活に困っている人に少しでも早く渡すために、一律給付に賛成する人もいます。しかし、そんなことは、例えば無利子の融資を10万円ほど即座に交付するなど、解決する方法はいろいろあります。

 今回の急展開、結局、安倍総理は、長く政権の座にいたいという欲望だけで政治をやっているのだということが、よく分かりました。

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 このところ安倍総理は、何をやっても国民から馬鹿にされ、批判されています。まるで民主党政権の末期のようです。将来、「悪夢のような安倍政権」と言われるようになるでしょう。

 

星野源さんの歌に合わせた動画

 多くの人が指摘するように、この非常時にのんびりくつろいでいる動画を公開して、反感を買うということを予測できなかったのでしょうか?そうだとすれば、国民の気持ちを全く理解できていないということで、的外れなことばかりやらかすのも当然です。

 犬と戯れ、読書するふりをしています。読書は、ポーズだけでしょう。日ごろから読書する習慣のある人が、あんなに国語力がなく、頭が悪いはずがない・・・。

 誰にも相談しなかったのでしょうか?周囲の人が制止しなかったのも、末期症状の一つでしょう。

 

アベノマスク

 私は、布マスクの配付自体はそれほど愚策ではないと思っていますが、発表の仕方、タイミングが最悪でした。また、予算がかかり過ぎです。業者に足元を見られたか、お友だちにお金をばらまきたいのか・・・。

 

 何をやっても国民から批判されてしまうのは、信頼をなくしているからでしょう。森友、加計、桜を見る会、IR、河合夫妻事件、検察人事 ・・・。積もり積もった嘘や隠ぺいで、さすがに我慢強く忘れっぽい国民も、愛想を尽かせたようです。

 国難を乗り越えるためには、国民の協力、団結が必要です。国民から嘘つきだと思われ、信頼されない政権は、退場願ったほうがいいでしょう。

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 新年度が始まって2週間ですが、例年と全く様相が異なっています。

 新任職員への辞令交付式も、取りやめた団体もあれば、一堂に会さずに数会場に分散開催とした団体もあるようです。

 中でも気の毒なのは、首都圏の大学などの卒業生で、首都圏を引き払ってから日が浅い場合、引っ越してから2週間の自宅待機を命じられている人もいるとのことです。せっかく張り切って就職したのに、しょっぱなからそんな話では、ガックリ来てしまいそうです。

 

 新任職員に対する「新採用職員研修」も延期している団体が多いようです。我が団体も延期です。高校なども休校になっている以上、やむを得ない判断でしょうが、気の毒なことです。やはり、新入職員として学ぶべきことは、採用されてからなるべく早いうちに学んだほうがいいことはもちろんです。

 

 歓迎会、顔合わせも、延期されていることと思います。こっそり実施して、万一のことがあると、そこの上司はつらい立場になるでしょうから・・・。

 

来年度採用の就職戦線は?

 今年度採用の新人は、異例ずくめで気の毒です。

 しかし、来年度採用の就職戦線は、どうなるでしょうか?昨年まで、求人難で、空前の売り手市場が続きました。民間採用が好調のため公務員試験の人気が低調で、倍率もかなり低くなっていました。

 企業業績の大幅な悪化は避けられないでしょう。また、コロナ騒ぎで、AI化、ロボット化も飛躍的に進む可能性もあり、民間企業の採用熱が一気に冷めてしまう恐れもあります。今年の新人よりもかわいそうかもしれません。

 

 新型コロナで我慢の日々の後は、バブル崩壊後、リーマンショック後のような我慢の日々が続くのでしょうか?各自治体の財政状況も心配です。

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 カナダのオンタリオ州政府が米企業から医療用マスクの輸入契約をしたのに、米政府が輸出を阻止したことが紛争になっています。米政府は、スリーエム(医療用品等の大企業)などに、マスクの輸出を停止するよう要請しているとのことです。

 EU内部でも、マスク等をめぐる同様の争いが生じています。EUの域内で、マスクを生産している国がマスクの国外移送を禁止し、域内の生産していない国は困ってしまいました。このことは、今後のEU、ユーロの枠組み自体の見直しを迫るかもしれません。

 自国でも不足しているものを外国に輸出するなという主張は、自国民を守ろうとする政府としては当然のことです。しかし、それならば、平時にはマスク等の輸入に高率の関税をかけ、自国のマスク生産者を保護するのも当然のこととして認められなければなりません。

 

 

行き過ぎたグローバリゼーションの揺り戻し

 グローバリゼーションの行き過ぎを引き戻す動きは、数年前から目立つようになっていました。米国の自国第一主義、保護主義化の動き、英国のEU離脱EU各国内での反EU勢力の台頭などです。

 『「グローバリズム以後」(エマニュエル・トッド)を読んで』

 

 今回はマスクなどの医療資材でしたが、食糧などでも常にこのような危険があります。

 また、そもそもグローバリゼーションが進展していなければ、今回の新型肺炎も武漢周辺の風土病に過ぎなかったわけです。

 行き過ぎたグローバリゼーションは、一部の大富豪を生んだ反面、特に先進国の労働者の仕事がどんどん中国などに奪われ、失業を生んできました。グローバリゼーション・ファティーグ(グローバリゼーション疲れ)と呼ばれる閉塞感も広がっていました。

 

 少しくらい安いからといって、何でもかんでも外国に依存することは危険です。WTOのルールも見直す必要があるかもしれません。

新型コロナウイルス騒ぎの一連の教訓が、行き過ぎたグローバリゼーションを引き戻すきっかけになるのではないかと期待しています。

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 イギリス人は、ユーモア、ジョークが大好きだと言われています。そんな英国のジョンソン首相が323日に行った外出禁止を命ずる演説は、日ごろのジョーク好きを感じさせず、真剣そのもので、それだけに国民にストレートに危機感が伝わるものでした。我が国の首相の演出過剰の情けない会見とは、比べ物になりません。

そのニュースを見て、昔読んだ本を思い増しました。フィクションですが、危機に臨んだ英国人のユーモアの一例です。

 

「毒ガス帯」(コナン・ドイル)

 ドイルと言えばシャーロックホームズのシリーズが有名ですが、「失われた世界」などの優れたSFも書いており、本書The Poison Beltもその一つです。日本語訳では、「地球最後の日」という題名の方が有名かもしれません。

 地球が宇宙空間の毒素帯に突入し、人類が滅びようとしている場面です。手もとに本がなく、一字一句憶えているわけではないのですが、次のようなやり取りがあります。

 

ロクストン卿「我々にはみんな何かやり残した仕事がある。マローン君、君のはどんなものだい?」

マローン(主人公)「書きかけの詩集があります。」

ロクストン卿「そうすると、とにかく世間はそれを読まされずに済んだわけだ。どんな災厄にも、探せば何かしら埋め合わせはあるものだな。」

 

コロナ騒ぎの埋め合わせ

 今回の新型コロナウイルスの感染拡大、大変な災厄ですが、埋め合わせはいくつもありそうです。

 AIやロボットの活用の進展在宅ワークやリモートワークの普及愚か者や自制心のない者のあぶり出し政治家や指導者の優劣の可視化・・・。

 

 日本人がどこまで規律のある行動ができるか、真価も問われています。

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